
「太陽族とギラギラな若者たちーー狂熱の刹那的青春映画史」
「逆光線」1956年 日活 監督:古川卓巳
独特な恋愛観を持つ女子大生(北原)は、思いの向くまま男性と関係を持つが…。マスコミから“女版石原慎太郎”といわれた女子大生作家・岩橋邦枝の異色の青春小説の映画化。八頭身美人・北原の圧倒的主演作。
裕次郎の嫁である北原三枝の若い頃というのは「狂った果実」など確かに美人で魅力的なんだけど、これまで個人的にはあまり関心が無かった。しかし、本作は演じるキャラも相まってとても良い。
魔性の女と言うよりも進歩的であくまでピュア。周囲の常識人たちと相容れるはずもなく、俗人安井昌二に娼婦呼ばわりされるし、家庭教師先のオジサマ二本柳寛には普通の男は君を怖がると言われてしまう。
青山恭二が綺麗な顔をしてるっていう役。それはそうかもしれないけど。
安井昌二や渡辺美佐子と言った対象的な価値観を持ったキャラとの対比も面白く、渡辺美佐子がまぁカワユイ。サンドイッチマンのアルバイトでオッサンからセクハラ受けるw
歌声喫茶の青春
フォークダンスの青春
リーベの青春
ヴェーゼの青春
北原三枝の一番の見せどころは二本柳寛に積極的にヴェーゼを仕掛けると、完全に舞い上がりその気になったオジサマを「ずいぶん甘ったれてらっしゃるのね」とピシャリ!
キズついたお金持ちの坊やから夫の不貞を知った妻・高野由美と北原、二本柳との距離感を持った構図と間もゾクゾク。
上高地に残された北原三枝のラスト、あそこは本来全裸が望ましいかもしれないけど当時の事情から水着止まり、それが返って艶めかしく抜群のスタイルで持って突き進む姿がカッコいい。
神保町シアター
2024年8月
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