「おんどりが鳴く前に」

「おんどりが鳴く前に」2022年　羅・勃　監督：パウル・ネゴレスク
Oameni de treaba

ルーマニア北東部モルドバ地方の自然に囲まれた静かな村。野心を失い鬱屈とした日々を過ごす中年警察官イリエは、果樹園を営みながらひっそりと第2の人生を送ることを願っていた。そんなある日、平和なはずのこの村で、斧で頭を割られた惨殺死体が発見される。捜査を任されたイリエは、美しい村に潜んだ闇を次々と目の当たりにしていき、やがて驚くべき結末にたどりつく。



ルーマニアはチャウシェスク打倒してもどうにも腐敗体質が抜けきらないらしい。
ルーマニアだけじゃないけどね。至るところにある。
保身でもって正義が歪められるというのは最もダサい事だ。じゃあ、お前はどうなんだという戒め。
主人公のイリエはまさに正義と保身の板挟みで進むも地獄、戻るも地獄の葛藤の状況になるんだけど、あまり葛藤しているようには見えない。ただユリアン・ポステルニクの佇まいが最高で猫背や制服の着こなし。



腐敗の源は助平おやじの村長さん。彼に美人だと言われる奥さんは美人ではあるが、あんなに言うほどではないｗ
覚醒の発端は新入り後輩が酷い目に合わされた事だが、決定的に後押ししたのはネックレスを渡せなかった美人の奥さんだというのも良い。奥さん、顔に痣作ってより魅力になってるではないの。





前半の長閑さ、中盤の不穏さを経て、イリエが覚醒し（カッコいい）てからの終盤オフビートな決闘。その結末も良い。
極悪牧師ｗｗｗ

ユリアン・ポステルニクに似た顔、日本人にも居る、誰だっけかな。
新入り後輩のヴァリ（アンゲル・ダミアン）はパックンマックンの人に似てる気がしてクスクス。



邦題は聖書から来ているらしいが、そう思って見るとニワトリのシーンの印象深さが際立ってくる。
ただし、ビジュアルは雌鶏。



新宿　シネマカリテ
2025年2月