JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「番町皿屋敷」/「おんな怨霊舟」

2025-01-21 | 映画(DVD)

「生誕100年 スタイリッシュ石井輝男」

「番町皿屋敷(「怪奇十三夜」第2話)」1971年 ユニオン映画 監督:石井輝男

古典怪談を端正な演出で描く。腰元に夢中になるが彼女を陥れる嘘にアッサリ騙され、あげくに頭に血が上って殺すというヤバい殿様に中尾彬。雷雨の中、陰謀を企んだ一族郎党と対決するシーンの殺陣が素晴らしい。

何時も世も権力構造の闇は深いものよのう。
お菊(藤田弓子)の一途な心情と番町のお屋敷から見える夕焼け空。お菊の兄で魚屋の津川雅彦の演技が大仰ですごい事になってる。中尾彬のギョロり目健在。

 

 

 





「おんな怨霊舟(「怪奇十三夜)第6話)」1971年 ユニオン映画 監督:石井輝男

江戸時代に風呂を設置した”湯舟”で客を引くお千代(新井茂子)。風呂焚きの捨松(吉田輝男)はお千代の許嫁の金目当てに・・・。最底辺の人々の血まみれの騙し合いを早い展開で描く。天井の浮世絵、独特のカメラアングル、スローモーションでの殺し合いもカッコいい。人が死に絶え、湯舟が岸を離れていくラストに虚無感が漂う。

悪党、吉田輝男が迫真で出てくるだけで笑いを誘う吉田輝男のキャラと程遠い。次から次へと都合の悪い人物が現れてきて片っ端から殺める。
「おまえたち出来てたんだな」「おうよ、それもホヤホヤのな」
「おまえたち出来てたんだな」「それもホヤホヤでなくとうの昔っからね」
の応酬が良い。
その悪党の上を行く女将の中原早苗の強かさ。
お千代の許嫁仙吉(山本豊三)が死体となって良い目の演技してますw
お千代殺しでは捨松と出来てたおりん(原良子)が嫉妬から殺害現場を間男現場に見間違え、お千代と格闘に至るんだけど、あれは作戦?マジ嫉妬?後者と思うのでかなり笑える。
婆ぁを戸板に磔るのも良い。
有名な怪談「番町皿屋敷」よりも数段面白かった。

 

 

 

 


シネマヴェーラ渋谷
2024年11月



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