珍しく新刊本を買った。定価購入1470円。
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本屋のPOP書評を見て、ちょっと立ち読みしていたら、どうしても読みたくなった。
本来、文庫化まで待つところだが、文庫になってしまうと読まずにすませてしまう事が多いので(それはそれで良いが)
普段、古い作品ばかり読んでいて、新しい作家で面白い物に巡り合いたいという欲求もある。面白ければ「雑司が谷」「日本のセックス」までも、いてこまそうちゅう魂胆。
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2012年8月、国民的画家・丹生雄武郎氏が亡くなった。享年97歳。 80年代のバブル時に突如衆目を集め、華やかな時代を背景に一躍美術界の新星として脚光を浴びる。しかし、各方面からの称賛の声をよそに、けして表舞台には出ようとせず、新潟県T町にて日本海を見下ろす寂れた「民宿雪国」を経営、亡くなるまで創作に没頭した。しかし一方で、丹生氏の過去にはいささか不明瞭な部分もあった。 かつて「民宿雪国」に宿泊、丹生氏によって人生を左右されたと明言するジャーナリスト・矢島博美氏がその死後に丹生氏の過去を掘り下げたところ、以外な事実が明るみに出たのだった。
「吉良が来た後」「ハート・オブ・ダークネス」の山場の急転な展開。1ページ先、というか1行先はどうなっているかも予測不可能な展開の面白さに、いったいどうなる事かと、期待は高まる。
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ただ、展開の驚きの割りに、なにか軽さが気になる。軽薄感が拭えずに読み進める。
その軽薄感を穴埋めするのが「私たちが雪国で働いていた頃」であり「丹生雄武郎正伝」という事なのだろう。
日本の戦後史を背景にしたフィクションのスケールも悪くないし、前半の話に重みを加える効果は少なからずあったように思う。
でも肝心の殺人鬼、丹生雄武郎の狂気のキャラクターが種明かしの段階で急激に魅力を失ってしまうように思う。
なぁんだ、そんな事だったの。
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ちょっと、がっかり。つまらない訳じゃないんだけれど。
「民宿雪国」
プロローグ
1.吉良が来た後
2.ハート・オブ・ダークネス
3.私たちが雪国で働いていた頃
4.借り物の人生(イミテーション・オブ・ライフ) 丹生雄武郎正伝 矢島博美
第1章 丹生雄武郎、その波乱に満ちた人生
第2章 暴かれた実情
第3章 出兵と抑留の嘘
第4章 丹生雄武郎が語る、「丹生雄武郎の真実」
エピローグ
虚構の世界であれば、また筒井先生を読みたくなる。
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汚さずに綺麗な状態で読了したので早速BookOffに捌きに行くと150円。
1,470円-150円=1,320円
やっぱり文庫まで待つべきでしたか。
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