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「東京映画地図」
「東京湾」1962年 松竹 監督:野村芳太郎
麻薬取締官が何者かに射殺される事件が発生。ベテラン刑事・西村晃が捜査線上に見出したのは元戦友だった。屋外ロケが多用され、オリンピック開催前の東京風景がなまなましくとらえられている。
これは何年か前に東京国際映画祭でかかっていて観たかったのに見逃した作品。
もうちろん、売り文句の東京オリンピック前の景色がお目当て。
ところが景色の方はオープニングの俯瞰シーンにワクワクしたものの、物語が始まると、どんどんそちらの方に引き込まれて、気付いたら景色目当てである事を忘れてしまうほど。
部下と妹が恋中という、よくありがちな刑事ドラマのようでいて後半からの展開に意表を突かれた。
前半も西村晃登場の前から、浜村純はあっと言う間に殺されるし、刑事の細川俊之が犯人を左利きとした現場の検証(撃ち抜かれた車の穴から屋上を見る)もとても面白い。
戦場のシーンもあり、戦友の西村晃と玉川伊佐男の埠頭での緊張感のある場面から友情への描写。
圧巻は後半の玉川伊佐男の逃亡シーンからの展開。
何しろ主役が西村晃と玉川伊佐男。
西村晃にしても、普段は名バイプレイヤーとしての活躍が多いのに、今回は主役。玉川伊佐男の主役級(と言っても良いと思う)に至っては本当に珍しいんじゃないんですか。
他に、脇役陣があまり有名でない(調べると出演作も少ないので当方に無知によるものでは無いようです)方々で、これがまたとっても良い。
西村晃の妹は榊ひろみ。その恋人で西村晃とコンビを組む若い刑事が石崎二郎という人。
玉川伊佐男の少し頭の弱い奥さんは葵京子。この人があくまでも明るく演じており「人妻集団暴行致死事件」の黒沢のり子とはまた違った魅力を放つ。
買い物のメモを書いてもらう間のイチャつきぶりが可愛い。
その明るさ故にラストは涙を誘う。石崎二郎は、刑事としてなんとも嫌な悪い知らせを伝える役だか、そりゃ伝えられんわな。
脚本は松山善造と多賀祥介のオリジナル。野村芳太郎は刑事物に定評がありますね。有名な主演級の役者を使わなくても(いや、むしろ使わなかったからこそか)充分見応えのあるドラマに仕上げる。
ラピュタ阿佐ヶ谷
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「東京湾」1962年 松竹 監督:野村芳太郎
麻薬取締官が何者かに射殺される事件が発生。ベテラン刑事・西村晃が捜査線上に見出したのは元戦友だった。屋外ロケが多用され、オリンピック開催前の東京風景がなまなましくとらえられている。
これは何年か前に東京国際映画祭でかかっていて観たかったのに見逃した作品。
もうちろん、売り文句の東京オリンピック前の景色がお目当て。
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前半も西村晃登場の前から、浜村純はあっと言う間に殺されるし、刑事の細川俊之が犯人を左利きとした現場の検証(撃ち抜かれた車の穴から屋上を見る)もとても面白い。
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戦場のシーンもあり、戦友の西村晃と玉川伊佐男の埠頭での緊張感のある場面から友情への描写。
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圧巻は後半の玉川伊佐男の逃亡シーンからの展開。
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何しろ主役が西村晃と玉川伊佐男。
西村晃にしても、普段は名バイプレイヤーとしての活躍が多いのに、今回は主役。玉川伊佐男の主役級(と言っても良いと思う)に至っては本当に珍しいんじゃないんですか。
他に、脇役陣があまり有名でない(調べると出演作も少ないので当方に無知によるものでは無いようです)方々で、これがまたとっても良い。
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西村晃の妹は榊ひろみ。その恋人で西村晃とコンビを組む若い刑事が石崎二郎という人。
玉川伊佐男の少し頭の弱い奥さんは葵京子。この人があくまでも明るく演じており「人妻集団暴行致死事件」の黒沢のり子とはまた違った魅力を放つ。
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買い物のメモを書いてもらう間のイチャつきぶりが可愛い。
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その明るさ故にラストは涙を誘う。石崎二郎は、刑事としてなんとも嫌な悪い知らせを伝える役だか、そりゃ伝えられんわな。
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脚本は松山善造と多賀祥介のオリジナル。野村芳太郎は刑事物に定評がありますね。有名な主演級の役者を使わなくても(いや、むしろ使わなかったからこそか)充分見応えのあるドラマに仕上げる。
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ラピュタ阿佐ヶ谷
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