「女囚さそり けもの部屋」

「燃やせ！俺達の70's ジャパニーズ・グラインドハウス魂！」

「女囚さそり　けもの部屋」1973年　東映　監督：伊藤俊也

刑務所を脱走中に刑事に追跡され、なんとか逃げ延びたが力つきて倒れたナミ。売春婦に助けられるが、警察と「さそり）に怨みを持つヤクザたちの執拗な追跡に平穏な生活は続かなかった。さそりは都市に放たれる都市伝説と化す・・・

待望の梶芽衣子「さそり」シリーズ。初見。
1作目、2作目を見ず、いきなりこの3作目。
グラインドハウス特集にはぴったりのシネパトス。地下鉄音とともに・・・

これが有名な度肝を抜くオープニングですかぁ。ワクワク
地下鉄のシーン。手錠で繋がれた刑事、成田三樹夫の腕を切り落とし、その腕を振り回し新宿の街を疾走する梶芽衣子、ナミ。（地下鉄改札ではネガになってる）「怨み節」がエグい。

修羅雪姫とはまた違った美学に見惚れ・・・残念ながら古いフィルムで音声が悪く、ブツ、ブツ切れるグラインドハウス物。
個人的にストレートのロングヘアって苦手なんだけど梶芽衣子なら許せる。

伊藤俊也監督のホラー演出の数々が冴え渡る。
墓場で腕を齧り手錠を切る。

また、ヤクザの情婦、李礼仙のキャラがドぎつい。SF宇宙人ですか？コスチューム＆メイク。

がらんどうで見通しの良いマンホールから投げ入れられるマッチの炎の雨。
「さそりィ～」と渡辺やよいが呼びかける。
見上げるナミ・・・幻想的で美しい。

下水道での火責め、液体人間のような仕打ちを受けるも不死身のさそり。
放火の罪で牢獄に。さそりを恐れ自首して刑務所に服役していた李礼仙の元へ・・・
縫い物をしながら睨みつけるさそり。怯える李礼仙・・・
だんだん顔色が悪くなり狂う李礼仙・・・
ここいらもホラー度満点。

成田三樹男の殺られかたもゾクっとします。

ここでのさそりの性格付けは底辺に生きる女たちとの交流により他人の境遇に共鳴できるだけ成長しているんだと。
さそりはほとんどしゃべらないんだけど、これでもしゃべる方なんだとか。
じゃあ、1作目2作目のさそりの性格付けって・・・怖いぃ。
これは見たくなってきました。レンタルあるけどもうちょっと劇場機会を待とう。

銀座　シネパトス