JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」

2010-10-16 | 映画(DVD)
「石井輝男 怒涛の30本勝負!!」

「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」1973年 東映 監督:石井輝男

神戸に来たお蝶は麻薬の運び屋と間違えられた。ヤクザの浅吉たちから拷問を受け、その挙句、女殺しの濡れ衣を着せられてしまう。お蝶の危機を刑務所帰りの譲二が助けた。お蝶は浅吉たちが女スリを麻薬中毒にして局部に麻薬を仕込ませ神戸に麻薬を運ばせているのを知る。一方、譲二は組幹部だったが、服役中に親分は死に、一人娘は行方不明になっていた。そして、運び屋と一人娘が一つの線で結ばれているのがわかる・・・。

東映ポルノの池玲子主演の姐御ものだというのに、この作品が鈴木則文監督の「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」の続編だとは、見るまでちっとも気づかなかった。
今回の特集で鈴木則文監督の抱腹絶倒「温泉芸者シリーズ」の元が実は石井輝男監督の人情喜劇「温泉あんま芸者」であったことを知ったばかり。石井監督の作った素地を見事に羽ばたかせた鈴木則文監督でしたが、その逆はどうでしょう・・・。
タランティーノも好んだという美学はちゃんと継承され、石井監督らしい無国籍感が表出し、続編といえども1本目と遜色ない傑作プログラムピクチャ。掛札昌裕も偉い!

まずもって、オープニングで意味なく和服がはだけ刺青全裸で立ち回る池玲子健在で胸躍らされるわけです。

信じられないことですが池玲子、当時18歳!

扇屋一家の譲二が何者かに狙われさまよう路地裏の繁華街。無国籍感のカッコ良さ、非の打ち所のない場面展観カット割りと構図。
音楽は鏑木創。
雨の中、登場するのは紅衿団の好美(愛川まこと)

女スリ団の元締めの婆ぁ(根岸明美)のアジトを急襲するお蝶の場面も芝居のセットみたいでカッコ良いんだわ。

そして石井監督ですから精神病院の描写も楽しませてくれます。

紅衿団、女スリ団入り乱れてのクライマックス活劇シーンまで来るともうお腹一杯。

明るく楽しいアクションポルノでエロもぶっ飛ぶ爽快さ。
今度は鈴木則文と2本続けて鑑賞したいもんです。

芹明香もチョイ役で出てるから、しっかり見ておくように。

シネマヴェーラ渋谷

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