JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

マイネタ帳(30) 柳家さん助

2011-09-23 | 落語
落語協会相談役の柳家さん助師が亡くなっていました。
相談役だったんだ・・・何を相談しようというのか。名誉職?
<訃報>柳家さん助さん85歳=落語家
晩年は寄席の出演も無かったようだが、それにしてもこのあっさりした訃報記事しか検索されなのは淋しい。

聴けた噺は以下5席

無学者 昭和54年10月18日 浅草演芸ホール
かぼちゃ屋 昭和54年11月12日 池袋演芸場
強情灸 昭和55年3月12日 末広亭
不精床 昭和55年3月18日 末広亭
親子酒 平成9年9月14日 末広亭

聴いていた頃はちょんまげで高座に上がっていた。
登場すると「盛大なる拍手をバサバサバサッと頂戴しまして・・・」の挨拶。このバサバサが聞けるだけで嬉しくなったもんです。
決して上手い方ではなく、あまり評価はしていなかったのだけれど、また見てみたいと思わせる何かがあったように思います。
上記のようにレパートリーも柳家の長屋噺が並ぶ、珍しい噺や大ネタが無いのも返って好印象。

訃報記事があまりに淡泊なので、持っている名鑑を年代別に転記しておく。

柳家さん助 本名 松本光春 大正15年8月6日生 埼玉県出身 師匠:柳家小さん(5) 昭和26年8月14日入門 柳家小春→柳家小三太→柳家さん助 昭和36年9月、さん助で真打 得意ネタ、「馬大家」「長短」「強情灸」、出囃子 春藤、趣味 将棋
(昭和53年 別冊落語界名鑑)

柳家さん助 本名 松本光春 大正15年生まれ埼玉県 寄居小学校卒、昭和26年8月、五代目柳家小さんに入門、小春。29年小三太で二つ目、36年二代目柳家さん助で真打、出囃子 春どう。
寄席で一席終えた後「サルマタ上げすぎて前のご婦人をひっくりかえした事が・・・」などと言いつつ披露する「つりの踊り」のファンは多い。「盛大なる拍手をバサバサバサッと頂戴しまして・・・」という登場文句といい、この人ならではの雰囲気が醸し出されるのである。
(落語34号 1997年年鑑)

柳家さん助 本名 松本光春 1926年8月6日生 埼玉県出身。寄居小学校卒。51年、五代目小さんに入門して小春。54年、小三太で二つ目。61年、三代目さん助で真打昇進。
「長短」「強情灸」など柳家の十八番である長屋もののベテラン。若いころから寄席出演の回数は抜群に多かった。また、81年まで8年間”ちょんまげ”を結っていた。高座世界のサムライ落語家として、テレビでも引っ張りダコだった。
意表を突く江戸時代のヘアスタイルは、落語家としての個性を倍加させるためのアイデアだったが、一方で木炭車の時代から自動車を運転するなどハイカラ落語家としてもならした。時に落語の中に散りばめられる小唄は春日流、これは本物である。他の趣味としては将棋が名高い。近年は一席を演じた後に滑稽洒脱な「釣りの踊り」などの”寄席の踊り”を、バレっぽい前説付きで披露するなどサービス精神は今も衰えない。
(落語36号 2003年年鑑)

個人的には、自分が40前後に、このさん助にクリソツだった上司にお世話になった。
その方も定年後、60後半で他界され、今は居ない。

柳家さん助師のご冥福を祈りながら、亡き先輩の事を思い出した。

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