JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「東京おにぎり娘」

2010-01-13 | 映画(DVD)
「昭和の銀幕に輝くヒロイン第51弾 若尾文子」

「東京おにぎり娘」1961年 大映 監督:田中重雄

経営危機に陥った洋品店の長女まり子(若尾文子)が、心機一転おにぎり屋を開店!美人でチャキチャキ娘のまり子をめぐって三人の男性が交錯する下町喜劇。おにぎりを握る姿も愛らしい若尾文子に注目。

若尾文子の下町人情物はいかがでしょう。
最近、×1子持ちの女性がのり弁屋を開く映画があったけど(この、映画見逃してるけど、ちょっと観たいんです)こちらは時代に取り残されて経営危機に陥った父親の洋品店に変わっておにぎり屋で経済立て直しを図る娘の奮闘。

当時の新橋烏森やら新宿の街並みの風景を入れながらのお芝居。この演技が味噌。
弟と姉まり子、父と娘まり子、叔母と娘まり子、幼友達五郎とまり子。
そのテンポよい台詞の応酬と一挙手一投足。観ていて不思議と気持ちよーくなる。
このコミュニケーションのスムーズさ、屈託のなさは何だろう。
自分は意外と人情喜劇、好みなのかもしんない。ちょっとオドロキ。

さらには5人もの旦那をあちらに送っている(短命の伊勢屋以上ですね)麻雀屋のおかみ、はま(藤間紫)と鶴吉(中村雁治郎)の長火鉢を挟んだやりとり。
藤間紫の煙草を吸う仕草の仇っぽさに見とれてしまって、もう気持ちいいったら無いのです。流石家元。

ストーリーの方はおにぎり屋を舞台の商売ものかと思いきや、おにぎり屋はあまり重要ではありません。
中村雁治郎に隠し子(叶順子)があったりして、その義妹と幼馴染五郎(川口浩)との恋に悩んだりと、最後まで楽しめる。

若尾文子。下町チャキチャキの良い娘でありながら、恋に破れながらも女の武器をさりげなく使い周囲の男たち(ジェリー藤尾、川崎敬三)を翻弄するあたりは面目躍如。
ラストの終わり方も結構秀逸です。

その他、脇を固める沢村貞子、中北千枝子、ジェリー藤尾、川崎敬三、伊藤雄之助も楽しい。

川口浩は若尾文子より顔が小さいのが良くない。「妻は告白する」のような関係の方が合ってる。

でも個人的にはこの映画、やっぱり、中村雁治郎と藤間紫の映画。
6人目になりたそうで、まだまだ死にたくはない。どうなりますか、この2人。
中村雁治郎、落ちぶれた頑固な職人であり昔は女との悪い癖を持っていたという父親役を好演。「鍵」も良かったけど断然こっちだな。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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