JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ヘイトフル・エイト」

2016-03-04 | 映画(DVD)
「ヘイトフル・エイト」2015年 米 監督:クエンティン・タランティーノ
THE HATEFUL EIGHT

雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキスは、同じ稼業であるジョンと彼が捕らえたデイジーを乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリスを拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブや怪しげな絞首刑執行人オズワルドなどの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。

前作に続き西部劇でしかも密室ミステリーのうえに3時間という作品で不安を持ってましたけど、やはりタランティーノ、魅せますなぁ。
雪嵐の中、密室のミニーの店に入るまでが長い。けれどこれがまた面白い。
今回は紅一点の囚人デイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)が賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)にぼっこんぼっこん叩かれるのがまぁ、面白くってたまんない。青痣、鼻血も出放題。



密室ミステリーの謎解きに重きを置いたりしないところが解ってらっしゃる。そんなものに拘ってると退屈になりますからな。



という事で、お得意の時間を遡る演出。その日の朝、ミニーの店に四人組が到着する章で早くも、真相は解明。
この、その日の朝の章の導入がすごい。雪道を6頭立て馬車が走って行くのを長回しで延々と追っかける。
その演出意図は私にはよく解らないのですが、明らかに何がしかの効果がある。だから尺が長くなっちゃうんでしょ。省略の妙とは真逆の効果。

最後のバイオレンス展開は、まったくタランティーノらしさが迸る。
またしてもここで、正体がはっきりした囚人ジェニファー・ジェイソン・リーの魅力が光ります。

要は「レザボア・ドッグ」だったりするのだけれど、あれから24年。変わらないところはそのままに変わるべきところはちゃんと進化させている。

タランティーノ作品お馴染みの俳優陣も安心して見ていられます。
端役ですけどゾーイ・ベルのご陽気な感じも嬉しい。

ところで、厳密に言うと8人じゃないですよね。



このメンツで8人・・・
いやいや雪嵐の駅馬車で出会った4人(黒人賞金稼ぎ、首吊人、囚人ドメルグ、保安官)とドメルグの一味4人で合わせて8人というのが本当の所のようです。カモフラージュ的扱いとみるべき将軍爺さんですが、この方はこの方で途中、重要なエピを挟んできますからな。

今回、エンニオ・モリコーネが音楽担当で話題に。
でも音楽使いではいつも痺れさせてくれるタランティーノ。今回は「きよしこの夜」とドメルグのギター弾き語りが良かったですよ。

前作に続いて人種差別意識の表し方が抜群に良いセンスでした。



リンカーンの手紙
3時間の長丁場、満足満足。





ユナイテッド・シネマ浦和

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2 コメント

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 (とらねこ)
2016-03-05 12:47:00
あれ?私も、あのメンツで8人と思いましたよ。
この人数で物語が進むと思わせておいて、その後のドメルグ一味の登場は“引っ掛け”と解釈しましたお。
(違うの?)

ジェニファー・ジェイソン・リーが最高過ぎましたね!
レザボア再びって感じで良かったです!
そうか、あれから四半世紀近いんですね。いやー、年取るわけだわー
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Unknown (imapon)
2016-03-07 22:09:13
とらねこさん、こんばんは
ポスターとかにもなってる8人の方がむしろ引っ掛けだと思ってしまうのですが、それってひねくれてますかね。
レザボアから四半世紀。とらねこさんは物ごころついてすぐ見たんですよね。きっと・・・
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