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何故、今、チェ・ゲバラ伝を読んだのか?
まがりなりにも学生時代、中南米の事情を研究するサークル(実際は部室でダベッたり、酒や麻雀を楽しむ要素が強かったが)に所属していた。
サークルにはキューバを初めとした革命を研究する「革命班」なるものもあったが、当方は「社会文化」「音楽事情」「スペイン語」「旅行」といった研究ユニット(?)に所属していた。ひどいのは「旅行班」で仮想旅行計画を立てて、実行するために毎週皆で宝くじを購入すると言うのが活動だったりした。
酒席でカストロやチェ・ゲバラについて熱く語り合うなんて事は無い。唯一、チェ・ゲバラとの関わりは年2回発行される文集の表紙を担当した時に和田誠氏のゲバラ肖像を模写した事。当時、「古代文明」関連の絵が定番となっていた文集の表紙に風穴を開け、一部の先輩方からお褒めの言葉をいただいたぐらい。
だから、何も知らずにチェ・ゲバラの肖像画がプリントされたTシャツを着用する若者たちとは五十歩百歩なのである
私にとって今回の読書は学生時代の忘れ物を探しに行くような感覚。
1974年の文春文庫版「チェ・ゲバラ伝」を底本に事実関係の訂正、改稿。補章「コンゴの日々」を書き加えた1998年版の「チェ・ゲバラ・ドキュメント」日本人のゲバラ心酔者作家、三木徹による筆で日本人がゲバラを知る入門書としては格好の1冊。
ゲバラは日本人の中では坂本竜馬が好きだと言っていたそうだが、なるほど。
無私の人で革命家であり続けるという極めて困難な事に挑んだ。バカが付くほど正直、純粋、正義、堅物のゲバラがラテンアメリカという地に誕生した事が奇跡としか思えない。何せラテンアメリカ気質はアスタ・マニャーナに代表されるよないいかげんさ。その痴れ物ぶりは私も一度ペルー旅行をした時に体感しているだけにゲバラの生い立ち、環境、受けた教育を聞かされても俄かには信じがたい。
戦後に生まれ一番良い時期の日本に育った人間には武装革命に違和感や抵抗を感じるのも事実だが、当時のラテン・アメリカの情勢からしても、本書でカストロ、ゲバラの行動を知れば必要な事だったのかも知れないと思ったりもする。
チェ・ゲバラはキューバ革命後工業相として日本も訪れていたのですね。
筆者が日本人だけあって、このあたりの取材は詳しく面白い。一応にゲバラに対して軽んじた応対で、日本人のエコノミック・アニマルぶりが苦笑物だ。
なにしろ家族に対する別れの手紙ひとつとっても、人柄があらわれ、未だにラテン・アメリカで愛されるHEROなんだろうな。
功績や偉大さ、純粋さを知ろうが知るまいが肖像画(これもかっこいいしね)のTシャツを着ちゃってもいいじゃないか。逆にそんな事を感じた。
現代史の偉大なる伝記。
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和田誠肖像画集「PEOPLE」より
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史実から多少かけ離れても小説仕立てのゲバラ伝があれば是非読みたい。
まがりなりにも学生時代、中南米の事情を研究するサークル(実際は部室でダベッたり、酒や麻雀を楽しむ要素が強かったが)に所属していた。
サークルにはキューバを初めとした革命を研究する「革命班」なるものもあったが、当方は「社会文化」「音楽事情」「スペイン語」「旅行」といった研究ユニット(?)に所属していた。ひどいのは「旅行班」で仮想旅行計画を立てて、実行するために毎週皆で宝くじを購入すると言うのが活動だったりした。
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酒席でカストロやチェ・ゲバラについて熱く語り合うなんて事は無い。唯一、チェ・ゲバラとの関わりは年2回発行される文集の表紙を担当した時に和田誠氏のゲバラ肖像を模写した事。当時、「古代文明」関連の絵が定番となっていた文集の表紙に風穴を開け、一部の先輩方からお褒めの言葉をいただいたぐらい。
だから、何も知らずにチェ・ゲバラの肖像画がプリントされたTシャツを着用する若者たちとは五十歩百歩なのである
私にとって今回の読書は学生時代の忘れ物を探しに行くような感覚。
1974年の文春文庫版「チェ・ゲバラ伝」を底本に事実関係の訂正、改稿。補章「コンゴの日々」を書き加えた1998年版の「チェ・ゲバラ・ドキュメント」日本人のゲバラ心酔者作家、三木徹による筆で日本人がゲバラを知る入門書としては格好の1冊。
ゲバラは日本人の中では坂本竜馬が好きだと言っていたそうだが、なるほど。
無私の人で革命家であり続けるという極めて困難な事に挑んだ。バカが付くほど正直、純粋、正義、堅物のゲバラがラテンアメリカという地に誕生した事が奇跡としか思えない。何せラテンアメリカ気質はアスタ・マニャーナに代表されるよないいかげんさ。その痴れ物ぶりは私も一度ペルー旅行をした時に体感しているだけにゲバラの生い立ち、環境、受けた教育を聞かされても俄かには信じがたい。
戦後に生まれ一番良い時期の日本に育った人間には武装革命に違和感や抵抗を感じるのも事実だが、当時のラテン・アメリカの情勢からしても、本書でカストロ、ゲバラの行動を知れば必要な事だったのかも知れないと思ったりもする。
チェ・ゲバラはキューバ革命後工業相として日本も訪れていたのですね。
筆者が日本人だけあって、このあたりの取材は詳しく面白い。一応にゲバラに対して軽んじた応対で、日本人のエコノミック・アニマルぶりが苦笑物だ。
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なにしろ家族に対する別れの手紙ひとつとっても、人柄があらわれ、未だにラテン・アメリカで愛されるHEROなんだろうな。
功績や偉大さ、純粋さを知ろうが知るまいが肖像画(これもかっこいいしね)のTシャツを着ちゃってもいいじゃないか。逆にそんな事を感じた。
現代史の偉大なる伝記。
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和田誠肖像画集「PEOPLE」より
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