JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

三遊亭円丈 「落語家の通信簿」

2014-01-12 | BOOK
あまり読書しなくなりましたけど、それでも去年読んだ本が少し溜まっています。徐々に吐き出していきましょう。

落語協会分裂騒動の裏側を赤裸々に暴露した名著「御乱心」がめちゃくちゃ面白かった円丈師が現役落語家による同業者落語を批評、採点をつけるというのでちょっくら買ってみました。

「御乱心」によって書いた方も書かれた方もいろいろあって傷ついたりしたそうで、そりゃそうでしょうね。
どうもトラウマがそうさせるのか、毒の度合が手緩くて今一。
現役が同業を批判するという売りの割には切っ先が鈍ってしまっては・・・
さすがに同業者ではない福田和也氏にはズバッと行きました。揚げ足的ではあるけれど。

そもそも、同業者の落語ってそうそうじっくり鑑賞する事は無いようです。
今回もCDやDVD、はてはYOU TUBEで見て付け焼刃的に批評していたりもするけど、そういう安易さはテキトーでよろしい。
時代は変ったのです。寄席や落語会に行かなくてもネットで落語が楽しめちゃう。
当方としては、寄席とか同じ芸を十年一日にやっている芸人さんのルーティンや、セコな落語家の珍ネタに巡り合うのも楽しみの一つだから落語をネットに頼るだけでは満足できないけどね。

やや温い批評も落語読物としては噺家だけしか知りえない内容とかもあって充分面白い。

「あの師匠が入っていないぞ!」の声はあくまで円丈が勝手に選んでいるのでご容赦としてあるけれど
快楽亭ブラック評だけは欲しかったな。

円丈師の新作落語。面白いかどうかは別として、それまで古典以上に古臭くってつまらないイメージの新作を変えたという意味でその貢献度は大きい。
でも「御乱心」を書いただけでもこの師匠の存在意義は充分でしょう。



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ blogram投票ボタン

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「LISA EKDAHL at the OLYMPI... | トップ | ANDY WARHOL FILM »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

BOOK」カテゴリの最新記事