JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「濡れた欲情 特出し21人」

2008-05-11 | 映画(DVD)
ラピュタ阿佐ヶ谷 「愛と官能のプログラム・ピクチュア 日活ロマンポルノ名作選」より、上映後白鳥あかねさんトークショー付き。

「濡れた欲情 特出し21人」1974年 日活 監督:神代辰巳

マイクロバスで全国を巡回するストリッパーたちのバイタリティあふれる日常を描く。

「一条さゆり 濡れた欲情」などストリップ物と縁のある神代監督。浅草ロック座のママさんが神代監督の大ファンで全面協力により実現した企画だそうな。映画でも宝由香里として登場。見事な棒読み演技を見せてくれて嬉しい限り。ちなみに「一条さゆり~」の続編という訳ではない。

ストリップといえば欠かせない重要なアイテムがミュージック。
ここでも冒頭スケコマシ(古川義範)が口ずさむ「恨み節」そして、コマされる晴美(芹明香)も「恨み節」・・・
晴美が口説かれストリッパーになるシーンでは舞台上のテープレコーダーから流れる「エレクトリックおばあちゃん」に合わせて踊る。
他にも上条恒彦「誰かが風の中で」など選曲センスが冴える。
権利の問題からかDVD化はされていません。

白鳥あかねさんのトークショーでは撮影当時の楽しいお話が聞けました。
中でもロック座のママさんのスタッフへの対応方針。朝食は本物の踊り子たちが炊き出し、給仕をしてくれたとか。流石、10数年で4つ5つの劇場を持って億の金を貯めただけの事はある。これは劇中、スケコマシが晴美に囁く科白。「ロック座といえば40年も前からの軽演劇の老舗で・・・」で始まるこの科白がとっても気に入ってしまいました。後に晴美も後輩のレズパートナーの同じ科白を囁いておりました。全文解明できたら暗記したい科白、DVD出てないから憶えられません。

だいたいロック座のストリッパーさんたちは皆、「宝」か「東」所謂屋号。今も多少いらっしゃるんでしょうか?こういう屋号は残して行ってもらいたい。なにしろ老後(そんなのがあれば)の楽しみの一つにストリップ通いを入れたいと思っておりますので・・・

ストリッパーたちのバイタリティ溢れる日常を天真爛漫に演出してみせた秀作ですが、エロの方も結構良いです。とにかくスケコマシの囁きが良い。芹明香が「いやらしいな、しゃべらんといてぇ」と言うのもエロい。

またしても芹明香の魅力にまいってしまいます。ワンパターンとも言えますが・・・
片桐夕子のストリッパーぶりも良いのですが、白鳥さんの話では随分踊りで苦労して可哀そうなぐらいだったとか・・・ちょっと運動神経に問題があったのかしら?それでも姫田真佐久カメラマン(劇中、舞台に布団を敷く役)の腕で上手く踊っているように撮られているとか。

雑魚寝で次から次へとやりはじめるストリッパーとスタッフであるヒモの皆さん。この場面の手前に赤ん坊の頭が写り蠢き、起き出してハイハイしている。共同体の小屋の生活感溢れる名シーン。

はみだし劇場の外山文明の意味不明ぶりも面白いし(白鳥あかねさんも出演)と時間と空間を自由奔放に表現した名作でした。

にほんブログ村 映画ブログへ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画 「雨のアムステルダム」 | トップ | 映画 「濡れた週末」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事