映画 「ブラック・スネーク・モーン」

「ブルースは男女のもつれから生まれる」byサン・ハウス
昔はバーでブルースを演奏していたが今は田舎で農業を営む初老の黒人ラザラス（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）彼は女房から突然の別れを持ち出され（実は弟に寝取られた）憤りを隠せないでいる。ある朝、道端で暴行の後も生々しく倒れている半裸姿の娘レイ（クリスティーナ・リッチ）を拾う。彼女はセックス依存症で恋人がいながらも公衆便所状態。ラザラスは彼女を救おうと太い鎖で拘束する・・・

事前情報でSEX＆VIORENCE映画と思いきや、実はブルースの映画であるという事は分かっていた。しかし、この映画、ブルース映画の先にもう一つの顔を持っていた。3段階楽しめるお得ムービー。

くいつきはやっぱりクリスティーナ・リッチのおパンツ一丁姿の鎖拘束。
小柄な彼女、目がクリッとして青痣の似合いとってもキュート！
観たいと思いつついつもレンタル屋で在庫を確認するばかりで借りていない「バファロー66」のロリ女優。（もっと前はアダムス・ファミリーだって）今回まさに体当たり演技。

SEX依存症という病気から救おうとするラザラスだけれど、彼のほうだって充分病んでいる。おまけにレイの恋人（ジャスティン・ティンバーレイク）も不安症を病んでいて軍を除隊され戻ってくる。
何しろ出演者は皆キレやすくて、「まぁまぁ落ち着いて・・・」って感じ。アメリカ人だからでしょうか？
人は誰でも何らかの形で傷ついているって事。幼児体験やトラウマによって心身を病んでいく。

ブルースが効いたのか、レイは自分から立直ろうとする気配を見せ始め確執のあった母親と和解しようとするが・・・

牧師曰く、「君を救えるのは君自身か主しかいない。」

ラザラスが「慣れない事してもだめだ。俺たちはどうせ宵っ張りさ」とレイを連れ何年ぶりかで、バーでバンド演奏。ここからがシビれるようなブルース・ライブかなと思ったが、サミュエルのブルースも良いがやっぱり、クリスティーナ・リッチの危ないDANCING！

ラスト近くから可愛らしい歌声まで聞かせてくれる。



ラストもちょっぴり地味だけど、温かくなる愛の形。「素粒子」とはちょっと違う表現方法でヒューマン部分は荒削りかもしれませんが、また違った魅力があって良いのでは。
最初は引きぎみでも、いつのまにか各人に感情移入されて行く。

ところで、最初レイがかなり咳き込んでいましたがあの咳とSEX依存症とは関係あるのでしょうか？なんて・・・

「BLACK SNAKE MOAN」2006年　監督：クレイグ・ブリュワー
9月8日　渋谷　シネ・アミューズ・イースト