憂国

2018-07-09 22:49:41 | Weblog

  曇り時々雨。小雨が降ったり止んだりのぱっとしない天候。

 「プロフェッショナル」で左官職人さんを取り上げていたので最初の方だけ見ました。安価な建築建材に押されて職人の数は激減、とのことですが、建築業界全般でそのような事態に陥っています。こちら(青森)の職人さんのレベルもどんどん落ち込んで、例えば左官研ぎ出しなどやろうとすると、「そんなの手間がかかりすぎてやれない」とか、「石、張ったら?」とか最初から全くやる気はありません。そもそもやれないらしいです。しっくい壁や土壁をきちんと塗れる職人さんもほとんどいないらしい。こんな残念な世の中に、一体誰がしたんでしょうかね? 大量生産、大量消費の考え方はあまりに間違っていたとしか思えない。時間と手間をかけて作業していた時代は親方が若者たちを教育し、次の世代を育てていたのが今は手間暇かけるなんてご法度になっているし、社会の風潮が手間暇を許しません。デザインに「こっちの方が楽」などと言われた暁にはさすがの私も激怒しちゃいます。現場監督から「こっちの方が楽なので」、「手間がかかるのでこのように変更出来ませんか」などと来た暁には担当者変更して下さいで終わり。面倒臭がっても実際、やれば出来るんですよね。今の現場でも面倒なディティールがありますし、現場では職人さん達がぶつぶつぼやいてましたが、上手いこと仕上がってます。

 そんなもんなんです。

 次の世代の育成に失敗しているとしか思えない日本社会、一体どうなるんでしょう