中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

屋根で見分ける神社建築

2013年10月04日 | 旅行ガイド

  神社は、建物の中に仏教寺院のように仏像がある訳ではなく、特に本殿は神聖な場所であるため、通常は中に入ることができず、外から眺めることしかできません。しかし神社の建物は、独特の姿をしており、いくつかの形状に区分できます。特に屋根の形に特徴があります。今度、神社に行かれる機会があったら、是非その屋根を鑑賞してください。

  今回は、屋根の形状に注目して、主要な神社建築の特徴を見ていきたいと思います。



  [春日造(枚岡神社)]



  (春日大社本殿)

[和訳]
□ 春日造(かすがづくり)の神社建築 奈良春日大社本殿を代表とする建築形式。切妻(きりづま)屋根、妻入り(妻面が正面に来る)。妻面の下に庇(ひさし)が付いており、庇と大屋根は一体となっている。屋根は上から下へ曲線を描いている。庇の傾斜はあまり急でなく、優雅な曲線を描いている。屋根は萱(かや)や桧皮(ひわだ)で葺かれている。床は風通しを考慮し、比較的高い位置に置かれている。母屋の柱は円柱が用いられ、庇を支える柱は角柱である。

  奈良の春日大社本殿は一間社の建物が四つ横に並んでいる。というのも、春日大社は四人の神様を祭っているためで、それぞれの建物に違った神様をお祭りしている。




  [流造(下鴨神社本殿)]


[和訳]
□ 流造(ながれづくり)神社建築 日本全国、最も広く分布している建築形式である。切妻屋根、平入り(屋根の棟の方向が正面)で、妻面が側面にある。屋根は上から下へ曲線を描いている。向かって正面の屋根は庇の位置まで延びていて、屋根と庇が一体になっている。したがって、屋根は一方が長く、一方が短く、不均衡になっている。屋根は萱葺き、桧皮葺き、銅板葺きのものなど、各種ある。

  京都の上賀茂神社本殿、下鴨神社本殿は、「流造」の代表作である。



  [神明造(伊勢神宮内宮)]




  (大相撲土俵上の吊り屋根~両国国技館)

[和訳]
□ 神明造(しんめいづくり)神社建築 伊勢神宮を代表とする建築形式。日本最古の神社建築形式のひとつである。古代の高床式の穀物倉庫の建築が発展し、後に宝物の保管庫となったものである。柱は地面に穴を掘り、直接穴に埋め込まれており、礎石は使われていない。切妻屋根、妻入りで、母屋の柱は円柱である。鰹木(かつおぎ)も円柱であるが、その他の木材は角材を用いている。屋根は上から下に直線に伸びていて、曲線は描かない。屋根は木の板か銅版で葺かれている。屋根を支える破風(はふ)は、つなぎ目で固定されるだけでなく、上方に延びていて、千木(ちぎ)となっている。

  大相撲の土俵上方には吊り天井があるが、その屋根の形状は、「神明造」である。





  [千木と鰹木]


[和訳]
□ 千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ) 千木(ちぎ)とは、屋根の棟の両端で二本の角材を上に向けて交叉させた神社本殿の装飾である。木材の先端が、地面に垂直方向に向いているものと、地面と平行のものと二種類ある。垂直のものは男性神を祭っており、平行のものは女性神を祭っていると言われている。

  鰹木(かつおぎ)は、屋根の棟と直角の方向に平行に並べられた数本の円柱の木材で、神社本殿の装飾である。その外観が、干したカツオに似ているので、鰹木と呼ばれる。その本数には奇数と偶数の別があり、奇数は陽数、偶数は陰数であるので、奇数のものは男性神を祭り、偶数のものは女性神を祭っていると言われる。



[和訳]
□ 式年遷宮祭 伊勢神宮では、二十年に一度、本殿が立て替えられ、神様が新しい本殿に引っ越される。これを「式年遷宮祭」という。この儀式には、主に二つの目的がある。一つは、本殿の建物の柱は、礎石を用いず、直接地面に穴を掘って埋め込むので、長い年月建物を維持することができず、定期的に立て替えてやることが必要であること。もう一つの理由は、後世に宮大工の技能を伝えるため、彼らに定期的に技能を発揮する仕事の機会を与えるためである。 




  [大社造(出雲大社)]


[和訳]
□ 大社造(たいしゃづくり)神社建築 出雲大社を代表とする建築形式。「神明造」同様、日本最古の神社建築形式のひとつである。古代の宮殿建築を真似たものと言われる。柱は神明造と同様、元々は礎石を使わず、直接地面に埋め込まれた。切妻屋根、妻入りで、屋根は上から下へ曲線を描いている。屋根の傾斜はかなり急である。これは、冬の降雪時、雪が屋根に積もらぬよう、屋根を保護するためである。屋根は萱で葺かれている。屋根は千木、鰹木で装飾されている。庇を深くして、建物への出入りに便利なようにしてある。入口は正面の右側に偏した位置にある。床は相当に高く、出入りのため梯子が付けられている。


  今回は、神社建築の中でも、古代を起源とするものを集めました。神社建築では、これ以外に、近世以降に生まれた建築様式にも、特徴があります。次回に、それらを説明したいと思います。

尚、全文中国語のプログも公開していますので、そちらもご覧ください。
http://inghosono.blogspot.jp/

にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村