“ 走る列車内
ゆられている五郎の顔。
―しばらく。
螢の声 「川!」
五郎、ぼんやり螢を見る。
窓外を見る。
流れている川。
五郎 「(ボソリ)空知川だよ」
語り 「恵子ちゃん。お見送りありがとうございました」
じっと窓外を見つめている純。
列車の走行音。
語り 「北海道に。―今日、着きました」
音楽―テーマ曲。イン。
タイトル流れて。 ” 『北の国から』 倉本聰
中嶋朋子といえば、やはり、どうしても、螢ちゃんである。
彼女は山田監督作品には、初めての出演であるが、「純くん」である吉岡秀隆は、『男はつらいよ』の満男役の他、いくつもの映画に出ている。私にとっては、後期の『寅さん』で、徳永英明の歌とともに展開される、所謂「満男シリーズ」や、『学校Ⅱ』が、とくに印象深い。
さて、『東京家族』において、『北の国から』を、さりげなく暗示させる箇所がある。それを確認する為にも、もういちど劇場へ観に行きたかったのだが、近くの映画館での上映は終了してしまっていたので、DVDを待つしかないが、たしか、映画の背景に、「五郎」という名前の店の看板が映るはずである。
「五郎」はもちろん、純と螢の父、田中邦衛。
ここまで想起すると、私には、『学校』のいくつものイメージが押しよせて来る。田中邦衛の「イノさん」!
この名前は、本多猪四朗(ほんだいしろう)監督の、愛称も思い出されるが、私の仮説としては、英語の「innocent」に関係するのではないかと考えている。
「innocent」 形容詞 1、清浄な、無垢の、純潔な、/ 罪のない、潔白な、無責任の、/ 無辜の、/ 公認の、合法的な
2a、無邪気な、あどけない、/ 無邪気(あどけなさ)を装った
b、お人よしの、/ 無知な、/ ~に気づいていない
3 無害な、/ <病気などで> 悪性でない、無害(性)の
名詞 1、潔白な人、/ 無邪気な子供、お人よし、/ ばか、/ 新参、新前
2、【植物】 トキワナズナ 『リーダーズ英和辞典』
それと、今日(2013.3.24)の『東京新聞』に、来週から、中江有里が、「読書欄」に執筆すると予告が出た。彼女の『学校』においてのラストシーンは、とくに、忘れられない。
このように記述していくと、永遠に終わらないので(笑)、今日のブログの主文は、田中邦衛を想起した所までとしたい。
次回は、横浜のホテルのシーンを、違う角度から、考察する。