キューバ危機(1962年)において、米ソ両国が核兵器の撃ち合いをぎりぎりの地点で回避できたのには種々の要因があるだろうが、私は、フルシチョフがケネディよりも「大人」だったことが最大のそれだったと考えている。
転じて現在のわが国を見ると、独自のロケット技術を持ち、核兵器に転用できる「原子力発電」に固執する日本は、実質的な核保有国であると言っても間違いではなく、岐阜県の核融合科学研究所では「水爆」に転用できる技術の開発,維持に余念がない。加えて今、フルシチョフ,ケネディよりも遥かに「Childish」な首相を戴いている。
状況は極めて悪いが、それに市民側が抗う“最前線”が沖縄にある、とのメッセージを、今回チョムスキー教授は寄せた。
『2015年5月29日 琉球新報』
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-243527-storytopic-3.html
チョムスキー氏「反基地に奮闘する県民、県政を強く支持」
2015年5月29日 11:40
「世界最高の論客」と評される言語学者のノーム・チョムスキー氏は28日、名護市辺野古の新基地建設を阻止するため翁長雄志知事を支える県民について「沖縄の勇敢な人々は、想像を絶する大戦の大災害から人類を救う努力の中の最前線にいる」と称賛するメッセージを寄せた。琉球新報の取材に対し、返信した。
チョムスキー氏はマサチューセッツ工科大学名誉教授で、米軍普天間飛行場の辺野古移設断念と即時閉鎖を求め、映画監督のオリバー・ストーン氏やマイケル・ムーア氏らと声明を発表した海外識者の一人。
今回のメッセージで、チョムスキー氏は沖縄に集中する米軍基地について「沖縄の人々にとって明らかな脅威となっている」との見方を示した上で「沖縄は平和の島であるべきだ。辺野古基地やその他の米軍基地に反対し、奮闘している県民や沖縄県政を強く支持したい」とした。
さらに、軍事基地が沖縄だけでなく世界にとっても脅威になっていると指摘。核廃絶を訴えた数学者バートランド・ラッセルと物理学者アルバート・アインシュタインの「ラッセル・アインシュタイン宣言」に触れ「われわれは今こそ『私たちは人類として、人類に訴える。人間性を心に留め、その他のことを忘れよ。さすれば道は楽園へと開ける。さもなければ、あなたの前には死の危険が横たわっている』という20世紀の偉人の言葉に耳を傾ける必要がある」とした。
チョムスキー氏はこれまで本紙の取材に対し、米軍基地が集中する沖縄について「米国はこの地域(東アジア)の支配権を維持するため、前線として沖縄に基地を置き続けてきた。1962年のキューバ危機では、核兵器が配備されるなど沖縄は非常に危険な使われ方をされてきた」と指摘してきた。(松堂秀樹)
そして、ここで言及されている『ラッセル・アインシュタイン宣言』から一語を選ぶとすれば、やはり
“humanity”であり、この言葉のもとに各人の教育,報道,学習が進んでいけば、我々はまだ、いくらでも、平穏な未来を選び取れる。
『RUSSELL - EINSTEIN MANIFESTO (1955)』
http://leo.aichi-u.ac.jp/~bando/lecture/2005/sogo_einstein/shodata/russeleinsteine.pdf
『ラッセル・アインシュタイン宣言 (1955)』
http://www.pugwashjapan.jp/r_e.html