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映画『東京家族』について

『采詩官』白居易

2020年06月29日 | 映画『東京家族』

































采诗官
采诗听歌导人言。
言者无罪闻者诫,下流上通上下泰。
周灭秦兴至隋氏,十代采诗官不置。
郊庙登歌赞君美,乐府艳词悦君意。
若求兴谕规刺言,万句千章无一字。
不是章句无规刺,渐及朝廷绝讽议。
诤臣杜口为冗员,谏鼓高悬作虚器。
一人负扆常端默,百辟入门两自媚。
夕郎所贺皆德音,春官每奏唯祥瑞。
君之堂兮千里远,君之门兮九重闭。
君耳唯闻堂上言,君眼不见门前事。
贪吏害民无所忌,奸臣蔽君无所畏。
君不见厉王胡亥之末年,群臣有利君无利。
君兮君兮愿听此,欲开壅蔽达人情,先向歌诗求讽刺。






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ブラック ライブズ マター

2020年06月23日 | 映画『東京家族』
 警官による George Floyd さんの殺害から、アメリカをはじめ世界中に “BLACK LIVES MATTER” の抗議活動が再燃している。
 私はまだこの事件の全体像を書けるだけの知見がないので、ここでは一点だけ、この標語に対する日本語訳を考えてみたい。




“BLACK LIVES MATTER”

『REUTERS』

 現在報道では、この訳語は「黒人の命も大切だ」に固まってきているようである。しかし直ぐに気付くように、この標語の何処にも「も」という意味はない。では日本語の助詞は「は」であろうか?「黒人の命は大切だ」と訳してもよいのであるが、それだと黒人の命「だけが」大切、という差異が出てしまう。では先ず、この標語の文法から見てみよう。



BLACK(形容詞)黒人の

LIVES(名詞 Life の複数形)命,生命,魂,生活,活気,救い 等

MATTER(動詞,主語が複数形だから三単現の s は付かない)



 この“MATTER” が他動詞なら、「重大 [価値あり] とみなす(リーダーズ英和辞典第3版)」であるけれど、それなら目的語を省略しているのだろうか、という問題がある。自動詞であれば、


1   [多くは否定・疑問・条件文で] 重大[重要]である, 問題となる〈to sb〉

2  〈傷が〉うむ



と同辞典にあり、更に1の意味の例文として、

What does it matter? かまわんじゃないか
It doesn’t matter if we are late. おそくなってもかまわない

が挙げられている。




 もう一点、形容詞の “BLACK” を「黒人の」と訳すのが最良であろうか、という問題がある。もちろん『Oxford Advanced Learner’s Dictionary(第9版)』には③の意味として、

“belonging to a race of people who have dark skin; connected with black people”

と載っている。しかしこれには注釈が付いていて、

“Black is the word most widely used and generally accepted in Britain. In the US the currently accepted terms are African American or black American.”

とあり、イギリスでは使われていても、アメリカでは避けられるべき語法なのだ。言葉とは重層的なものだから、標語は意図的にこれを使用したということも考えられる。しかしここでは私はもっと素直に、“BLACK”を①の意味の、

“ having the very darkest colour, like coal or the sky at night”

か、②の

“without light; completely dark”

として捉えたほうがよいような気がする。






 そして標語であるからには語調も重要である。








“BLACK LIVES MATTER” は、強調されるべき音、アクセントが揃っていることがわかる。


発音記号を入れると、“BLACK” には 「a」 と 「e」 を合わせたような音があり、“LIVES” にはそれと似た音である「ai」が続き、最後の “MATTER” で再び初めの音が繰り返される。






 これらを考慮すると、“BLACK LIVES MATTER” を日本語にする時には、無理に助詞を入れなくてもよいのではないか、という考えが過ぎる。当然報道は日本語の文法が正しくなければならないが、ブログは自由である。

“BLACK” 黒い

“LIVES” 命

“ MATTER” 尊し


つまり、「a」の音の替りに「i」音を強調し、敢えて旧仮名遣いでそれをあらわすと次のようになる。



くろい いのち たふとし



これが私の“BLACK LIVES MATTER”に対する試訳であるけれど、よく考えてみると、デモ等では無理に日本語にする必要はなく、原文を使えばよいのである(笑)。






































※ 本日は沖縄「慰霊の日」であり、これに関連したルポライターの鎌田慧氏のコラムの標題は、これ以外では有り得ない。

『2020.6.23. 東京新聞』












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