天台寺
“かしこしな
いく世桂の
かげそへて
ながるゝ水の
月やすむらむ”
菅江真澄
“この天台寺は桂泉院といい、本堂のうしろに巨大な桂の大木があり、その脇に泉が湧いている。桂は、『古事記』の海幸、山幸の話にも、井戸の上の古木としてよい水を恵む霊木とされている。おそらく桂泉の信仰は、遠く縄文時代に遡るものであろう。”
『日本の深層』 梅原猛
音を観る
仏のおわす
御寺にて
丈六仏は
ただおだやかに
“この東北の旅で私がつくづく感じたのは、北上川の重要さである。私たち日本本島の中央部に住む人間は、川というものは日本列島を横断するものだと思っている。真ん中に山脈があって、そこから東西あるいは南北に川が流れる。私はついうっかりと、いままでそう思ってきた。実際日本の川は、多くそのように流れているのである。しかし北上川はちがう。それはまさに、東北地方を縦断する川なのである。”
『日本の深層』 梅原猛
“しかし、その北上川も七時雨山のあたりで尽きる。”
『同上』
“神無月
岩手の山の
初雪の眉にせまりし朝を思ひぬ”
啄木
“かしこしな
いく世桂の
かげそへて
ながるゝ水の
月やすむらむ”
菅江真澄
“この天台寺は桂泉院といい、本堂のうしろに巨大な桂の大木があり、その脇に泉が湧いている。桂は、『古事記』の海幸、山幸の話にも、井戸の上の古木としてよい水を恵む霊木とされている。おそらく桂泉の信仰は、遠く縄文時代に遡るものであろう。”
『日本の深層』 梅原猛
音を観る
仏のおわす
御寺にて
丈六仏は
ただおだやかに
“この東北の旅で私がつくづく感じたのは、北上川の重要さである。私たち日本本島の中央部に住む人間は、川というものは日本列島を横断するものだと思っている。真ん中に山脈があって、そこから東西あるいは南北に川が流れる。私はついうっかりと、いままでそう思ってきた。実際日本の川は、多くそのように流れているのである。しかし北上川はちがう。それはまさに、東北地方を縦断する川なのである。”
『日本の深層』 梅原猛
“しかし、その北上川も七時雨山のあたりで尽きる。”
『同上』
“神無月
岩手の山の
初雪の眉にせまりし朝を思ひぬ”
啄木