昨日の試合結果を振り返る前に気になる記事があったので引用します。どのように捉えるかは個人個人で違うと思いますが、私の個人的な意見を述べたいと思います。
高校野球で「ジャイキリ」続出…なぜ今年は“おらが町のチーム”が勝てる?石橋、大社、掛川西…「選手はほとんど地元出身」公立校が大健闘のワケ
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/numberweb/sports/numberweb-862672
※以下、引用です。
歓喜に揺れる紫色のスタンドをめがけ、校歌を歌いあげた選手たちが勢いよく駆け出す。
32年ぶりの夏。島根の大社は初戦で優勝候補の報徳学園を倒す金星を挙げると、2回戦では長崎の創成館を撃破。実に107年ぶりとなる夏の甲子園2勝を挙げたのである。
「32年ぶりと言っても、私としては初出場のつもりで戦わせていただいてますんで」
そう謙虚に振舞う監督の石飛文太が、表情を引き締めてこの2勝を噛みしめる。
「島根県の指導者の方からたくさん連絡をいただきまして、こう言われるんです。『島根でもできるってところを見せてくれ』と。うちが『できる』ということを試合で見せることで、島根県の小中学生が『島根の高校で野球をやりたい』と思ってほしいんです」
石飛が紡ぐ想い――その伏線は3年前から敷かれていた。
地元・出雲市出身の選手が中心となる大社
地元の出雲市出身であるセカンドの高橋翔和とライトの蒼空の双子の兄弟は、21年夏に島根大会で決勝まで勝ち進んだ大社の戦いぶりを目の当たりにし、「かっこいい」と憧れた。そして、ふたりが在学していた湖陵中のチームメートでもあった岸恒介らとともに「自分らの代で甲子園に行こう」と、同校への進学を決意したのだという。
出雲で育った少年たちが、大社に集結する。
レフトの下条心之介とセンターの藤原佑のように、小学校時代から知る選手たちが声を掛け合う。そこには当時から地元では有名で、のちに絶対エースとなる馬庭優太もいた。
自身も中学時代には県内の高校から多くの誘いがあったなか、大社で野球をすることを決めた藤原は力強く言った。
「部員のなかには県外から来ている選手もいるんですけど、チームとして『地元から甲子園に行く』という意識が強くて。自分も出雲の力を見せたいなと思っています」
大社は甲子園で力を見せた。
夏の前から取り組んできた、近い距離から進塁打やタイムリーヒットを打つ練習に力を入れることで打線に繋がりが生まれ、32年ぶりに帰還した聖地では“大物食い”という、強烈なインパクトを放っている。それも、少年時代から知る者たちの結束も大きいのだと、選手たちは口を揃えている。
今年の夏は、大社のように決して目立たずとも地道に育まれてきた伝統が日の目を見るチームが顕著である。
26年ぶりに夏の甲子園に帰ってきた静岡の掛川西もそうだ。前回出場の1998年にキャプテンとして出場した監督の大石卓哉もまた、中学時代に16年ぶりの出場となった93年夏の光景が強烈だったのだと回想する。
「甲子園で実際に試合を見たときに『こういう場所があるんだ』と感動して、迷いなくこの高校に入りました」
「地域の声援がすごい」静岡・掛川西も初戦突破
大石が抱いた憧憬は、今も継承されている。自宅のある浜松市から電車で1時間かけて通学するレフトの杉山侑生は、掛川工出身ながら掛川西野球部に憧れていた父・宜之の想いを胸に、一般入試で同校に入学した。
杉山が父から聞かされたのは、「とにかく地元の応援がすごい」ことだった。伊東市から掛川西にやってきたライトの田中朔太郎も、入学した理由のひとつにそこを挙げる。
「野球だけではなく『地域の応援がすごい』と聞いていたことも入学するきっかけになりました。実際に入ると、普段から地域の方に声をかけていただいたり、後援会にご支援していただいたり。すごく力になります」
地域に感謝する田中は、野球にも掛川西の伝統を感じている。
「俺たちは静岡の代表だから」
掛川市をはじめ県内の選手が中心となって構成されるチームは、常にそう発している。この誇りを貫くために、監督の大石が選手たちに口酸っぱく説くのがこれだ。
「うまい選手ではなく、強い選手になれ」
野球に置き換えて言えば、それは「当たり前のプレーを当たり前にやる」ことである。アウトになる確率が高いゴロであっても全力で一塁ベースを駆け抜ける。守備でも内・外野ともにカバーリングを怠らない。この「凡事徹底」が甲子園の大きな礎となった。
26年ぶりの掛川西のアルプススタンドは、鮮やかな青で染まっていた。
自らも憧れた景色の後押しもあって、チームは初戦の日本航空戦で、夏は60年ぶりの勝利を手にした。「ベスト8」という目標を掲げていただけに、大石は「もっと勝って、次のステージに進みたかった」と悔しさをにじませつつも、監督として伝統校を率いて甲子園に出られたことに声を詰まらせる。
「監督としても甲子園に出られたことで、『やればできるんだ』という姿を見せることができ、胸がいっぱいです。多くの人たちに支えられ、応援され、いい仲間と出会い……本当に素晴らしいことだと思います」
夏の甲子園に初出場の石橋を率いる福田博之は、掛川西の大応援に「すごかった」と圧倒されていたという。そこで、「うちはどうなんだろう?」と少しだけ不安がよぎったと漏らすが、杞憂に終わった。
学校創立100周年の節目の年に野球部の新たな歴史を切り開いた石橋のアルプススタンドは、オレンジで埋め尽くされていた。その数、およそ3000人。聖和学園との初戦を勝利に導いた福田は、「大変な勇気と力をいただきました。本当に力になりましたね」と、大応援団に頭を下げていた。
県内屈指の進学校として知られる石橋も、野球部の伝統を甲子園へと繋げたチームだ。
20年秋に関東大会に出場したことで、「文武両道が可能になる」と期待を抱いた入江祥太ら現在の選手たちが入学し、23年のセンバツ、そしてこの夏の甲子園へと結実させた。福田がしみじみと語る。
「中学生が『あの学校に行きたいな』と思ってくれる風土を、先輩たちが作ってくれたのが大きいと思っています」
大社、掛川西、石橋。地元出身者が大半を占める公立校の躍進がクローズアップされるが、「地元の力」は私立も同じだ。
新潟産大附、小松大谷も…地元選手中心のチームが躍進
初出場ながら初戦で甲子園優勝経験のある花咲徳栄を撃破した新潟産大附は、「柏崎から甲子園に行こう」を合言葉に地元の選手を中心にチームを鍛え上げ、実績を作った。
明豊、大阪桐蔭と次々と強豪をなぎ倒して台風の目となっている小松大谷も、レギュラーメンバー全員が県内の中学出身である。監督の西野貴裕は、チームの結束力のひとつとしてこのことを挙げているくらいだ。
「小学校から一緒にやっている子ばかりなんで、顔見知りが多いんです。だから足並みを揃えられるんじゃないでしょうか」
古き良き高校野球の美徳。18年夏の金足農に誰もが釘付けとなったように、今でも心の奥底では「おらが町のチーム」を求めている。
だからこそ、この夏も彼らの野球に興奮し、大応援に胸が躍るのである。
文=田口元義
photograph by JIJI PRESS
地元の公立校出身の私は甲子園で公立校が活躍する姿を好ましく思っている一人です。
ただ、それは選手たちが努力を重ねて掴んだものであり、地元の応援を背に頑張った結果であります。「公立校だから」という色眼鏡で見過ぎると、目が曇ってしまい、ことの本質を見誤ってしまいます。設備や資金に恵まれて、全国から選手を集めて甲子園に出てくる私学強豪とて選手が努力しなければ、それを実現することはできません。
高校生のスポーツ競技はカテゴリーの違うサッカーのカップ戦のような「ジャイアントキリング」を持ち出すべきではない、同等に見て純粋に「勝った者が強い」という勝負事の本質を見誤らないことが重要と考えます。例えば、2015年のラグビーW杯で日本が南アフリカに勝った試合はジャイキリです。それは当時の日本と南アフリカの力関係を見れば、万に一つも日本が勝てる要素がなかったからです。しかし、高校生の大会でいかに強豪校に対しても、万に一つの可能性のない対戦はないと思います。ジャイアントキリングとはそれほど簡単に口にしてよい言葉だとは思っていません。
地元の公立校の西大寺高校出身の私です。母校は過去に一度だけ岡山大会の決勝まで勝ち進みました。倉敷商に8回に逆転されるまでリードしていた話も耳タコといえるほど聞かされました。私が生まれた年の出来事で、甲子園では「坂東vs村椿」の延長18回引き分け再試合の死闘が演じられた年です。当時は県立校が全国の頂点に立つことが当たり前の出来事でした。
私学強豪が強くなり過ぎたということはないと思います。強いてあげれば公立校が弱くなり過ぎたと言えそうです。環境に甘んじて強くなる努力を失った公立校に私学の資金力や恵まれた環境を批判することはできないと感じています。公立校に真に強くなってほしいと願うから「21世紀枠」のような話題作りの為だけの安易な方法で甲子園の土を踏んで欲しくないというのが今の気持ちです。
では、昨日の試合に話題を移します。
10日目の試合予定です。10日目から3回戦に入ります。
第10日 8月16日(金)
▽3回戦
①08:00 広陵-東海大相模
②10:35 明徳義塾-関東第一
③13:10 青森山田-石橋
④15:45 霞ヶ浦-滋賀学園
試合結果です。
8月16日(金)
▽3回戦
東海大相模 002 033 000│8
広 陵 010 000 000│1
(相)藤田・高橋-木村
(広)山口・高尾・堀田-只石
関東第一 010 011 000│3
明徳義塾 002 000 000│2
(関)坂本・畠中・坂井-熊谷
(明)池崎-里山
石 橋 000 000 000│0
青森山田 210 001 10X│5
(石)柳田・入江-山下
(青)下山・菊池統・桜田-橋場
滋賀学園 102 120 000│6
霞ヶ浦 000 010 001│2
(滋)脇本・土田-杉本
(霞)市村・真仲・乾-片見
⚾広陵は「夏に弱い」イメージを払拭できませんでした。経験豊富な選手たちで、中国地方では無敵を誇った強豪も甲子園では中々勝てませんでした。これも高校野球です。将来を嘱望される選手たちですからこれからに期待したいと思います。
滋賀学園は勢いに乗って来ましたね。こういうチームが何かを起こすのかも知れません。
11日目も3回戦4試合が行われ、ベスト8が出揃います。
第11日 8月17日(土)
▽3回戦
①08:00 智弁学園-小松大谷
②10:35 京都国際-西日本短大附
③13:10 神村学園-岡山学芸館
④15:45 早稲田実-大社
地元のチームといえば、私の母校とは道一本隔てたお隣さんの岡山学芸館は確かに地元のチームです。両校は隣同士とはいえ決して仲が良いとは言えません。岡山県内出身の選手が少ないことで冷ややかな視線を向ける方もいます。しかし、私としては地元の小さな町・西大寺から甲子園に出場した学芸館には結構期待しています。神村学園は昨年の大会でおかやま山陽が準々決勝で苦杯をなめた相手でもあります。そういう因縁は度外視して勝利を目指して努力する姿を見せてほしいと思っています。
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