ジーコ・ジャパンの勝利に大拍手、北朝鮮は、アメリカに「白旗」を上げる方が得策

2005年06月09日 17時35分25秒 | 北朝鮮問題
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 ジーコ・ジャパンが、北朝鮮に「2-0」で勝った。サッカーの2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア最終予選B組の戦いをテレビ観戦していたが、日本勝利が決定したその瞬間、思わず、「ヤッター」と歓声を上げ、拍手した。やはり、日本が勝つ姿を見るのは、嬉しいものだ。
 柳沢敦(メッシーナ=イタリア)が、ゴール前への浮き球のパスを相手DFがクリアしたボールを右足で直接シュート、ゴール左に決めた。「あっ」という間の快挙だった。サッカー観戦中、「愛国心」が思わず噴出する。
 この「1点」で「逃げ切ってくれよ」と願いつつ、時間の経つのが、いやに「遅く」感じられ、ヤキモキさせられた。
 ところが、試合終了間際、大黒将志(G大阪)が、「2点目」をスマートに決めてくれた。
 ここでもまた、「愛国心」が倍加して爆発、われを忘れて「ウォー」と声を上げてしまった。日本のサポーターが、競技場にも入れないのに、バンコクまで出かけて応援する気持ちが、よく理解できた。長く続いた不況の沈鬱さを一気に吹き飛ばしてくれたような爽快な気分である。この勢いで、ワールド・カップ「ドイツ大会」に突入して欲しい。
 それにしても、ジーコ・ジャパンの「チーム・ワーク」の良さが印象的だった。基本通り、練習通りに球をパスしていく。決して、スタンド・ブレーする選手はなく、それでいて目の前に現れた一瞬のチャンスは逃さない。これが、最大の勝因だったように思える。 北朝鮮の選手には気の毒だが、選手、観客ともに「ルール」と「マナー」をきちんと守らなかったのが敗因につながったのではないか。平壌でのイランとの戦いで、選手が審判の判定に不満をぶち負け、観客がイラン選手に向けてビンを投げつけたり、場外でイラン選手団を包囲して乱暴を働いたりして、危険極まりない状態となり、このルール無視とマナーの悪さとにより、平壌での開催中止、バンコク開催という制裁を受ける結果となった。ホームグラウンドである平壌で開催されていれば、北朝鮮は、「1点」くらいは取れたかも知れない。
 北朝鮮チームの監督、選手団には、帰国後、金正日総書記から「大目玉」を食らい、重労働の処罰を命じられると言われている。 国家が負けたスポーツ選手を「処刑」するなどというのは、文明国ではとても考えられないことである。アムネスティは、直ぐさま、北朝鮮政府に抗議して、監督、選手団を救うべきである。
 アジア最終予選がバンコクで開催されている一方で、米国ニューヨークで米朝が接触し、北朝鮮側が、期日を明示せず、「6か国協議への復帰」をにおわしてきているという報道が、ワシントンから伝えられていた。これまでに独特の外交戦術を手を替え品を替えて巧妙に打ち、何度もアメリカを騙してきた北朝鮮のことでもあり、どこまで信じてよいかまだわからないけれど、北朝鮮が中断して1年近くを経過した「6か国協議」に向けて、一つの動きを示し始めていることは確かのようである。
 もう少し静観する必要があるけれど、北朝鮮が、アメリカとの直接交渉を求める気持ちは、わからないでもない。それは、朝鮮戦争が昭和28年7月27日に「休戦」して以来、最終的な決着も、講和も終わっていないからである。現実的には、いまだに「戦争状態」にある。これを完全に終わらすことができるのは、北朝鮮とアメリカである。
 北朝鮮は本音では、「アメリカに認められて、正式に付き合って欲しい」と思っている。アメリカの本音は、北朝鮮の現体制を打倒して、「自由民主主義国家」を新たに樹立することである。一気に攻め込みたいところだが、イラクに足を取られて自由が効かない。両国は、どうしても噛み合わないのである。このため、ズルズルと時間のみが経過している。
 ならばどうすれば、この膠着状態を打破できるのだろうか。話は簡単である。北朝鮮が、「核開発を放棄」して、「白旗」を上げてアメリカの軍門に下ることである。それが北朝鮮にとっては、得策というものだ。アメリカは、リビアのカダフィ大佐のような勇断を求めているのである。その代わりに、金正日総書記とその家族の生命は保証する。だが、猜疑心の固まりである金正日総書記は、アメリカを信じられないのだろう。クリントン大統領をすっかり騙し続けてきた「悪い実績」があるからである。
 北朝鮮問題を考える場合、朝鮮半島の「地政学的価値」について念頭に入れておく必要がある。
 むかしから、「インドシナ半島と朝鮮半島を制するとき、中国は最も強くなる」という言葉がある。中国にとって、インドシナ半島は「右腕」、朝鮮半島は、「左腕」と言われる位置にある。逆に「「インドシナ半島と朝鮮半島を押さえることができれば、中国を押さえることができる」ということになる。
 ベトナムのホーチミン大統領らは、「アメリカと仲良くしたい」と願っていながら、フランスの跡を継いだアメリカの攻撃を一方的に受けた。ベトナム戦争に敗れたアメリカは、いまベトナムと友好関係にある。しかも、カムラン湾に米軍基地まで設けているという。中国の「右腕」を押さえているのだ。
 ドミノ理論で有名な米国のマクナマラ元国防長官が、ベトナム戦争後、20数年を経てベトナムを訪れ、「誤解に基づいて戦争していた」ことを初めて自覚し、深く反省していた。「民族解放戦線」を進めていた北ベトナム軍を「共産軍」と錯覚していたのである。 一方、韓国には、在韓米軍の基地があり、中国の「左腕」を押さえている形だが、「38度線」の北に北朝鮮があるので、完全とは言えない。
 この力関係を金正日総書記は、よく心得ている。だからこそ、「アメリカに認められたい」のである。もっと言えば、本音では、「アメリカとの友好関係を築ければ、平壌に米軍基地を設けてもよい」とまで考えているとも言われている。金日成が死亡して、3年間の喪が開けたころ、このような情報が、北朝鮮内部から日本にも伝わってきていた。
 この点では、ブッシュ政権は、北朝鮮を誤解しているのかも知れない。そうだとすれば、ベトナムと同じような間違いを犯しているとも言える。
 北朝鮮がアメリカと友好関係を結び、米軍基地まで提供するような事態になって、最も困るのは、言わずと知れた「中国共産党一党独裁の北京政府」である。だから、北朝鮮の「核開発」に反対し、「6か国協議」に北朝鮮を引き戻すふりをしながら、どことなく本気性に欠けているのである。
 アメリカは、「北京政府の努力」を期待し、北京政府に「ゲタ」を預けて、北朝鮮問題の解決の責任を押し付けようとしているのだが、北京政府は、逃げ腰である。北朝鮮をいまのまま、「宙ぶらり」の状態に置いておく方が、都合がよいのである。だから、「脱北者」を見つければ、北朝鮮に強制的に送り返しているのだ。
 かわいそうなのは、北朝鮮の国民である。バンコクでワールドカップアジア最終予選が開かれようとし、ニューヨークで米朝が接触している最中の8日午後、「ベトナムで脱北7人が駆け込み」の出来事が発生していた。ハノイのタイ大使館領事部に、北朝鮮の男女7人が駆け込み、第3国への亡命を求め、脱北者のなかには、中国当局による摘発と、本国送還を恐れてベトナムを目指すグループが増えているという。
 中国共産党一党独裁の北京政府は、こうした「人権無視」の行為を続けている以上、文明国とは言えず、脱北者の摘発と本国送還を即刻止めるべきである。小泉首相に対して「靖国神社参拝を中止せよ」などと偉そうなことを言う資格はない。
 小泉政権は北京政府に「人権尊重の国になれ」と強く要請する必要がある。これは、決して北京政府に対する「内政干渉」にはならない。
 日本政府及び日本国民は、日本国憲法前文の「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という下りを再確認しなくてはならない。
 「専制と隷従」に相当する国とは、「フセイン大統領時代のイラク」「金正日総書記の下の北朝鮮」などのような国である。「圧迫と偏狭」に相当する国とは、「天安門事件」において、学生デモ隊を戦車で鎮圧し、銃撃して自国民を殺したり、北朝鮮からの脱北者を摘発し本国送還したりしている「野蛮極まりない行為」を平気で続けている北京政府のような国のことである。
 こういう政府は、「地上から永遠に除去」するのが、「国際社会の努め」である。日本国憲法を「擁護」している社会民主党や共産党、あるいは「9条の会」の「護憲派」と称する政治家や有識者も「国際社会の努め」に全面協力すべきである。


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