鳩山首相退陣・小沢幹事長辞任でも、参院選挙で民主党圧勝は無理、選挙後の小沢首相実現への伏線か

2010年06月02日 13時42分43秒 | 小沢一郎「15年戦争」
◆東京新聞の6月2日付朝刊の「特報面」は、「鳩山首相退陣なら…5つの疑問 クビ替えても…」と題して、冒頭以下のように報道している。
「鳩山由紀夫首相の退陣論が民主党内でやまない。米軍普天間飛行場の移設問題で国民を失望させ、内閣支持率は10%台に下落。社民党を連立政権から切り捨てたため、参院民主党から「これでは夏の参院選を戦えない」と不満が爆発したのが発端だ。ただ、首相のクビをすげ替えるだけで、民主党を取り巻く“危機的状況”は好転するのだろうか。支持率への影響や小沢一郎幹事長の進退問題など、首相交代の場合に生じる五つの疑問を識者に聞いた。(加藤裕治、秦淳哉)」 このなかで、私のコメントも掲載されている。
◆この日の午前9時半すぎ、NHKが、「鳩山首相が辞意を党幹部に伝えた」というテロップが流れた。そして国会内で午前10時から民主党の両院議員総会が開かれ、鳩山首相が演説し、このなかで辞任表明した。
 実は、5月31日、鳩山由紀夫首相、小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長が国会内総理大臣室で会談した際、鳩山首相は「辞めたい」発言したのに対して、小沢幹事長が「ちょっと待て」と制止、会談はわずか5分で終わった。報道では、「鳩山首相は続投意向」と報じていたけれど、事実は逆だった。小沢幹事長サイドでは、鳩山首相退陣後の体制について「菅直人首相、輿石東幹事長、もしくは原口一博幹事長」を構想していたようだが、「支持率は多少上がるかも知れないが、パンチがない」と逡巡していた。次いで、6月1日にも、会談が行われ、約30分後に国会内総理大臣室から出てきた小沢幹事長と輿石参院議員会長は、固い表情だった。その20分後に出てきた鳩山首相は、どことなく憑き物が取れた感じで、左手の親指を立てて、「サムアップ=フライトOKの意味」のシグナルを示していた。これを見て、報道陣は、やはり「鳩山首相続投」と受け止めた。しかし、それも間違いだった。両院議員総会での演説のなかで、鳩山首相は「済州島で開かれた日韓中の首脳会談に出席して、泊ったホテルのベランダでヒヨドリが家に飛んで帰っているのを見た。自分も家に帰る時かなと思った」と述懐していた。おそらくは、このとき、首相辞任を決意したらしい。
◆しかし、菅直人財務相が4日の両院議員総会で民主党代表に選出され、小沢幹事長の覚えがよい原口一博総務相が新幹事長に任命されたとしても、参院選挙では、民主党が圧勝する可能性はかなり低いと思われる。すると、当然、新執行部の責任問題が持ち上がってくる。小沢幹事長は、参院議員選挙を自らの「政治とカネ」の問題の「禊」の機会と考えていると言われており、これを境にいよいよ「小沢一郎首相」が誕生する。今回の首相・幹事長辞任は、そのための伏線とも見られている。
◆ちなみに、沖縄の普天間飛行場移設、辺野古基地に新飛行場建設は、既定路線となり、米軍は今後、少なくとも半世紀以上は、沖縄に居座り続けることになる。「国外、最低でも県外移設」という首相は、二度と現れず、沖縄県民の苦しみは、いつまでも解消されないことになる。

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