菅直人首相が「消費税」をめぐり財務省管理内閣色を濃厚にし、谷垣自民党との違いが不明に

2010年06月17日 23時10分45秒 | 政治
◆菅直人政権が、財務省管理内閣の色彩をますます濃厚にしている。菅首相が6月17日発表したマニフェストが、昨年夏の総選挙で国民に約束したマニフェストを大幅に修正しているのが判明したからである。その最大の修正が、「消費税アップ」である。衆院議員の任期中は消費税アップはしないと明言していたにもかかわらず、自民党が発表しているマニフェストのなかで、「消費税を10%にアップする」しているのを「参考にする」というのである。早速、民主党の高嶋良充参院幹事長らから「党内議論もなく軽率だ」「選挙に悪影響になる」などと批判の声が上がっている。
◆菅首相と谷垣禎一総裁の共通点は、言うまでもなく「財務相経験者」という点である。両人とも財務官僚に完全洗脳されてしまっている。これでは、与野党の違いは、ほとんどなくなってしまう。有権者は、選択に困ってしまうだろう。菅首相と谷垣総裁の共通点は、もう一つある。それは、「日本の国家像」を示さないまま、消費税アップを先行させているところにある。いま足りないからという切実感はあるにしても、それだけでは、再び財政難に陥れば、さらに消費税をアップしなくてはならなくなる。気づいたら、単に財政の穴埋めをするためだけの目的で際限なくアップし続けるということにもなりかねない。
◆日本は戦後、厚生官僚を中心に「スウェーデン、デンマーク型高度福祉社会」を目指していたのに、二度のオイルショックに襲われて財政がピンチになり、「日本型福祉社会」に修正して、家族による助け合いという古き良き時代に巻き戻そうとした。しかし、大家族制度が困難な時代に変化していたため、家でも病院でもない中間施設というまさに中途半端な施設の建設に力を注いだ。だが、小泉純一郎首相時代は、アメリカ型の自助努力を基本とする社会に切り替えようとした。安倍晋三首相は、「美しい日本」づくりに乗り出し、再び「日本型福祉社会」を標榜、福田康夫首相は、明確な発言はせず、麻生太郎首相は、「中福祉中負担」と言っていた。鳩山由紀夫首相は、明確な将来像を示すことなく、政権維持に挫折、菅首相は、進むべき国家像について「スウェーデン」という国名を口走った程度で、本気性を示さないまま、消費税アップだけを先行させてしまおうとしている。最悪なのは、民主党がウソをついたというマイナス・イメージを印象づけていることである。とりわけ国民に理想国家像を提示しないで、リアリストとして現実的な対処のみを強調するあまり、国民に夢も希望も抱かせず、幻滅感を募らせている点は、国家最高指導者として極めて罪深い。
◆そのうえ、救いがたいのは、菅首相が、強い経済・強い財政・強い社会保障を標榜していながら、具体的な道筋や方法がはっきり示されていないところである。国民の多くが望んでいる「景気浮揚と雇用対策」には、政財官学界と労働界の実力者が、仕掛け人として「チーム編成」することが不可欠であるにもかかわらず、菅首相が強力な指導力を発揮して、たとえば、日本経団連の米倉弘昌会長はじめとする財界人に呼びかけてチーム編成しようとしているというような話は聞かれない。これでは絵に描いたモチである。それどころか、菅首相ら閣僚たちがチーム編成できるだけの人脈ネットワークを持ち合わせているのか疑わしい。
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菅直人政権はいよいよ週刊誌、タブロイド夕刊紙、スポーツ紙による袋叩きの洗礼を浴びる

2010年06月17日 10時37分13秒 | 政治
◆菅直人政権は、樹立から1週間そこそこで、国会を閉めてボロ隠しに成功したと思いきや何と週刊誌から集中砲火を浴びせられている。7月11日執行の参院選挙まで1ヵ月を切ってはいるものの、この間、週刊誌のみならず、タブロイド夕刊紙やスポーツ紙で徹底的に裸にされる。この猛攻撃に耐え抜いてこそ、選挙に勝てる。
◆週刊文春は6月24日号で「菅新政権を襲う『スキャンダルの嵐』」と題して、文字通りスキャンダルのオンパレードである。「首相が頼りきる『赤い小沢一郎』大研究 仙谷と『大物総会屋』絡み合いすぎる関係」「菅直人『オンナ』の噂を追う-自民幹部がバクロした醜聞」「荒井『事務所』で下着、ネギまで買った35歳『密着すぎる女性秘書』」「亀井前大臣最後に吠える『オレが辞めたのは輿石参院議員会長のせいだ!』」、さらに別稿で、「蓮舫 後援会で『大臣も議員も辞めろ』公設秘書がチカン!!」「上杉隆が見た民主党『権力闘争の14年』②『カネは出さずに口は出す』菅直人にキレた鳩山邦夫」と賑やかである。バックにアメリカ大使館が控えているとの噂の絶えない週刊文春だけに、これは消費税アップと上納を促すアメリカによる菅政権への脅しなのか、それても早くも引きずり降ろしなのか?いつもの汚い手である。
◆週刊文春のライバル誌である週刊新潮」も負けてはいない。6月24日号で「クリーンなはずの市民派宰相に『政治とカネ』!?『菅直人』新総理が政治団体に渡した奇妙な5000万円」と一発かまして、「ワイド『永田町の不快指数』」と続けている。さらに「『荒井キャミソール』大臣のキャミソールを着ていた30代人妻」と荒井聡国家戦略担当相の女性スキャンダル疑惑を取り上げている。
◆菅政権は、鳩山由紀夫前首相・小沢一郎前幹事長がダブル辞任して、国会議員だけのドタバタ代表選挙によって成立したので、閣僚人事をめぐり事前の身体検査の余裕がなかった。そのツケがスキャンダルの暴露という形で顕われてくるのは、当然の成り行きである。政治資金については、菅首相自身が「まったく白というわけではない」と発言しているだけに、叩けば埃は、いくらでも出てくる可能性が大である。女性スキャンダルも然りであろう。自民党の谷垣禎一総裁も例外ではなく、以前に、中国のスパイとおぼしき女性との関係が暴露されたことがあった。しかし、権力欲旺盛でかつ権謀術数の渦巻く薄汚い世界の生き物である政治家に聖人君子であることを求めても、それは無理な話ではある。 
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