◆第94代総理大臣に民主党の菅直人代表6月4日、衆院本会議場の指名投票で選ばれた。1980年6月22日の衆参同日選挙に当選してから、30年にしての目標達成である。1981年5月から約1年、小生は、毎日新聞政治部から厚生省記者クラブに配置されて、年金・医療を担当していた。そのころの広報室長が後に社会保険庁長官に大出世する高木俊明氏あった。
ある日、菅直人衆院議員とは如何なる人物かを聞かれ、菅氏の師匠である市川房江参院議員のことなどを話し記憶がある。菅氏は、なぜかこのころから厚生官僚にかなり警戒されていた。まさか、後に厚生大臣として乗り込んでくるとは想像だにしなかったであろう斐性海中。ましてや、その厭な人物が総理大臣に指名されるとは、これも想像の域を遥かうも何超えていた。
◆菅直人首相の最大の弱点は、北朝鮮の日本人拉致事件の主犯である元工作員・辛光洙容疑者を取り逃がしたことである。辛1985年、韓国に不法入国して逮捕され、北朝鮮スパイとして死刑判決を受けたが、南北首脳会談の合意で2000年9月、他の政治犯らとともに北朝鮮に引き渡された。その後、国家行事などに出席して喝采(かっさい)を浴びるなど、本国で英雄扱いされている。
この北朝鮮引き渡しに、菅首相は、土井たか子社民党党首らの働きかけに応じていた。この問題については、自民党の安倍晋三元首相が、しつこく追及し続けており、日本国民の生命・身体・財産の保護に関する問題だけに、「政治とカネ」問題以上に、菅内閣を揺さぶりかねない。
◆それでなくても、小沢一郎幹事長は、当初から今回の政権交代のシナリオを描いてきた。それだけに民主党代表選挙で、菅首相の挙動を注視していた。いわばリトマス紙を使って試していた。翻訳すれば、菅首相が、「反小沢色」を強めるか否かということである。内閣と党の人事は、敵か味方かが旗幟鮮明に出る。
小沢幹事長は、いまのところ、仙谷由人官房長官は許せるにしても、枝野幸男幹事長は、許せないらしい。「反小沢」の主要な面々で固めるのは、小沢一郎幹事長が許さない。ということで、小沢一郎幹事長は、9月の代表選挙に小沢一郎の息のかかった候補者を立てて、菅首相を退陣に追い込むつもりらしい。次期参院選挙に敗れれば、文字通り菅政権は、単なる「選挙管理内閣」に終ってしまう。
◆菅首相は、指名された後の記者会見で記者団の質問に対して、揚げ足や言質を取られないようにと、ほとんど意味不明の慎重発言に終始していた。沖縄普天間飛行場移設問題が、その象徴であった。日米合意の実行を忠実に行うという趣旨の発言をしていた。これでは、国民の欲求不満はたまる。菅政権は、3日天下ならぬ3ケ月天下に終るのか、少しは長く政権を維持できるのか、予断は許せないけれど、もともと短気な菅首相の性格からすれば極めて短命な政権に終る可能性の方が高い。ただし、北朝鮮から拉致被害者を全員奪還できれは、評価は逆転して高まる。
ある日、菅直人衆院議員とは如何なる人物かを聞かれ、菅氏の師匠である市川房江参院議員のことなどを話し記憶がある。菅氏は、なぜかこのころから厚生官僚にかなり警戒されていた。まさか、後に厚生大臣として乗り込んでくるとは想像だにしなかったであろう斐性海中。ましてや、その厭な人物が総理大臣に指名されるとは、これも想像の域を遥かうも何超えていた。
◆菅直人首相の最大の弱点は、北朝鮮の日本人拉致事件の主犯である元工作員・辛光洙容疑者を取り逃がしたことである。辛1985年、韓国に不法入国して逮捕され、北朝鮮スパイとして死刑判決を受けたが、南北首脳会談の合意で2000年9月、他の政治犯らとともに北朝鮮に引き渡された。その後、国家行事などに出席して喝采(かっさい)を浴びるなど、本国で英雄扱いされている。
この北朝鮮引き渡しに、菅首相は、土井たか子社民党党首らの働きかけに応じていた。この問題については、自民党の安倍晋三元首相が、しつこく追及し続けており、日本国民の生命・身体・財産の保護に関する問題だけに、「政治とカネ」問題以上に、菅内閣を揺さぶりかねない。
◆それでなくても、小沢一郎幹事長は、当初から今回の政権交代のシナリオを描いてきた。それだけに民主党代表選挙で、菅首相の挙動を注視していた。いわばリトマス紙を使って試していた。翻訳すれば、菅首相が、「反小沢色」を強めるか否かということである。内閣と党の人事は、敵か味方かが旗幟鮮明に出る。
小沢幹事長は、いまのところ、仙谷由人官房長官は許せるにしても、枝野幸男幹事長は、許せないらしい。「反小沢」の主要な面々で固めるのは、小沢一郎幹事長が許さない。ということで、小沢一郎幹事長は、9月の代表選挙に小沢一郎の息のかかった候補者を立てて、菅首相を退陣に追い込むつもりらしい。次期参院選挙に敗れれば、文字通り菅政権は、単なる「選挙管理内閣」に終ってしまう。
◆菅首相は、指名された後の記者会見で記者団の質問に対して、揚げ足や言質を取られないようにと、ほとんど意味不明の慎重発言に終始していた。沖縄普天間飛行場移設問題が、その象徴であった。日米合意の実行を忠実に行うという趣旨の発言をしていた。これでは、国民の欲求不満はたまる。菅政権は、3日天下ならぬ3ケ月天下に終るのか、少しは長く政権を維持できるのか、予断は許せないけれど、もともと短気な菅首相の性格からすれば極めて短命な政権に終る可能性の方が高い。ただし、北朝鮮から拉致被害者を全員奪還できれは、評価は逆転して高まる。