菅直人政権が消費税をアップしても、素人政権では日本の経済・景気を回復するのは不可能である

2010年06月20日 22時04分00秒 | 政治
◆竹下登政権時の平成元年4月1日に日本に消費税が導入されて以来、22年になる。だが、自民党政府は、消費税を導入し当初の税率は3%により税の増収を図ろうとしたけれど、、日本の経済・景気はよくならず、反対に、昭和57年10月から始まった大勢上昇相場を現出していた花見酒経済は瞬く間に崩壊してしまい、バブル経済(泡、詐欺経済)の汚名をつけられて文字通り泡として、弾けてしまい雲散霧消してしまった。
◆大蔵官僚たちは、株価と土地価格の高騰による景気回復を期待したものの、それは机上の空論に終わり、経済・景気は回復するどころか、悪化の一途を辿った。そこで橋本龍太郎政権は、平成9年、消費税を4%に引き上げ、消費税率の引き上げに併せて地方消費税(消費税の25%)が導入され、(国税の)消費税分の4%に地方消費税分である1%(0.04×0.25=0.01)を合計して「消費税等」の税率が5%とした。だが、これも焼け石に水どころか景気の足を引っ張り、財政まで悪化の度を深めた。その後、大蔵省から財務省に看板を塗り替えた財務官僚は、消費税アップの画策に狂奔するも、実現できず今日に至り、「財政破綻」を声高に喧伝し、「このままではギリシャのようになるぞ」と国民を恐喝し、そのうえ菅直人首相や仙石由人官房長官、玄葉光一郎公務員制度改革担当相(民主党政策調査会長)ら民主党首脳陣が経済財政の素人であるのを逆手に取り、これらをたぶらかして、消費税10%時代を現出しようとしている。菅首相は「官僚はバカですよね」と批判したのを忘れて、いまや恥ずかしげもなく、「官はバカ」を天下にさらけ出している。
◆要するに、官首相が提唱している「経済回復」は、「財政再建=消費税アップ」によっては、実現できないことは、消費税導入から22年の歴史が証明している。菅首相らは、財務官僚がバカのひとつ覚えのように信じている「株価と土地の上昇による経済・財政の再生」という「神話」にすっかり化かされている。国家の主な収入=税収は平成2年度の60.1兆円をピークに減少し続けて、平成22年度は37・4兆円とほぼ半減しており、、消費税導入以前の方が、税収がよかったということを物語っている。これは、財務省が、「株価と土地の上昇による経済・財政の再生」という神話を信じすぎて、「経済を強くする政策」ための政策を一度も打たず、むしろ不熱心だったという怠慢の証左でもある。税収が減るという財務行政の失敗を消費製アップという姑息な手段により、国民にツケ回ししようとしているにすぎない。菅政権は、財務官僚に騙されてその尻馬に乗っているという図式である。
◆やすやすと財務官僚の小ずるい画策に乗っている菅政権が、「景気押し上げのための5つの基礎的条件」を揃えられないzという醜態をさらけ出している。「5つの基礎的条件」のなかで、大事なのは、菅首相を全面的にバックアップする財界トップがいるかどうかという点である。それは、吉田茂首相の宮島清次郎(日清紡社長、学習院以来の同級生)であり、池田勇人首相の財界四天王(宮島清次郎の弟子たち)であり、中曽根康弘首相の証券・金融、建設・不動産、鉄鋼の各業界指導者たちである。菅首相は、日本経団連の米倉弘昌会長と会談したとは言うものの、二人が肝胆合い照らす関係を築いているとは到底考えられない。何しろ「最低不幸社会」という陰気なキャッチフレーズは、いただけない。「第三の道」と分けのわからないことをほざいているけれど、は「カネと土地」が動かなければ、本格的に上昇することはありえないのである。頭はよく、口先ばかり達者でも経済・景気に素人勢揃いの菅政権が、日本の経済・景気を回復させることが不可能なのは、火を見るより明らかである。
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民主党候補者や現職国会議員は、消費税アップをどう説明するのか、有権者には真贋を見分けるチャンス

2010年06月20日 00時51分49秒 | 政治
◆菅直人政権が、「消費税アップ」の姿勢を打ち出したのに対して、みんなの党、国民新党、社民党、共産党などが一斉に反対の狼煙を上げ、参院選最大の争点になってきた。民主党サイドでも選挙区に帰って演説している一年生議員らが、有権者から「消費税アップ」について聞かれて、「反対します」と菅首相が発表したマニフェストとは食い違う答えをしており、党内世論がねじれ現象を表している。おまけに菅首相がぶち上げた「成長戦略」について聞かれても、シドロモドロの有様である。それは、菅首相が、投資を成長につなげるメカニズムを明示しておらず、「強い経済」から「財政再建」への道筋を提示していないのであるから、現場の国会議員が迷うのは当たり前である。
◆仙谷由人官房長官は、「消費税アップ」が参院選の争点になってきたことを喜ぶ発言をしているけれど、どうも権力の座に就いてから、庶民感覚が鈍ってきているらしい。消費税アップを求めて強い圧力を加えてきているのは、主にアメリカ・オバマ政権であり、この背後にいて、リーマンショックで受けた打撃から回復できず、いまや経営難に陥ったままのディビッド・ロックフェラー率いるシティグループなどの企業群であるだけに、日本が消費税アップを実現すれば、直ぐにでも米国債を買わせて、これを公的資金としてシティグループなどの救済に使いたい。EUも国家破産したギリシャなどの救済に日本の支援が欲しく、それ故に日本には一刻も早く財政再建を実現して欲しいと懇願している。世界の各国が日本の財力をアテにしている状況なので、25日からカナダで始まるG8で、菅首相は、これらに応えて高い評価を得るべく、美味しい話を持って行きたいところであろう。
学芸会に出演する前の子どもの気分なのかも知れない。うまく演技しようと思って、「消費税アップするふり」をしているのかようである。だが、景気回復が本格的な上昇軌道にも乗っておらず、雇用情勢も依然として不安定なままであるなかで、国民の多くが、そうやすやすと消費税アップに理解を示すはずはない。その意味で菅首相は、国民生活軽視の極めて危険な道を歩んでいる。菅首相の口癖を借用するなら、「ある意味で国民を裏切る蛮行」とでも言えよう。
◆消費税アップが参院選の争点になり、与野党対立軸がはっきりしてきたのは、よいとしても、同時に、これが民主党内の主流VS非主流の対立軸になってきたのは、深刻である。しかも、消費税アップについて国民の信を問うために衆院解散・総選挙を菅首相が想定しているとなると、支持基盤が脆弱な民主党の若手、とくに当選一回組143人には、ただごとではない。小泉チルドレンのほとんどが、中央政界から姿を消してしまったように、次期総選挙で何人が再選を果たせるかはわからない。こうなると、党本部政策調査会の各部会に属してのんびりと議論回り、小沢一郎前幹事長直伝の「ドブ板選挙」に全力を上げなくてはならない。しかし、初出馬のときと違い、次は小沢前幹事長の「秘書軍団」の力を皆がみな、頼ることはできない。おそらくは、小沢前幹事長敵味方に仕分けされているだろうから、「秘書軍団」は、小沢前幹事長に忠誠を誓う者にしか、物心ともに支援の手は差し伸べず、最悪の場合は、刺客をぶつけられかねない。それん選挙のプロ中のプロと言われる所以というものである。
◆それだけに、衆議院議員にとって、参院選挙は、自らの支持基盤を強化する絶好のチャンスとなる。早い話が、候補者応援のついでに自分の名前も売るのである。その際、有権者から消費税アップについてどう答えるか、成長戦略について、何と説明するかが問われて、まさか心にもないウソをつくわけにもいかないだろう。有権者サイドからは、真贋を見分けるこれもまた絶好のチャンスとなる。
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