◆朝日、読売など新聞各紙が6月26日の朝刊で参院選挙序盤情勢について行った世論調査の結果を一斉に発表、民主党が地方の選挙区で苦戦しており、菅直人首相が勝敗ラインとしている「54議席以上」獲得は、難しい情勢にあると報じている。自民党は、50議席以上、注目のみんなの党は、10議席以上獲得の勢いといい、菅民主党の苦戦は、菅首相の「消費税アップ」発言が元凶とみられる。菅民主党敗北という結果になれば、菅首相、枝野幸男幹事長らの責任問題となるばかりか政権運営は困難を極めることになる。
◆小沢一郎前幹事長が25日、参院選候補の応援に訪れた青森県平川市での会合で、興味ある発言をしている。「参院で過半数を取ることによって、今までの仕組みを変えるのが、私の願い。そういうレールを敷いたら、私の役割は終わり。後は次の世代の人にバトンタッチしていきたい。最後のご奉公のつもりで、死にものぐるいでがんばる」 この発言に対して、読売新聞の記者は、「世代交代を進める考えを示した」(6月26日の朝刊4面=政治面)とのコメントで締めている。
◆しかし、小沢前幹事長の発言を反対解釈するとどうなるか。「参院で過半数を取ることができなかったら私の役割は終わらない」という意味になる。参院選挙序盤情勢について行った世論調査の結果通りになった場合、小沢前幹事長は「3年後の参院選での勝負」を目指すことになるだろう。それまでに総選挙が行われなければ、「衆参ダブル選挙」という可能性が大となる。
◆小沢前幹事長は、菅首相の「消費税アップ」発言が参院選の結果に与える影響を憂慮しているという。ひょっとしたら「勝てない」と予想しているのであろう。国民に重い負担を強いる増税については、為政者は、極めて慎重でなければならない。菅首相が官(財務官僚)に丸め込まれては、真の為政者とは言えず、単なる「暴君」にすぎなくなる。テレビ東京の番組「週刊ニュース新書」(現「田勢康弘の週刊ニュース新書」)でホストを務める愛猫家・田勢康弘氏が、西郷隆盛翁の名言を紹介して番組の最後を見事に締めくくっていた。
「租税を薄くして民を裕(ゆたか)にするには、即ち国力を養成する也。故に国家多端にして財用の足らざるを苦むとも、租税の定制を確守し、上を損して下を虐げぬもの也。能く古今の事迹を身よ。道の明かならざる世にして、財用の不足を苦む時は、必ず曲知小慧の俗吏を用い巧みに聚斂して一時の欠乏に給するを、理財に長ぜる良臣となし、手段を以て苛酷に民を虐げるゆえ、人民は苦悩に堪え兼ね、聚斂を逃んと、自然譎詐狡猾に趣き、上下互に欺き、官民敵讐と成り、終に分崩離拆に至るにあらずや」(財団法人荘内南洲会刊「南洲翁遺訓」―十三より)
◆小沢一郎前幹事長が25日、参院選候補の応援に訪れた青森県平川市での会合で、興味ある発言をしている。「参院で過半数を取ることによって、今までの仕組みを変えるのが、私の願い。そういうレールを敷いたら、私の役割は終わり。後は次の世代の人にバトンタッチしていきたい。最後のご奉公のつもりで、死にものぐるいでがんばる」 この発言に対して、読売新聞の記者は、「世代交代を進める考えを示した」(6月26日の朝刊4面=政治面)とのコメントで締めている。
◆しかし、小沢前幹事長の発言を反対解釈するとどうなるか。「参院で過半数を取ることができなかったら私の役割は終わらない」という意味になる。参院選挙序盤情勢について行った世論調査の結果通りになった場合、小沢前幹事長は「3年後の参院選での勝負」を目指すことになるだろう。それまでに総選挙が行われなければ、「衆参ダブル選挙」という可能性が大となる。
◆小沢前幹事長は、菅首相の「消費税アップ」発言が参院選の結果に与える影響を憂慮しているという。ひょっとしたら「勝てない」と予想しているのであろう。国民に重い負担を強いる増税については、為政者は、極めて慎重でなければならない。菅首相が官(財務官僚)に丸め込まれては、真の為政者とは言えず、単なる「暴君」にすぎなくなる。テレビ東京の番組「週刊ニュース新書」(現「田勢康弘の週刊ニュース新書」)でホストを務める愛猫家・田勢康弘氏が、西郷隆盛翁の名言を紹介して番組の最後を見事に締めくくっていた。
「租税を薄くして民を裕(ゆたか)にするには、即ち国力を養成する也。故に国家多端にして財用の足らざるを苦むとも、租税の定制を確守し、上を損して下を虐げぬもの也。能く古今の事迹を身よ。道の明かならざる世にして、財用の不足を苦む時は、必ず曲知小慧の俗吏を用い巧みに聚斂して一時の欠乏に給するを、理財に長ぜる良臣となし、手段を以て苛酷に民を虐げるゆえ、人民は苦悩に堪え兼ね、聚斂を逃んと、自然譎詐狡猾に趣き、上下互に欺き、官民敵讐と成り、終に分崩離拆に至るにあらずや」(財団法人荘内南洲会刊「南洲翁遺訓」―十三より)