岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

第40回日本臨床矯正歯科医会大会

2013-02-08 19:49:38 | 矯正歯科に関すること
2月6日、7日と東京で、第40回日本臨床矯正歯科医会大会が開催されました。日本臨床矯正歯科医会とは、矯正歯科単独を標榜して開業している矯正医の集まりで、会員数は450名弱を擁しています。

今回は創立して節目の年で、大規模に開催されました。全国から参加した歯科医と情報交換し、最新の情報を仕入れる機会でした。また、今回は当方も症例を発表し、有意義な学会となりました。

ハードスケジュールで、今日は少々バテ気味です。

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患者さんとの絆づくり

2012-01-25 13:45:38 | 矯正歯科に関すること
稲岡勲氏は、歯科関係のコンサルタントを手がける評論家です。歯科医院のあり方へのコメントは的確で、私は敬愛しており、講演会でお会いしたこともあります。稲岡氏のコラムを抜粋します。

医療においては、<断つに忍びない恩愛>という意味での絆を作る必要があります。主治医と患者さんとの関係の基盤は、信頼です。もし患者さんが元気なのに来院しなくなるのは、転院を意味します。去っていくのは、何か満たされないものがあるからです。

一旦来院した患者さんをしっかり繋ぎ止める関係づくり、<絆>作りをすれば、簡単に転院することはありません。患者さんから見て余ほど技術的に劣るものでなければ、親しく優しい信頼のおける先生に診てもらいたいと思うのは、人情というものです。基本的には、医療経営においては、競争の概念はないと思います。

もし医療経営での競争があるとすれば、技術です。患者さんが明らかに技術による格差を認識し、それが自己の許容限度を超えた時には患者さんは去っていきます。ですから、院長自らが技術的に難しい症例と判断した場合は二次医療機関に紹介するべきです。無理に手がけないことです。それが患者さんとの信頼関係の維持の基です。すべてを自分の手で治療することが、患者さんの信頼を増すことにはなりません。

患者さんの立場、患者さんの意志を中心に考えるべきです。その患者さんの病状、期待、感情、恐れと院長自身の技術的な自信を考慮して決定するべきです。患者さんへの押しつけにならないように十分な配慮は必要ですが、患者さんにプラスになる情報はキチンと話すべきです。

また、一人一人の患者さんの情報は、文章化してスタッフと共有するべきです。患者さんとの絆は、院長とスタッフと患者さんとの間でガッチリ構築するべきです。

このコラムは<医は仁術>であることを、具体的なありようで教えてくれる内容でした。厳寒の中でも咲き誇る水仙のように、可憐で逞しい生き方をしたいものです。

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年代別歯の移動スピード

2011-07-13 15:21:43 | 矯正歯科に関すること
医局での修行中、歯を動かす力の目安は150gで、1ヶ月に1mm動くと習ったものです。この150gの荷重とは、臨床上では臨床医の感覚上での力加減になりますので、正確とはなりません。

私の患者さんの年齢構成は、6歳から51歳までです。一番多いのは、やはり10代です。永久歯を抜いて歯を動かすのは、永久歯列になってからですので、平均で12歳以降の治療開始になります。

同じように力を掛けても、歯の動く量は人によって違います。当然若い程、骨は柔らかいでの、速く動きます。少々乱暴な推論ですが、私の臨床医としての印象として、1ヶ月で動く量は、10代の患者は1.5mm、30代は1mm、50代は0.7mmといった感じでしょうか。その際に感じる違和感も、若い程少ないようです。ということで、若い程速く治療が終わるということになります。若い程適応も早いので、咬み合わせの安定性も優ります。

若いと歯周病も少なく、歯の周囲の骨もたっぷりあり、歯を動かすのに安心です。できれば、10代に矯正治療をすることをお勧めします。最近は、ご両親が矯正治療を受けている場合は、早めにのお子さんを連れて来られます。少しずつ、矯正に関しての知識が広まっています。

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第54回中・四国矯正歯科学会

2011-07-06 17:37:29 | 矯正歯科に関すること
第54回中・四国矯正歯科学会が松山市で開催されました。中国・四国地方の会員の約500名を擁した学会です。

広島大学、岡山大学、徳島大学に矯正学教室があり、若い歯科医の多く、総勢100名を超えます。一般歯科医の会員は約300名です。矯正専門の開業医は約80名で、このメンバーが中核になった組織です。

矯正歯科分野の最新情報の入手や交換を通じ、旧友と交流する貴重な場になっています。知的刺激を受けて、日常臨床を改善したり、新技術や新製品を導入するなどの、良い機会となっています。

今回は松山市で開業している先輩の医院を見学することもでき、院内のIT化が非常に参考になりました。待合室が、ホテルのラウンジのようで高級感があり、先生の趣味の良さが出ています。

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<医>と<醫>との違いは?

2011-02-05 13:24:49 | 矯正歯科に関すること
医とは、かつて醫と書いていたそうです。いくつかの解釈があるそうですが、その成り立ちの説明が興味深いので、紹介します。

医とは、矢を引くということで、人間の<技術>を示し、殳は役の一部で<奉仕>を示し、酉は神に酒を奉ることで<祈り>や<癒し>を示しているともされていると言われています。

醫から医に字が代わった時に、医療の持っていた<技術>と<奉仕>と<祈り>の三位一体を忘れ去り、技術のみに走っていったのではないだろうか。医療がかつての技術と、奉仕と、祈りのバランスをよく取り戻したときにはじめて、痴呆性老人や末期がんの患者さんをやさしく看るころができるのだろうと思う。(鎌田 實 著 『がんばらない』より)

歯科の中でも、私の生きている世界は<矯正歯科>ですが、広い意味での医療に属します。私も、医より醫に憧れます。私の場合は、技術と、奉仕と、癒しのバランスを取った醫の実践を、矯正治療の中で行いたいと考えます。



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