岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

小説<永遠のゼロ>を読んで

2013-12-28 15:25:27 | 日々のこと
孫の姉と弟が、零戦に乗っていた祖父宮部久蔵を知っている戦友にインタビューをしていく過程をまとめた小説です。百田尚樹のベストセラー小説で、最後に大どんでん返しがあります。

第二次世界大戦も遠い存在となった戦後です。腕利きのパイトットの祖父が終戦直前に、28歳で特攻隊で戦死するまでを追って記述し、戦争の理不尽さ、残酷さ、追い詰まられた帝国空軍の狂気を描いています。

一方で、敗戦が濃厚であることを察知してながらも、劣悪な条件下で国と家族を守るために、奮闘する特攻隊の兵士の姿を描いています。戦死していくであろう兵士が、助け合ったり、気遣う姿は、痛ましい限りです。

第二次世界大戦での生き残りが戦後に思うのは、軍部エリート達への批判、作戦の失敗、敗戦の責任についての言及です。マスコミの変心や世間の移り気な変わり身へも、痛烈な意見を語らせています。

その中から、一部を引用します。

・・・全機特攻を唱えた宇垣纏長官が特攻出撃を前にした隊員たち一人一人手を取って涙を流しながら激励した後に『何か質問はないか』と聞いたそうです。

その時、ミッドウェーから戦っていたベテラン搭乗員が『敵艦に爆弾を命中させたら、戻ってきてもいいでしょうか』と尋ねてそうです。

すると、宇垣長官は『ならん』と言い放ったそうです。・・・

これが、特攻の真実です。勝つための作戦ではなかったのです。特攻の目的は搭乗員の体当たりなのです。そして、沖縄戦の後半は志願するものない、通常の命令で行われたのです。・・・

第二次世界大戦後に敗戦の総括を日本全体としてはできていないように思います。国内では、政治的な立場の違いで、それぞれが勝手に持論を述べているだけです。

ですので、隣国につけいる隙を与え、いまだに戦前の日本に対して批判され続けています。残念です。

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<魂の経営>を読んで part2

2013-12-20 15:42:33 | 日々のこと
古森重隆氏の<魂の経営>の中に、優れた企業とリーダーとの理想に関して述べています。

・変化の激しい21世紀に勝ち続ける企業は、変化にすばやく、うまく対応できる企業であり、そこからさらに進んで、変化を読み、先取りできる企業は、ベターの企業である。

・ベストの企業とは、自分で変化を作り出せる企業になることだ。新しい仕組み、新しい製品、新しいアイデェアを提供し、新しい価値を生み出し、世の中を変えていく。しかも、そうした製品を、絶えず生み出していく企業。

・企業には、競争の根底には<社会に貢献する><国家のためにやる>という使命感が求められる。<勝つ>とは、<克つ><打ち克つ>という意味だ。<打ち克つ>とは、自分との戦いだからだ。勝つことは、重要ではなく、ただ<勝つ>のではなく、<賢く、正しく、強く勝つ>、<克つ>ことが重要である。

・社長になって、その間ずっと考えていたのは、<会社のために何ができるか><どうしたら会社にとって一番いいのか>ということだった。<自分のために>ではなく、<会社のため>ということをいつもプライオリティにした。オーナーシップを持って、自分の仕事に取り組めているか、自分は会社に貢献しているか。いつもそのことを自分に問いかけていた。

・そうした使命感こそ、自分のモチベーションを高める最大のトリガーだと私は考える。そしてそれが、人を大きく伸ばすのだ。

企業が世の中を変える使命感、企業が社会に貢献する使命感、自分が会社に貢献する使命感。これらの使命感を果たそうとした行為こそ、古森重隆氏を名経営者にした原動力です。

古森氏のように第二次世界大戦を経験した人は、骨太の考えを持っています。
戦後生まれの人は、どうしてもひ弱です。この点を私は十分反省して、高邁な使命感を持つことを私も見倣わねばなりません。

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富士フィルムの敏腕経営者 古森重隆氏の<魂の経営>を読んで

2013-12-18 12:38:01 | 日々のこと
写真フィルムの販売が劇減し、米国のコダックは倒産しました。しかし、同業の富士フィルムは見事に不死鳥のように生き返って、現在も業績は好調です。これは、古森重隆氏の類い稀な経営手腕によるものです。正に、富士フィルムの救世主です。古森氏はサラリーマン社長にも係わらず、ご自分の考えをメディアで発表しておられ、私が常々尊敬している方です。

この古森氏が指導した富士フィルムの再建劇を、<魂の経営>という本で語っています。期待に違わず、素晴らしい内容です。

経営者としての胆力を、古森氏は次ぎのように披露しています。

<100回決断する必要があれば、100回とも絶対間違えない覚悟で決断を下した。そして、一度決めたことは、結果がでるまで断固として、それこそ周囲を引きずってでも実行してきた。そのことが、結果として現れたのだ。>

有事に際してリーダーのすることを、次ぎのように集約しています。

1.読む 先ず自分たちの置かれている現状を読む。次ぎに、今後どうなるか将来について、読む。将来を極力正確に予測する。

2.構想する 現状と将来を読むことができたら、それをもとに、<どこへ向かうか><何をするべきか>を考え、具体的に作戦やプランに落とし込む必要がある。

3.伝える 危機に際し、経営者の強い意志を社員全員に伝播させ、危機感を共有し、社員一人一人に強い自覚を持たせなければならない。伝えるべきは、<何が起こっているのか>、<これから何が始まるのか>、<何をしなければならないのか>、<どこへ向かうのか>などを、的確に為すべきである。

4.実行する 決断したら、やり遂げる。実行が伴わなければ、<読み>も<構想>も意味がない。先頭に立ち断固としてやり抜くのだ。

危機に際しての経営者とは、戦争の最前線の指揮官と同じです。的確な判断をしなければ、部隊は全滅します。部隊を勝利に導くためには、普段からの研鑽が必要です。その秘訣も披露しています。

体育会的な体力と戦略的発想と実行力を、私も養う必要があることを痛感しました。

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羽生善治氏の<迷いながら、強くなる>を読んで

2013-12-11 11:56:46 | 日々のこと
将棋棋士の羽生善治氏は、対局で忙しいはずにも係わらず、定期的に著作物を発表しています。私がマークしている作家ですので、新聞で新刊が宣伝されると、急いで買い求めています。期待に違わず、<迷いながら、強くなる>も内容の濃い本で、彼の発想を学ぶことができます。

将棋の天才であっても、日々迷っている姿を曝して、その解決する発想を披露しています。

迷いの中で生きていくためには、
1.自分の基準を持つ
2.思考を磨く
3.ものの見方を変える
4.壁を越える
5.勝負感をつける
と、具体的に述べています。

天才でも、恐れることがあると知り、凡人である私は少し安心します。しかし、羽生氏の恐れへの対応がやはり非凡です。発想の次元が違い、驚きです。恐れを恐れないと、むしろ楽しめ、向上のための刺激剤に考えろと言っています。

<恐れとはスパイスや調味料みたいなもの>
<自分のタイプに合った恐れを経験していくのがいい>
<必要は発明の母>なら、<恐れは発明の父>と言ってもいい

恐れに中には深みもコクもある。このスパイスを<刺激が強いから>と、捨てるのではなく、適量に上手に使いこなしていくのが、快適に楽しく暮らす方法であると思っている、と断言しています。

確かに、恐れるから、迷いさらに不安になります。恐れを、人生や生活へのスパイスと考え、適度な刺激と感じて、日々刺激を感じていると次第に刺激も減っていくでしょう。

<恐れはスパイスみたいなもの>。いや、<恐れも迷いも不安も、全部スパイスみたいなもの>、と念じて、生きていきたいと思った次第です。失意泰然と同じですね。

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永世竜王の渡辺明氏の<勝負心>を読んで

2013-12-04 13:12:51 | 日々のこと
永世竜王の渡辺明氏は、弱冠29歳です。最近竜王を失冠しましたが、9連覇をしていて永世竜王です。現在、王将と棋王の2冠です。渡辺氏の<勝負心>を読みました。若いので、極めて率直な表現が多く、分かりやすい内容です。将棋の世界の紹介もしています。

・将棋の世界では<不調も3年続けば実力>という言葉があるが、私のとっては<調子の良し悪し>などはない。すべて実力だ。

・<プロの棋士は研究が仕事、対局は集金>

・<自分にとっては消化試合でも、相手にとって重要な勝負こそ全力をつくすべき>。そういう勝負で頑張った棋士こそ、勝利の女神は微笑む。これは米長哲学として有名。

・苦しいときこそ、場の空気を変えてはいけない。トランプのババ抜きでジョーカーを引いたとしても、平然としていなければならないのと同じだ。むしろ胸を張るぐらいがちょうど良い。

・プロ棋士にとって最も精神的に厳しいことは、<負けても次ぎの対局に向けて勉強しないといけないこと>

・もちろん努力は必要。そのうえで、努力していることを楽しめている人が一番強い。

・熱意こそ、才能である。将棋で言えば、将棋の研究に時間をかけられる熱意こそ、才能である。

・自分の限界を勝手に決めていたが、人間は気の持ちようで進化できる。伸びしろは増えるものだ。

・失冠した時、必要以上に気を遣われるようになると、その時こそ、落ち目である。

勝負師にしては、渡辺氏は少し率直に胸の内を披露し過ぎのような気がします。まだ若いということですかね。

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