岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

小説 上杉鷹山を政治家は読むべき

2012-09-17 14:12:33 | 日々のこと
珍しく小説を読みました。竜門冬二氏の小説 上杉鷹山です。

上杉鷹山とは、出羽米沢藩に婿養子に入り、破滅的な藩の財政を立て直し、殖産産業の育成に尽力した経世家として著明です。江戸時代で、それも東北地方の小大名で、武功もありません。華々しい活躍に欠け、歴史に埋没しまねない存在です。私も詳しく知りませんでした。

しかし、J.F.ケネディー大統領が上杉鷹山を尊敬していたと知り、驚きでした。尊敬していた理由が、<心身障害者の妻を限りなくいたわり、その愛情を藩政全般に敷衍していたことを、知ったため>と記してします。

当時の米沢藩は、今の日本と似ていて、財政赤字に苦しみ、商人からの借金も難しくなっていました。通例であれば、増税を手段とし年貢米を増し、一段と農民を苦しまることになります。しかし、彼は生真面目に節約に努め、年貢米を上げることなく、開墾して米の収穫量を上げ、殖産産業を育成し米作以外の産物を奨励し、農民の収入増加を図ります。

改革派の担い手には、能力はありながら左遷されている若いアウトローを抜擢し、改革案を作らせます。一方で、当時としては極めて民主的な方法で、改革の抵抗勢力を政治的に追い詰め、改革派に藩の実権を握らせて、藩政改革を実施していきます。

政治に改革はつきもので、危機的な事態であるほど、問題点を絞った改革案が必要です。どんな改革にも抵抗勢力がいるのは、世の常です。その勢力を駆逐するのは、トップの高い志と実現可能性のある具体的な改革案です。

自民党も民主党も新しいリーダーを選ぶ時期です。どの方にも、日本を取り巻く事態への危機感が不足し、具体的な改革案がないのは、全く残念です。日本のリーダーに政治的な魅力がないのは、何故でしょうか。

マニフェストに書いていないのに消費税を上げて、さらに予算の節約は全くしていません。政治家のみなさんは、この小説 上杉鷹山を読んで、政治家の心意気を学んでほしいと、痛切に思います。

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コメント
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