岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

宮崎駿監督:プロの引退劇を見て

2013-09-07 10:52:54 | 日々のこと
最新作の<風立ちぬ>の公開前から、宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーがマスコミに何度も出演していました。てっきり、マスコミを利用した映画宣伝とばかり私は思っていました。しかし、実際は計算された引退劇の演出だったことに、今になって気付きました。9月1日の監督の引退発表は、<風立ちぬ>を出品しているベネチア国際映画祭の会場でした。9月6日には宮崎駿監督が引退の記者会見を開きました。

宮崎駿監督が<風立ちぬ>の制作時から引退を決意していたという視点で、もう一度<風立ちぬ>公開前に宮崎駿監督が出演したインタビューを見てみました。既に、引退を決意する心境を吐露しています。昨日の引退会見からも、宮崎監督とプロ意識を学べます。

<映画監督に未練があるうちに、止めるよ。>

<あと3ヶ月で73歳になる。・・・今までの延長上には自分はないだろうと思う。>

映画のプロ意識の垣間見せています。新しいストーリーで、感動を与える映像を作る苦しみです。

<僕は終わりまで分かっている作品を作ったことがない。見通しがないまま制作に入る作品ばかりだった。辛かった、としか言いようがない。最後まで見通せる作品は、僕が監督をやらなくてもいいと思って企画やシナリオを書きました。>

<監督になって良かったと思えることは一度もない。でも、アニメーターになって良かったと思えることはある。・・・でも監督は最後に判決を受けなければいけない。これは、胃によくない>

映画のヒットを過剰に期待される、その人気監督の両肩に掛かる重圧を率直に語っています。

生涯現役という考え方もあります。高齢になっても、専門の道で日々精進されている方も多いです。

しかし、宮崎駿監督の場合、達成感を持ちながら余力のある間の引退表明です。笑顔での引退劇で、涙や悲壮感や疲労感を感じさせません。さわやかな引退劇で、計算つくされた演出を感じます。ご自分の引退さえも、劇的に演出するのは映画監督という職業柄でしょう。否が応でも、<風立ちぬ>をはじめ、監督の作品に注目が集まります。

個人的な興味としては、彼の内面の創作に係わる苦悩を伺い知れる本を書いてもらえると、有り難いと感じますが。

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