岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

日立の元会長 川村隆氏の「指導者が備えるべき能力」

2015-10-26 18:15:41 | 感動した書籍
日立製作所の元会長の川村隆氏の「ザ・ラストマン」は、大手企業のサラリーマンらしい紳士的な人物が、理詰めで業績を回復させた経緯を丁寧に描いた本です。どん底の業績を奇跡的に復活させた指導者の戦略・戦術が体系的に列記されています。サラリーマン経営者の名著であると思います。

ザ・ラストマンとは、最後に責任を取ろうとする意識のある人、という意味です。アメリカのトルーマン大統領が述べている<The buck stops here.> 「ここで責任はとまる。責任の転嫁はしない。仕事の最終責任は私にある」というのと、全く同じです。」

責任を取るには覚悟や勇気が必要ですし、その決断が誤っていたら職を辞さなくてはなりません。一つひとつの決断に決死の覚悟が必要なのです。

指導者としての心構えを、いろんな角度から表現しています。

江戸時代の禅僧鈴木生三の「指導者が備えるべき能力」の要旨を紹介しています。

1.先見の明がある。
2.時代の流れを的確に読める。
3.人の心をつかむことができる。
4.気遣いができて人徳がある。
5.自己の所属している共同体、組織全体についての構想力を持っている。
6.大所高所から全体を見渡せる力量を持っている。
7.上に立つに相応しい言葉遣いや態度が保てる。

これらに、川村隆氏は実行力の大切さを追加しています。
8.従来の慣習や柵にとらわれないで、痛みを伴う厳しい対策をきちんと実行できる、そういうぶれない覚悟を持つ。

最後の、ぶれないで実行できる力こそ、川村隆氏の本領であると感じました。そうでなければ、日立は奇跡の復活劇を果たすことはありませんでした。

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