日本語は難しい

井上ひさし氏をご存知ですか？劇作家で、2010年4月9日に亡くなりました。没後1年して出版された＜日本語教室＞と読みました。私の習性として、亡くなった著名人の本を読みます。著名人なのに、その人の作品を読んだことがないという自分が情けない。こう思う気持ちがあるから読むというのが、偽らざる気持ちです。

講演を書き下ろしたので、話し言葉で書いてあり、分かりやすい本です。しかし、中身は濃厚です。その中から、普段何も疑問に感じずに使用している数字の読み方を紹介します。漢語と大和言葉についての説明の例です。

学生に一から十まで数えてくださいと、井上氏がお願いします。
＜イチ、ニイ、サン、シー、ゴー、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ＞
井上氏が、逆に、今後はジュウから下ってみてくださいと言います。
＜ジュウ、キュウ、ハチ、ナナ、ロク、ゴー、ヨン、サン、ニー、イチ＞

上っていく時は、＜シー＞ですが、下っていく時は、＜ヨン＞です。上っていく時は、＜シチ＞ですが、下っていく時は、＜ナナ＞です。上がっていく時は漢語で言えたのに、下っていく時は大和言葉で言っていると指摘しています。

＜普通、上るのをいつも言っているのですが、下ることはあまりしないでしょう。そこで、（日本人としての）本性が現れます。こういうふうに、私たちはもう区別できないぐらい、無意識に的確に漢語と大和言葉を使いこなしているのです。＞と述べています。

大和言葉では、＜ヒトツ、フタツ、ミッツ、ヨッツ、イツツ、ムッツ、ナナツ、ヤッツ、ココノツ、トオ＞となります。日本人は器用に使い分けています。たかが数字なのに、日本語には何通りも数えた方があるのかと思うと、全く不思議です。

　

トップセールスの極意

ある住宅メーカーの敏腕営業マンから聞いた、営業の極意についてのヒントの抜粋です。

住宅とは、高額な商品です。しかし、その商品に関しての知識や機能などに関して、一般人には専門知識がないにも係わらす、買うか買わないかの決断をしないといけません。悪い商品を売る営業マンが、＜商品が優れている＞と売る行為は、詐欺やペテンとなります。また、商品の価格が、値段相応かどうかも、素人にはわかりません。良い商品を売る営業マンが、良い営業マンであれば売れますし、悪い営業マンでは売れません。その差が、セールスの極意です。

トップセールスの極意とは。
＜物を売る前に、人を売れ＞　営業はとかく物を売ることを優先しやすい行為です。しかし、営業の前に、営業マンは先ず自らの人格を知ってもらい、信頼を得ることが大切です。お客さんの信頼を得られれば、その後に物が売れるという順番であるということです。

＜物を売る前に、専門知識を持ったアドバイザーであれ＞　お客さんのニーズを聞き出し、ニーズを満たす知識や商品の提供をして、満足度を上げることのできる専門家でなければなりません。その際に、何か新しい発見をしたという驚きをお客さんに持ってもらえることが大切です。その驚きを感じることを切っ掛けに、営業マンがアドバイザーに昇格して、お客さんの信頼を得ることができるようになります。

良い商品であっても、売るための手順に沿っていないと、売れません。売れるとは、地道な努力の賜物ですね。

アヤメが綺麗な季節になりました。

　

患者さんの＜感激の声＞

ある患者さんの、＜喜びの声＞です。ブラケットを撤去し、リテーナーを付けた後、少し興奮した状態で、語り始めました。

先生、見違える程綺麗になったね。嬉しい。もう、出っ歯て言われないね。

ブラケットが付いている時は邪魔で、歯磨きも面倒くさかったけど、リテーナーて、付いているか付いていないか、全然分からないし、違和感ないし、これなら一生付けていられるね。私、一生保定するね。

今日矯正装置が外れると友達に言ったら、いろんな友達から酒を飲みに行こうと誘われて、しばらく宴会が続いて忙しいよ。装置が付いている時は、食べ物が装置に付くので、飲み会に一切行かなくなったけど、今日から飲み会が解禁だ。うれしーい！・・・・

まだまだ語っていました。感激している患者さんの話を聞くのも、私にとっても楽しい一時でした。こういうのを、矯正歯科医の冥利に尽きる、というのでしょう。

　

震災でタバコを止めました？

＜私は、これでタバコを止ました＞というＣＭがありました。タバコを止めるのは、大変難しいことで、本当に試練です。タバコを吸うとは、ニコチン依存症という立派な病気ですので。ニューヨークでタバコを値上げし、1箱1000円程度にしたとの報道はありましたが、愛煙家が減ったとは聞いていません。厳しい現実です。

東日本大震災で2カ所の工場が被災し、日本たばこ産業（ＪＴ）の製造するタバコはコンビニでは入手できません。好みのタバコを手に入れることがないので、我慢しようとか、止めようとか、思わないようです。似たような銘柄で代用する人が多い結果、ＪＴの製造するタバコはコンビニからほとんど全ての銘柄が姿を消しました。

お陰で、外国製のタバコが売れているそうで、将に神風が吹いている状態です。ＪＴのタバコがないうちに、せっせの輸入し店頭に並べて販売できているようです。コンビニの店長も売上げが落ちたと、嘆いています。ＪＴも漸く銘柄を絞って生産体制を整え、主要銘柄の出荷は再開したとの報道がありました。しかし、まだ焼け石に水の状態で、なかなか行き渡らない状態です。

＜震災でタバコを止めました。震災で愛煙家が減りました。＞これは、夢ですかね。

　

子育ての極意

『「考える力」が育つ最高の習慣』という題名を見て思わず買ってしまったのが、「ＰＨＰのびのび子育て」という雑誌です。対象は、乳児の子供を持つ母親です。良い躾けをするためのヒントが書いてあります。自分の息子が高校生と大学生になっているので、今さら子育てでもないと思いながら、興味の湧く題名でした。

子供への刺激の与え方は、命令ではなく、励ましや承認の言葉などが必要ということが、この雑誌の結論です。

＜悪い例＞
・○○をするのが当然でしょう！
・○○しなさい
・だからあなたはダメなのよ。
・どうしていつもそうなの？
・そんなことでそうする！
このような言葉は、やる気や自発性を生まず、自分への信頼感や自信を失います。

＜良い例＞
・すごいね。いいね、その調子。：励ましや承認の言葉
・どうしたい？どうなりたい？：こどもの気持ちや考えを引き出す質問
・一緒に○○しようよ！○○の時間だよ！：促し、背中を押す言葉
このような言葉が、子供のやる気を引き出し、自発性を育てます。

幼児は、親が命令しても従うことは少ないですよね。当たり前ですよね、正しいという理屈が分からないのですから。子供への刺激とは、外側から押しつける操作ではなく、内側から引き出す操作です。根気のいる仕事です。直ぐに結果を求める短気な私には、難しい事業です。