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和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

あとがき。

2010-05-08 21:58:54 | いつもの日記。
「Imitation」でした。

・・・ぶっちゃけ、こんな話を書く気はさらさらなかったんですけどね?
本当は、こないだ言った通り青春モノを書く気だったんです。
で、色々考えて、色々弄って、ごにょごにょした結果こんなことに・・・。
おっかしいなー?
やっぱり僕には青春モノは書けないということでしょうか。
いや、そんなことはない。そんなことはないぞー。

内容的には、弄りまくった結果よく分からないものになったかも知れません。
ラノベではないな、さすがに。
ま、ごく小粒な話なのであんまり言うこともないですね・・・。
感想に困る、いつもの感じに仕上がってるかと思います。ふははははー。
コメント (2)
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Imitation

2010-05-08 21:55:17 | 小説。
研究室のパソコンに向かったまま、気が付けば居眠りしていた。
いけない。今日中に、教授の行った実験データをまとめておかないと。
僕は頭を振って無理矢理に目を覚ます。
そして、奇妙なことに気が付く。
――真夜中だというのに、蝉が五月蝿く鳴いていた。
季節は夏。
とはいえ、夜中23時に響き渡るその声は異様で、どこか不気味ですらあった。
いやいや、そんなことよりも。
教授の大量かつ乱雑なメモを、表計算ソフトに入力していく。
手を抜くことなどできない。これが、僕の卒業論文の材料となるのだから。

「まだ、残っているのかね」
研究室のドアが開き、教授が顔を覗かせる。
「あ、はい。もう少しで終わりますので。明日の午前中には完了します」
「そうか。助かるよ」
言って、穏やかな笑みを浮かべた。
「いえ、僕の卒論にも直結する内容ですし」
「ああ、そうだったね」
教授は60歳ちょっとくらいの細身の男性だ。
白髪を隠すように帽子を被っており、今日はもう帰宅するのだと告げていた。
実に優しく、誠実であり、紳士的な人だ。
だけど、僕は知っている。
――この実験データが、一部捏造されていることを。
僕の卒論テーマは、教授が行っている大きな研究のごく一部だ。
しかし、だからといって全体を全く知らないわけではない。
僕の守備範囲を超えていても、少し調べれば数値の矛盾くらい気付く。
逆に言えば、専門家の端くれである僕でも、調べなければ気付かないということ。
結果だけを記し、ごまかすようにプレゼンしてしまえば、きっと誰も気付かない。
「しかし、いくら若いと言っても無理しちゃイカンよ。キリの良いところで帰りなさい」
「ええ、でも、本当にもう少しですので。大丈夫です」
「そうかい。いや、熱心な学生がいて、僕も助かるよ」
教授は、上機嫌だった。
それもそうだろう。このデータを纏めてしまえば、ゴールは見えてくるのだ。
長年の研究が、ようやく一段落するということだ。
「ところで、先生」
「どうした?」
「このデータ、僕の卒論にそのまま引用させて頂いても、構わないのですよね?」
「ああ、勿論だ。全て合わせて、僕らの共同の研究なんだからね」
そう、これは僕と教授の共同研究という位置付けになる。
と、いうことは――。
僕も、捏造の片棒を担いだことになるわけか。
「そうですか。ありがとうございます」
嘘のデータを裏付けとして、嘘の功績を発表する。
なに、そんなに大げさな嘘じゃない。
せいぜい、裏付けのデータの、ごくごく一部を脚色するだけだ。
大局には大きな影響はない。
だから僕は、それ以上深く関わらない。
気付かなかった。
僕は何も気付かなかった。
それで良いのだ。
それで、僕は学士の資格を得ることができるのだ。
ただほんの少し――目を瞑るだけで。

「ああ、それと」
再び僕は、教授に声をかける。
「ん?」
「蝉」
「セミ?」
「五月蝿いですよね。こんな真夜中なのに」
ああ、と得心したように教授は笑った。
「まったくだ、五月蝿くてかなわんね」
「なんでこんな時間に鳴いてるんでしょうね?」
「ああ。そこの中庭に、灯りが立っているだろう? アレのせいだよ」
灯り――。
僕は、研究室の窓から中庭を見下ろす。
確かに、そこには明々と街灯が輝いていた。
「光が強すぎて、蝉は昼だと勘違いしているだろうねぇ」
「なるほど、あの街灯は、偽物の太陽ということですか」
「そう、偽物だね」
それじゃあ、僕は帰るから。
そう言って、教授は去ってしまった。
偽物――ね。
僕は再び、中庭を見下ろす。
蝉は五月蝿く鳴き続けている。
偽物の太陽に、気付いているのか、いないのか。
お構いなしに、ただ鳴き続ける。
まぁ、そういうこともあるだろう。
そして僕は、データの入力作業に戻る。
さて、このデータは本物だろうか。
そんなことを思うも、検証することはやめにした。
正直、僕としては卒業できればそれで良いのだ。
嘘に気付いても、気付かなくても。
それはどっちでも、同じこと。
いざとなれば知らぬ存ぜぬを通せば良いだけのことだ。
だから僕は、機械的にキーボードを叩き続ける。
嘘も、本当も、全てありのままに。

いつしか、蝉の声は気にならなくなっていた。
作業は予想以上に捗り、日付が変わった頃には研究室を出ることができた。
さあ、これで――僕の卒論も、安泰だ。
卒業後の就職先も決まっている。
それなのに。
何故か、胸の奥には、寒々しい虚しさが澱のように溜まっていた。
僕はそれにも目を瞑る。
そう、僕は、何も、気付かなかった。
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スカウトだってさ。

2010-05-08 11:20:16 | いつもの日記。
ネットの転職サイトに登録していると、たまにスカウトメールが届きます。
公開している僕の経歴等に興味を持った企業側から、スカウトしたいというものですね。
で、今日久々にそのスカウトメールが来てヒャッホウとか思ったんですが。

相手が、以前仕事上の面談を受けた会社でした。

体調がまだ良くない時期で、
「まだ鬱病完治してないからやっぱやーめた」
ってドタキャンしたところだから気まずくてしょうがない。
しかも、その時にちらりと内部事情を知ることができたんですが、土曜出勤とかある。
いや、仕事が忙しくて・・・とかじゃなく。
定期的に、土曜に自社出勤してミーティングとかするっぽい。
それ何かすげー嫌だなぁ・・・。

そんなわけで、受けようかどうしようか迷っています。
スカウト自体は有り難いし、嬉しいんですけどね。
しかし、スカウトしてくるってことは案件はあるのかな?
以前スカウトしてきた会社はやっぱり案件がなかったらしく、意味不明だったんですが。
案件があるなら、案件だけ頂戴って感じなんですけどね。
で、その案件を持って別の会社に就職すんの。
それがベストかなー、と。
まぁ、待遇次第ですけどねぇ。
ちょっと迷ってます。一旦保留かなー。
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