和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

【萌えサスペンス】なかはん!(5)

2012-10-15 17:13:01 | 小説。
「取り敢えず、荷物もありますし先に部屋割りを決めましょう」
椿が言って何やら一枚の紙をテーブルの上に広げた。
そこにはこの別荘のものと思われる間取りが記されている。
見取り図、というやつである。



「今私たちがいるのがロビー、部屋はお母様の研究室を除いて5部屋あります」
見取り図の部屋には①から⑤まで数字が振られている。
奥の何も数字が振られていない大きな部屋が、先生の部屋なのだろう。
「1号室は茅原さん、豊崎さん、遠坂さんが既に使っています」
露天風呂、キッチン、トイレに一番近い部屋だ。
メイドの皆さんが使うには便利そうだ。
「2号室は藤井さん、尾道さんが使用中です」
こちらは研究者用の部屋、ということになるだろうか。
これで二部屋は使用中、残り三部屋の割り振りということになる。
「5号室が客室としては一番大きいので、柊お姉ちゃんの一家で使ってください」
「分かったわ」
頷く柊さん。
「3号室は私と桜お姉ちゃん、楓お姉ちゃんで使わせてもらいます」
「はいはーい」
「・・・・・・」
ん?
と、なると。

「孝一くんと香菜さんは、4号室を使ってください」

「ちょ、待って待って」
「はい?」
きょとんとする椿。
「何か問題が?」
しれっと抜かしやがるぜ・・・!
「僕と香菜が同室なのか? それは、こう、まずいだろう?」
「恋人同士が同室なのは普通じゃないんですか?」
「恋人同士じゃねえっつってんだろうがよ!」
ああもう、こいつは話を聞かない子だな!
何回釈明すれば理解してくれるんだろうか。

「僕と香菜は、こ、恋人とか、そういう感じじゃねえんだよ!」
「でも、仲良しですよねえ?」
「仲がよくても違うもんは違うの! ただの先輩後輩だから!」
「私聞いたことがあります。男女の間に友情は存在しないとか」
「俗説だ! 個人差があります!」
ええい、どんだけ強固に思い込んでるんだコイツは。
と、僕がどうしたものかと頭を抱えていると。
「コーイチ先輩。あたし、その、先輩と一緒の部屋でも・・・いいっスよ」
おずおずと、香菜がそう言った。
「いや、でもだな・・・」
「先輩は、嫌っスか?」
「い、嫌じゃないけど。まずいだろうっていう話で」
「じゃあ、問題ないっスよ。お互い嫌じゃないなら、大丈夫っス」
そ、そんなもんか・・・?
でもまぁ、香菜本人がそう言ってるんだし、何も問題ないのか・・・?
何だかもう、頭が混乱して自分でも何が何だか分からなくなってきたぞ。
「べ、別に、そんなんじゃないっスからね? 部屋が限られてる以上仕方ないから!」
そんなツンデレ台詞を吐いて、香菜はふいっとそっぽを向くのだった。
「うふふ。それじゃあ、お話もまとまったということで」
椿が何故か嬉しそうに笑いながら言い、一旦解散となった。

部屋は二人には随分広い、十分なスペースが確保されていた。
ベッドが二つと小さなテーブル。
外観などの豪華さと比べればいくらか簡素ではあったが、質素ではない。
チープではなくシンプル。
そんな、いい部屋だった。
・・・と、言い訳のようなことを考えていないと持たない。
僕の心臓が。

えー。だって、どうするの?
あの香菜とはいえ、女の子と同じ部屋だよ?
どきどきどきどきどきどき。
い、いい、意識しすぎだっつーの。
はん、相手は香菜だぞ。何か起こる可能性もねえよ!

「コーイチ先輩」
「ひゃい!?」
だめだ、テンパってる。香菜の一言にまともな反応もできなかった。
「せ、先輩まで緊張するのやめてくださいよー。も、もぅ」
「緊張なんかしてねーし?」
変なものを見る目で睨まれた。反省。
「とと、とにかくっ。あたしお風呂入ってくるっス!」
と言って香菜は逃げるように部屋を出ていった。
言い逃げだ。
ふう、とひとつ溜息をついて、ベッドにダイブ。
疲れた。

結局そのまま僕は寝てしまった。
夜中に目が覚めたが、香菜は何事もなく隣のベッドで眠っているようだった。
一度トイレに行って、ああもう何してんだろうと思いつつ、もう一度寝た。
だから僕は、気付かなかった。
何も、気付かなかった。

次の朝。
小鳥遊出雲さん――先生の旦那さんが、ロビーで死んでいた。
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雑記。

2012-10-15 04:44:45 | いつもの日記。
うっかりiPhoneのアプリ全消しして一日。
全然困らない。
必要なものは適宜落とし直してるんだけど、その数もすげー少ない。
画面超すっきり。
これはこれで快適かもしれない。
あ、ただ、グーグルマップ使えないのはキツイわ。
Safariから使えばいいんだけどさ。

小説書いてねえな。
PCも復旧したことだし、なかはん! の続き書かなきゃ。
ニーズはあるのか不明だけども!
いいんだ、僕の作品は、僕が楽しめればそれでいいんです。他に基準はない。
えーと、今のところ四話目までアップ済み、五話目まで執筆済み、だったっけかな。
そうそう、殺人トリックをいい加減考えないと進めないんだった。
何という後付け。
犯人が当初の予定から変わる可能性だってあるぜ!
酷いな。

あまんちゅ! 5巻読了。
珍しくダイビングしてた!
ダイビング漫画なんだから、ダイビングしないとねー。
それでいて、日常回もしっかりやってました。
これくらいのバランスが一番いいんじゃなかろうか。

そう言えば、グッドルーザー球磨川上巻も読了してました。
いやー、おもしろかったぜ。
やっぱ、めだかボックスは球磨川が活躍してナンボみたいなところあるよね。
こいつ、ホント何でもありで面白いです。
これまでの小説版より、圧倒的に面白かったと思うよ。派手だしね。

小説置き場の方を全然更新してなかったな。
感想でも書いて誤魔化しておこう。
なかはん! しか書いてないから更新のネタがないんだよ。
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