和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

大人になってからの方が楽しめるって、素敵やん。

2009-03-10 21:21:06 | いつもの日記。
この春スタートのアニメで見る予定のものを以下に記載。
覚書とも言う。
尚、あくまでも自分用なので放送局や時間は福岡基準です。


「涼宮ハルヒの憂鬱」
04月04日(土) 26:40~ (TVQ)

「鋼の錬金術師」
04月05日(日) 17:00~ (RKB)

「ハヤテのごとく!」
04月06日(月) 26:23~ (TVQ)

「咲-Saki-」
04月07日(火) 26:23~ (TVQ)

「けいおん!」
04月18日(土) 26:45~ (RKB)


「初恋限定。」はBSなので見れず。ちっ。
でも、それ以外の見たかったやつは全部コッチでも見れそうです。
うん、十分十分。

本当は、「夏のあらし!」とか「戦場のヴァルキュリア」とか気になるんですけどね。
さすがにそこまで見てたら大変だ・・・。
つーか、今期は既に十分に大変です。
土×2、日、月、火ですよ。
「ワンナウツ」はまだ続くのかな?だとしたら更にえらいことに。
「絶対可憐チルドレン」は・・・終わるよね?さすがに・・・。

でも、良く考えてみたら今でも結構見てるんですよね。
上の2作に加えて、「ソウルイーター」「夜桜四重奏」「みなみけ おかえり」「BREACH」
・・・くらいかな。
うん。なんだ。結局ほとんど増えてないじゃん。

しかし。
こうやってみるとまるで僕がアニメオタクかのようだね!

・・・しょうがないじゃないですか。
だって、最近のアニメ凄いんだもん。
僕が子供の頃見てたのなんて、精々ドラゴンボールくらいでしたよ。

よく「アニメは昔の方が良かった」とか言う人がいますが、僕は断然今のアニメが好きです。
絵も音もキレイだし、声優さんの演技も昔より良くなってるように思います。
ハンコ絵?それの何が悪いの?安定してキレイだし良いじゃん。みたいな。
この時ばかりは、高いTVを買ってて良かったと思いますね。

そんなわけで、今から楽しみで仕方がないのでした。
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原作はあくまでもベース。

2009-03-09 23:35:23 | いつもの日記。
劇場版「空の境界 第一章 俯瞰風景」、例によって半額レンタルで見ました。
原作は未読。
というか、最初の5ページか10ページで挫折しました。
奈須きのこは性に合いません。
でも、絵とかあらすじの雰囲気は何か好きだったので、アニメなら良いかなと。

で、実際スゲー良かったです。
音楽とか、画面とか、ほとんど文句なし。
戦闘シーンも超かっちょ良かったし!
廃ビルの雑多な感じというか、薄汚れた不気味な雰囲気が凄まじいですね。
そんな中で超人バトルするってのは、とてもトキメキます。

ストーリー・・・は、どうでも良いな。マジで。
良いんです、これは画面を見て、うおーかっけー!って思う作品だと思います。
逆に言うと、これを小説で読んで何が楽しいのか分からない。
式が和服+ジャケットでバトるのが良いんじゃないか。
あの顔で、あの声で、男言葉を使うのが良いんじゃないか。
文字で語られても、ねぇ?
僕は、アニメ版だけで満足です。
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分かった、「ヒロ」つながrいやそれはないな。

2009-03-08 17:37:13 | いつもの日記。
~Wikipedia「ひだまりスケッチ」の項より~

・コンピュータゲーム
「ひだまりスケッチ どこでもすごろく×365」
 アイディアファクトリーから2009年2月12日に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト。
 ゆのたちを操作して進めるすごろくゲーム。
 すごろくを進めるごとにミニゲームやイベントが発生、それを攻略することでポイントが得られ、
 イベントCGやボイスデータ、ムービーなどが手に入る。


> アイディアファクトリーから2009年2月12日に発売された
> アイディアファクトリーから2009年2月12日に発売された
> アイディアファクトリーから2009年2月12日に発売された


・・・何やってんの、アイディアファクトリー。
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和むねぇ~。

2009-03-08 15:49:27 | いつもの日記。
「ひだまりスケッチ」アニメ版、DVDレンタルで全部見ました。
いや、なんかこないだからちょくちょく半額セールやってるんですよ。
近所のレンタル屋。

しかしこのアニメは良いデキですね。
画面超キレーだし、声も合ってるし。
原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、アニメ独自の表現方法で作られてます。
もう、超和む。素敵すぎ。

2期の方も、いずれレンタルで見ようと思います。
・・・まだ旧作扱いじゃないから高いんだ、コレが。
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あとがき。

2009-03-07 14:29:15 | いつもの日記。
100%思いつき、天然素材のままお届け。
「訪問者」でした。

完全に、一発ネタですね。
いや、思いついたら、何か可愛いなコレ、とか思って。
ついカッとなってやってしまった。特に反省はしていない。

あと、何だか妙に「同僚」が可愛いなぁと思ってます。
すげー適当な口調でヘラヘラしてるいい加減なヤツだけど、何気に毎日
主人公よりも早く出社してるマジメ君。
情報も早いし、お前すげーよ、みたいな。

RUMORも書かずに何やってるんだか。
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「訪問者」

2009-03-07 14:14:29 | 小説。
仕事から帰って、晩飯を食い終わった頃。
自宅に備え付けられたインターフォンが鳴り、来客を告げた。
新聞か何かの勧誘だろうか、それとも訪問販売の類だろうか。
「はい」
僕は、室内の受話器からそれに応答する。
『夜分に申し訳ございません。今、お時間よろしいでしょうか』
・・・その言葉から、後者の方であろうと直感した。
「いや、訪問販売とか、結構ですので」
そう言って、手早く話を打ち切ろうとする。
しかし、相手も簡単には諦めない。
『いえいえ、普通の訪問販売とは違うのですよ。我々はモノでなくサービスを売る者でして』
「サービス?」
柔らかい男の口調に、ついつい興味を持ってしまう。
――それが、いけなかった。
『はい、我々は――殺人の請負を行っております』
「は・・・?」
僕の耳が悪いのだろうか。インターフォン越しだから聞き間違えたのだろうか。

殺人、と聞こえた気がするのだが。

『はい、殺人です。誰にでも、死んで欲しい人間がいるものでしょう?』
「何を、そんな無茶苦茶な」
『ええ、ええ。驚かれるのも無理はありません。何せ日本で我々1社のみですから』
「いや、いやいやいや。悪い冗談です。そんな話なら――」
『まあまあ、ものは試しということで。ひとりくらい、殺したい人間がいるのでは?』
料金は後払いで結構ですので、と男は付け加えた。

・・・ありえない。
荒唐無稽にも程がある。
どこの世界に、訪問販売の殺し屋がいるというのだ。

だが、そこで僕は不謹慎にも、少し面白いなと思ってしまった。
こんな冗談は嫌いではない。
少し、乗ってみるのも面白いんじゃないかな。

「そうですか・・・じゃあ、ウチの会社の部長を殺してください」
取り敢えず僕はそう言ってみた。
死んで欲しい人間と聞いて真っ先に浮かんだのが部長だったのだ。特に深い意味はない。
『はい、確かに承りました。では、死亡が確認された後に料金を頂きに参ります』
ではごきげんよう、と言って、男は去った。
バカな男だ。いや、バカというよりも詰めが甘いと言うべきだろうか。
部長の住所はおろか、僕の勤め先すら聞かなかったではないか。
もう少し手が込んでいても良かった気がするけども、まあ、冗談としてはなかなかだろう。
僕は、ひとり笑って、すぐにそのことを忘れてしまった。

翌日。
会社へ出勤すると、部長が死んでいた。

「よお、今日はマトモに仕事にならねーらしいぞ。あんまり急だったからな」
同僚が、ニヤニヤしながらそう言った。
「そんなバカな」
「あー、まぁ、人間死ぬ時はそんなモンなんじゃね?通り魔に一突き――らしいぜ。ブスッと」
へへへ、と今度は声に出して笑う。

そんな、バカな。

僕は昨夜の訪問者を思い出す。
あの男が、やったのか。
いや、男は「我々」と言っていた。直接手を下したのは他の人間かもしれない。
しかし。
僕は、たちの悪い冗談だと思っていた。暇人の悪ふざけだと思っていた。
本当に死んでしまうなんて、微塵も思っていなかったんだ!
「オイ、どーしたよ?顔色悪いぜ?部長なんか死んでも悲しくも何ともないだろーに」
同僚は、怪訝な顔でそう言った。
傍目に見れば僕も異常なのかもしれないが、こいつはこいつでダメだと思った。

その夜。
僕らは、カタチだけでもということで部長の通夜に参列した。
棺の中の部長は、間違いなく死んでいて。
だけど、どこか現実味がなかった。
ただ、頭が異常に痛かった。
早く帰って寝たいとばかり思っていた。

帰宅後。
帰りを見計らったかのように、インターフォンが鳴る。
僕は慌ててそれを受け――
「昨日の人ですね!?」
と、開口一番叫んでいた。
『こんばんは。ええ、昨日こちらに伺った者です』
「一体・・・どうなってるんですか!?貴方何か知ってるんでしょう!」
『ええ、ええ。お客様の上司が亡くなった件についてですね。
 勿論知っていますとも。我々が、キッチリと殺害致しました。死亡確認はされましたか?』
「そんな・・・冗談じゃなかったのかよ!!」
焦り、怯え、怒り、色んなものが綯い交ぜになって、僕は冷静さを失っていた。
ただただ、思うままに叫び続ける。
「本当に死ぬなんて、思うわけないだろう!殺し屋なんて映画や漫画の中にしかいるもんか!
 ぼ、僕は、そんな・・・本当に殺したいなんて思ってなかったんだッッ!!」
『おや・・・それは、困りましたね』
言葉の割に、男には困った様子はない。淡々と続けるのみだ。
『こちらの早とちりでしたか?』
「ああ・・・ああ!そうだ、僕は正式に依頼したつもりなんかない!僕は関係ないんだ!」
『おやおや、そうですか。それはそれは失礼致しました』
あくまでも冷静に、あくまでも軽く、柔らかく。
男は言う。

『それでは、クーリングオフ、、、、、、、ということで』

「・・・・・・は?」
『ええ、ええ。勿論お金は頂きません。契約は撤回――全て、なかったことに』
「いや・・・意味が。意味が分からない」
『今回は本当に申し訳ございませんでした。以後厳重に注意致しますので、ご容赦を』
ではごきげんよう。
それだけ言い残して、声は消えた。
――男が何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
だが・・・部長が死んでしまったことは、覆りようがない事実なのだ。
契約が撤回されたと言っても、そればかりは変わらない。
罪悪感だけが、重く重く、僕に残されていた。

そして、翌日。
僕は沈んだ気持ちのまま会社へと出勤する。
オフィスに入るなり――同僚が困惑した顔で、僕に声をかけてきた。

「なあなあ。ありえなくね?部長、なんか生き返ってんだけど」
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セブンスドラゴン。

2009-03-05 23:17:22 | いつもの日記。
DSの「セブンスドラゴン」というゲームが可愛くて仕方ない。
何だ、このチビキャラ。
ツボすぎ。

どうも、制作には「世界中の迷宮」のスタッフが関わっている模様。
更に、ゲーム雑誌を立ち読みしたところ、丁寧な作りの王道RPGだとか。
これはヤバい。絶対面白いって。

ってか、そんな内容よりも、チビキャラですよ。
公式サイトのムービーとか見ると、トキメキが止まらない。
特に、ネコミミのサムライがちょこまか斬りまくるのがたまらん。
良いなぁ・・・。
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ガチャピンの相方じゃない方のムック。

2009-03-03 20:13:25 | いつもの日記。
・・・何なの、この人たち。

いや、今日、ムックのニューアルバム「球体」を買ったんですよ。
前作「志音」がブッチギリで昨年一番聞いたアルバムだったので、
そりゃあもう期待も高まるというものなのですが。
でも、正直どっちかというと不安の方が大きかったんです。
これまでの経験上、すげーアルバムの後って、どうしても落ちちゃうんですよね。
大体どのバンドも、デビューから2、3枚目でベストなアルバムができて、
そこからは下降、よくても停滞するんです。

そんなわけで、不安と期待が7:3くらいの比率で聞いたのですが。
ここで、冒頭の感想になるわけです。

何でそこから更に進化するかな。

こう言っちゃ何ですが、伸びしろなんてもうそうそうないだろうに。
サウンドはより重厚に、メロディはよりポップに、歌詞はより深遠に。
全部が全部、見事にパワーアップしてます。
デビューしたての新人かよ!

確かに、その片鱗は先行シングル「アゲハ」「空と糸」の2曲から感じられる
ものではあるのです。
これまでのロック路線はそのままに、多少泥臭かったメロディはより洗練され
真っ直ぐな進化を見せ付けてくれました。
でも、だからってアルバム全体をここまで底上げしてくるポテンシャルって
どういうことなのよ?
Kenプロデュースがそんなに良いきっかけになったのかしらん。

いや、このアルバムは是非多くの人に聞いてもらいたい。
かなり広範囲の方々に受け入れられる作品になってるんじゃないでしょうか。
余程ロックが嫌いとか日本の音楽が嫌いとか歌謡曲メロが嫌いとかじゃなければ。

個人的には、今のところ
「咆哮」「ハイドアンドシーク」「陽炎」「レミング」「浮游」
辺りが好きです。

1曲目のインスト「球体」からの「咆哮」は、毎度お馴染みムックの先制攻撃。
アルバムのイメージをガッツリ伝えてきます。

「ハイドアンドシーク」はムックの王道とも言えるロックサウンド。
これぞムック!的な1曲。

そこから繋がる「陽炎」は一転してスローなロック歌謡曲。
サビメロの哀愁がたまりませんな。もはや演歌か。

そして、意外と珍しい字余りだらけの「レミング」。
メロディの邪魔にならない字余りは大好物です。

「浮游」はその独特なメロディが魅力。歌だけじゃなく、楽器陣も込みでね。
変化球のムックが楽しめます。

・・・と、予想外な出来に興奮冷めやらぬ感じですが。
このアルバムは良い。すげー良いですよ。マジで!
是非、一度。
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あとがき。

2009-03-01 20:00:37 | いつもの日記。
RUMOR SSショートストーリー第1弾、「ケイサン。」でした。
新たなシリーズを書いていたのですが(そして実際1話分はあがったのですが)、
今ひとつキャラの動きがカタい気がしたんですよ。

うーん、カタいというか、このキャラがこんなことするのは違和感が
あるんじゃないかな?とかそういう感じ。
あと、ついでに今までの総集編というか、ポイントのまとめをやっておいた方が
良いのじゃないかと。
作者もちょっとワケが分からなくなるトキがあるんで。

そんなわけで、メインストーリーを進める前に、短い話をちょいちょい入れて
キャラの掘り下げをやったり伏線の確認をしたりしようかと。
特に、主役であるところの小麦が、まだ弱い気が・・・。
ダメじゃん。
ま、正直僕がキャラを作り込むなんてそうそうできるわけがないんですがね。

あ、そうそう。
ショートストーリー、と銘打っていますが、番外編とはちょっと違います。
冒頭を読んでもらったら分かる通り、ガチで本編です。
ちゃんと前の話から時系列で並んでます。
なので、いつもの本編を短く切っただけ、と考えて頂ければ。
あと、小麦がコスプレしません。短編でコスプレ描写するのはめんどい。
・・・そこはどうでも良いとか言わないでー。
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RUMOR SS:01 - ケイサン。

2009-03-01 18:37:10 | 小説――「RUMOR」
「――いずれこの子に名前を付けたら、真っ先に報せよう」

夕月明は、そう言い残して去った。
いつも通り――放課後の部室にて、僕はひとり考える。
次、ヤツと例の黒巫女が現れた時、きっと再戦は避けられないだろう。
黒巫女の能力は凄まじいものだ。
もちろん、それを打ち破った小麦は更に凄まじいということになるのだが。
だからと言って次も同様に勝てるとは限らない。
何せ夕月は、「ロアを育てる」ことができるという。
それが嘘か本当か分からないが、小麦は更に強くなっておくに越したことはないのだ。
さて、ではどのようにすれば小麦を鍛えることができるのだろうか?

少年漫画よろしく、秘密の特訓でもするのか。
それとも、ゲームで言うところの「装備を変える」のか。

どちらも、具体的な方法が浮かばない。
特訓するにも、師匠なんていないからどう訓練するのか分からないし。
後者の方がまだ取っ付きやすい気もするが・・・先日の日傘ぶきはハマっていたと思う。
あれ以上の武器となると・・・。
「王道では刀。それにピストル、マシンガン等の銃火器ってところかな」
そんなもの、どうやって手に入れるというのだ。

そういえば、委員長――二条も、武器を使ってたな。
僕はふと、先日のマキオの件を思い出した。
委員長は、小さな剃刀(恐らくリストカット用)ひとつでロアを圧倒していた。
あの程度の武器は、通常ロアには通じない。
仮に通じたとしても、ロアが出血するところなど見たこともない。

そう、小麦の日傘も、本質的にこれと似ているのだ。
地面を圧し潰す、、、、ほどに叩きつけておきながら、曲がってもいなかった。
更には、黒巫女の必殺技を受けても破れるどころか焦げ痕すら残っていなかった。

有り得ない強度。
有り得ない現象。
有り得ない存在。
それはまるで、ロアそのもの、、、、、、ではないか。

「ハル君、お待たせっ」

不意に部室のドアが開き、待ち人がやってきた。
放課後は、部室で待ち合わせて一緒に帰るのが習慣と化している。
この台詞も、もう一体何度聞いたことか。
「今日はまたエラく遅かったな、小麦」
・・・自然と、自分の口調が厳しくなっていることに気付く。
「うん、ちょっと体育館裏で『首だけお化け』をやっつけてきたのだ」
そんな僕などお構いなしに、得意顔で報告する小麦。
「3年生の間で噂になってるヤツでね、首だけでフワフワ浮いてるんだよ。
 傑作なのが、首から上だけなのに律儀に仮面をつけてて――」
僕は、その内容に・・・つい。
「――お前、何でそんなこと僕に言わずにやってるんだよ!?」
バン、と手近な机を掌で叩きつけ、叫んでしまっていた。

正直僕は、イラついていたのだ。
分からないことが多すぎて。
自分に出来ることが少なすぎて。

「ついこの間、あの夕月ってヤローに絡まれたこと忘れたのか?
 アイツがまたいつ襲ってくるか分かんねぇんだぞ!」
「そっ・・・そんなの、速攻で返り討ちだよ!」
「お前、全ッ然分かってねぇだろ?あの黒巫女、絶対まともじゃないぞ。
 しかも更に強くなるって言うんだ。油断してたら小麦だって危ないかもしれないんだからな!」
「だ、だって!あたし――」
「だって、じゃねぇよ!気を抜いたらヤバいって言ってるんだ!」
「あ、あたし・・・・・・うぐっ・・・ふえぇ」
と、そこで、小麦は急に妙な声を上げて。

「ふぇええええええええええっ・・・!」

盛大に泣き出してしまった。
――しまった。久々に、やらかしてしまった。
僕の頭から一気に血の気が引いて、急激に我に返る。

小麦は強い。
それは単純に腕力・脚力という意味だけでなく、メンタルな部分も含めて。
多分、僕が知る人物の中では最強だ。
だから、時々、忘れてしまう。

昔は、信じられないくらいの泣き虫だったということを。
僕と接する時だけは、昔と同じくらいに脆くなってしまうことを。

もう10年以上も幼馴染をやっているのに、僕は未だに上手く小麦を捉えることができていない。
小麦はいつだって、ブレずに真っ直ぐ突き進んでいるだけなのに。

涙をぽろぽろとこぼしながら、小麦は泣き続ける。
僕は、どうして良いか分からず――10年以上経っても変わらず、うろたえるばかりだ。
「うっ、あ、あたしっ。強くなったもっ。もう、負げないもっ。負けないもんっ」
「あ、う・・・その、ご、ゴメン。言い過ぎた・・・」
「は、ハル君の、ばかっ。ばかぁっ。あほぉぉぉぉっ!」
泣きながら罵倒されてしまった。
――返す言葉もございません。
夕月明のこととか。
黒巫女のこととか。
それらもひっくるめて、今後のこととか。
ちょっと、想定外の事態に直面しただけなのに――
あっさりとテンパってしまう自分の器の小ささに、何だか情けなくなってしまった。

小麦は、一向に泣き止む気配がない。
ああ、僕はどうしたら良いんだっけ。どうすれば泣き止んでくれるんだっけ。
昔から何度も経験してきたことなのに、こんな時にどうすれば良いのかサッパリだ。
ぐるぐると、思考が回る。
ええと、ええと。
確か――今と同じくらいに大泣きさせてしまったのは、小学生の時が最後だったかな。
小麦が楽しみにしていたプリンを、ふざけて横取りした時だ。
あの時は、確か、その、ええと・・・。
焦りながら記憶を辿り、小学生の頃を思い出す。
取り敢えず、その時と同じ慰め方を試みてみよう。
僕は、泣きじゃくる小麦にもう一歩近づいて。
そっと、正面から抱き締めた。
ごめん、ごめんと繰り返し謝罪しながら、僕の胸辺りに位置する頭を撫でる。
「はうっ」
小麦は、泣き声を押し殺すように、僕のカッターシャツに噛み付く。
「・・・うううぅっ・・・っく、ひっく」
唸り続ける小麦に――僕はひたすら謝ることしか出来なかった。
多分、小麦よりももっと、僕の方が成長できていないのだと思った。

それからたっぷり10分。
ようやく、小麦は落ち着いてくれた。
だけど、依然として赤く腫れたままの目で、見上げるように僕を睨み続けている。
「うーん・・・ごめん。本当に、僕がどうかしてた」
「うぅぅぅ。ハル君が、いじめるー・・・」
ぐりぐりぐりぐり。
涙をカッターシャツで拭うように、顔を擦り付けてくる。
「苛めてねぇよ・・・そんなんじゃなくて。ちょっと、その、心配が過ぎたというか」
「・・・もう、怒ってない?」
「ああ、怒ってない。そもそも、最初から怒るほどのことじゃなかったんだ。僕が悪い」
「本当?」
「うん、本当」
「・・・・・・じゃ、ソフトクリーム」
「・・・はい?」
「ソフトクリームで、手を打つ」
要するに、機嫌を直して欲しければソフトクリームを奢れ、ということか。
「この寒いのに、ソフトクリームですか?」
ちなみに、今は12月である。
「ソフトクリーム」
「・・・分かった、帰りに奢るよ」
僕はしぶしぶ、その要求を呑んだ。
まぁソフトクリームで済むなら安いものだ、などと考えていると――

「・・・・・・にひ」

腕の中から、そんな妙な声が聞こえた気がした。
何と言うか、取り敢えず気にしないことにしておこう。
僕が悪いことに変わりはないのだから。

それよりも、だ。
根拠もない、ただの個人的な勘なのだけど。
僕は、泣き止んだ小麦から少し離れて、呟いた。

「先生、盗み聞きは良くないと思います」

「げッ。何でバレてんだよ・・・」

ドアを開けて入って来たのは、案の定、伊崎先生だった。
っていうかもう一人の容疑者である生徒会長は、こんな鎌掛けには引っかからない。
そんな盗聴犯は、詫びる様子もなく、むしろ妙にニヤニヤして僕らを眺める。
「ぬふふ、青春ですニャー?」
「そんなんじゃないですよ」
「いやー、良いねェ。ちなみに青春の『春』は性欲を表すんだぜ。青い性欲だな」
「そんな厭な豆知識、一生要らねぇよ」
「まさに男子高校生のためにある言葉だよな!オラ、ワクワクしてきたぞ!」
「どこの戦闘民族だ!?」
そもそも、何故妙齢の女性であるところの伊崎先生がワクワクするのかが理解不能。

その後も、このシチュエーションで手を出さないヤツは男じゃないとか散々言われた。
が、丸無視を決め込んで、僕らはそそくさと下校した。
あんなセクハラオヤジに付き合うほど人間できてないよ、マジで。
あと、帰りに久々に買ったソフトクリームは予想の2倍ほどの値段だったことを付記しておく。
パフェじゃあるまいし。畜生。

それにしても――
小麦をあんな風に抱き締めたのは、本当に小学生時分以来じゃないだろうか。
改めてその感触を思い出すと、何だか妙に、ドキドキした。
幼馴染で腐れ縁なだけなのに、な。
僕は、意味もなく夕暮れ時の空を見上げて、思考を中断した。
一緒に、小麦を待っていた時のネガティブな思考も中断した。
「ま――何とか、なるでしょ」
何が?と小麦に聞かれたが、何も答えなかった。
ひとつ小さく背伸びして、僕はだらしなく欠伸をした。
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