世界はグローバリズムが究極の姿かのような錯誤に囚われて、
一握りの大資本に市民は食い潰されているようにみえる。
「知れば知るほど」(藤原正彦著)を借りて来て読んだ。
共感したのでその中の一文を記しておきます。
ここ数十年間のグローバリズムの究極は、世界各地で
すべての民族が仲良く一緒に暮らし、同一言語(つまり英語)で
円滑に意思の疎通をし、やがては文化や価値観まで共有する
ことのようにみえる。これは私にとって、似非ヒューマニズムに
根ざしたおぞましい光景である。
地球の隅々で見事に花咲いた魅力ある文化、伝統,習慣、風俗、
料理、言語、舞踊、音楽・・・・はすべて地球の宝物である。
国境を越えて人々が自由に移り合うようになったら、こういう
ローカルなものがいづれことごとく消えてしまう。いかに美しくとも
地球上がチューリプ一色になっては世も末だ。一面の菜の花や、
雨滴をこぼれんばかりにためた紫陽花や、岩陰にのぞく駒草が
あってほしいのだ。 以上