最近「地球」に良く似た環境の惑星が発見されたという記事が出ていました。それによれば「地球」よりやや大きい惑星が地球とほぼ同じ周期で主星の周りを回っているとされます。ケプラーの法則から周期が同じならば距離も同じとなるため、主星から受ける熱量もほぼ同じとされているようです。またその主星は太陽よりやや質量があるようですが、表面温度は同じであり、スペクトルもほぼ同じのようです。これによればその「地球に良く似た星」は十億年後の地球環境に良く似ているという説もあるようです。そしてその「地球」に良く似た星には「生命」があるかもしれないとささやかれています。確かに「地球」とよく似た環境の「惑星」に生命の可能性があると考えることは全く正しく、その意味でこの惑星が非常に有力な生命それもかなり高度な生命の存在が想定される天体であるのは正しいと言えますが、しかし、「生命」の存在や進化を考える上で重要なことは、その「惑星系」に「木星」に匹敵する惑星があるかどうかではないでしょうか。なぜなら、「木星」は「太陽」の引力により引き込まれる微惑星や隕石などをその手前で食い止める役割をしているからです。
現在「火星」と「木星」の間に「小惑星帯」(「メインベルト」と呼ばれる)が存在しています。その数「数百万個」とも言われる非常に大量の小惑星(中には直径1m以下のものも多数あるようです)がここに集まっているわけですが、これらの小惑星は「木星」により軌道が固定化されているのです。
太陽系の惑星や小惑星はもちろん太陽の引力により太陽の周りを回っているわけですが、太陽系最大の惑星である「木星」の引力が実は絶大な影響を与えているのです。地球の軌道でさえも木星の影響を強く受け(「摂動」と呼ばれる)、その軌道を変化させられています。
小惑星帯の軌道は「太陽」と「木星」の引力が微妙なバランスを取った結果「安定的に取り得る」軌道と考えられ、これ以外の軌道は「木星」により軌道を乱されて「太陽」か「木星」に「吸い込まれて」しまう、と考えられています。
近年「シューメイカー・レビー彗星」などのように「木星」に衝突する天体が数多く観測されており、太陽系内にはまだかなり軌道が不安定な天体が多いことがわかります。それらは「太陽」や「木星」からも遠い「太陽系外縁」に存在する天体であり、「カイパーベルト」天体と言われていますが、太陽系ができた頃から余り状況が変化しないで存在していると思われ、周囲の恒星からの影響や新星爆発現象などによる強いエネルギーを浴びるなどして、僅かに軌道が乱され、「不安定」な軌道に遷移した結果、太陽近傍まで接近してくると考えられますが、太陽系には「木星」という門番がいて、不安定な軌道を持つ天体を全て平らげてしまう、というわけです。
生命の進化には「安定的」環境が「長期」に渡って存在する、という事が必要であり、そのためには「小惑星」との衝突、と言うような事態は「滅多に起こらない」という条件が必要となると思われますが、その条件を造ってくれているのが「木星」と言うこととなるわけです。
もし木星がいなければ、生命は発生してもあるいはやや進化したとしても、降り注ぐ小天体により「絶滅」が頻繁に起きてしまい、そのたびに進化のリセットがかかることとなります。
現在の太陽系においても全ての天体が「木星」の引力によき寄せられるわけではなく、一部はやはり「地球」と「小惑星」や「彗星」本体との衝突という現象の発生となってしまうわけであり、化石の研究からは幾度も大絶滅が起きていることが確認できます。しかし、その間隔や頻度が生命の進化のスピード比べると充分小さく、それを大きく妨げないものであったために、現在地球には多様な生命が棲息することとなっているのです。その意味では「木星」は「地球」とその上に生存している動植物類の「守り神」でもあるといえるでしょう。
さらに、木星の質量がもっと大きかったら「小惑星帯」はもっと「木星側」に寄って形成されると思われ、それは一見地球にとって都合が良さそうですが、その場合多分「木星」は「惑星」というより「恒星」(矮星)となっていたと思われ、(現在でも木星の中心部からX線が出ているという説もあるぐらいであり、それは「恒星」的特徴でもありますから、ひょっとすると「惑星」と「矮星」の中間ぐらいに位置する天体なのかもしれません。)そのぐらい質量が大きいと「太陽」も「木星」から受ける引力がかなり大きくなり、安定した軌道をとれない可能性が出てきます。つまり周辺の惑星は通常の楕円軌道から外れる公算が強く、「太陽」からの距離に大きな変化が生じることとなると思われ、受ける「輻射量」(「熱量」)が一定ではなくなり、「生命」の進化を促進させる環境が形成されない可能性が高いと見られます。
一般に惑星の軌道は太陽を焦点の一つとする楕円であるとされますが、これは太陽がほぼ「不動」であるとすることができるからです。(ただし「太陽系」という慣性系においての話です)しかし、一般に二重星など多重星系においては「主星」の位置はその慣性系の中で固定(不動)ではなくなり、ある軌道を描いてふらつきます。それは当然その系に拘束されている全ての天体に影響が及び、「惑星」があればその惑星の軌道も「楕円軌道」ではなくなります。(場合によっては「カオス」つまり特定の軌道を持たないというような場合も想定されることとなります。)
このような環境の中では「主星」や「伴星」から受ける引力や輻射量などにも不規則な変化が発生することとなるでしょうから、生命の進化という点では非常にマイナスの要素が大きいこととなります。
新しく発見された地球によく似た天体においても木星のように主星の軌道を大きくは乱さず、微少天体はこれを悉く引きつけてしまうような惑星がないとすると、充分に生命の進化を担保する環境が整っていないという可能性も考えられるでしょう。
現在「火星」と「木星」の間に「小惑星帯」(「メインベルト」と呼ばれる)が存在しています。その数「数百万個」とも言われる非常に大量の小惑星(中には直径1m以下のものも多数あるようです)がここに集まっているわけですが、これらの小惑星は「木星」により軌道が固定化されているのです。
太陽系の惑星や小惑星はもちろん太陽の引力により太陽の周りを回っているわけですが、太陽系最大の惑星である「木星」の引力が実は絶大な影響を与えているのです。地球の軌道でさえも木星の影響を強く受け(「摂動」と呼ばれる)、その軌道を変化させられています。
小惑星帯の軌道は「太陽」と「木星」の引力が微妙なバランスを取った結果「安定的に取り得る」軌道と考えられ、これ以外の軌道は「木星」により軌道を乱されて「太陽」か「木星」に「吸い込まれて」しまう、と考えられています。
近年「シューメイカー・レビー彗星」などのように「木星」に衝突する天体が数多く観測されており、太陽系内にはまだかなり軌道が不安定な天体が多いことがわかります。それらは「太陽」や「木星」からも遠い「太陽系外縁」に存在する天体であり、「カイパーベルト」天体と言われていますが、太陽系ができた頃から余り状況が変化しないで存在していると思われ、周囲の恒星からの影響や新星爆発現象などによる強いエネルギーを浴びるなどして、僅かに軌道が乱され、「不安定」な軌道に遷移した結果、太陽近傍まで接近してくると考えられますが、太陽系には「木星」という門番がいて、不安定な軌道を持つ天体を全て平らげてしまう、というわけです。
生命の進化には「安定的」環境が「長期」に渡って存在する、という事が必要であり、そのためには「小惑星」との衝突、と言うような事態は「滅多に起こらない」という条件が必要となると思われますが、その条件を造ってくれているのが「木星」と言うこととなるわけです。
もし木星がいなければ、生命は発生してもあるいはやや進化したとしても、降り注ぐ小天体により「絶滅」が頻繁に起きてしまい、そのたびに進化のリセットがかかることとなります。
現在の太陽系においても全ての天体が「木星」の引力によき寄せられるわけではなく、一部はやはり「地球」と「小惑星」や「彗星」本体との衝突という現象の発生となってしまうわけであり、化石の研究からは幾度も大絶滅が起きていることが確認できます。しかし、その間隔や頻度が生命の進化のスピード比べると充分小さく、それを大きく妨げないものであったために、現在地球には多様な生命が棲息することとなっているのです。その意味では「木星」は「地球」とその上に生存している動植物類の「守り神」でもあるといえるでしょう。
さらに、木星の質量がもっと大きかったら「小惑星帯」はもっと「木星側」に寄って形成されると思われ、それは一見地球にとって都合が良さそうですが、その場合多分「木星」は「惑星」というより「恒星」(矮星)となっていたと思われ、(現在でも木星の中心部からX線が出ているという説もあるぐらいであり、それは「恒星」的特徴でもありますから、ひょっとすると「惑星」と「矮星」の中間ぐらいに位置する天体なのかもしれません。)そのぐらい質量が大きいと「太陽」も「木星」から受ける引力がかなり大きくなり、安定した軌道をとれない可能性が出てきます。つまり周辺の惑星は通常の楕円軌道から外れる公算が強く、「太陽」からの距離に大きな変化が生じることとなると思われ、受ける「輻射量」(「熱量」)が一定ではなくなり、「生命」の進化を促進させる環境が形成されない可能性が高いと見られます。
一般に惑星の軌道は太陽を焦点の一つとする楕円であるとされますが、これは太陽がほぼ「不動」であるとすることができるからです。(ただし「太陽系」という慣性系においての話です)しかし、一般に二重星など多重星系においては「主星」の位置はその慣性系の中で固定(不動)ではなくなり、ある軌道を描いてふらつきます。それは当然その系に拘束されている全ての天体に影響が及び、「惑星」があればその惑星の軌道も「楕円軌道」ではなくなります。(場合によっては「カオス」つまり特定の軌道を持たないというような場合も想定されることとなります。)
このような環境の中では「主星」や「伴星」から受ける引力や輻射量などにも不規則な変化が発生することとなるでしょうから、生命の進化という点では非常にマイナスの要素が大きいこととなります。
新しく発見された地球によく似た天体においても木星のように主星の軌道を大きくは乱さず、微少天体はこれを悉く引きつけてしまうような惑星がないとすると、充分に生命の進化を担保する環境が整っていないという可能性も考えられるでしょう。