本書は,コンピュータ・エージ社から発売される,新しいソフトウェア工学の教科書である.
# 先週の金曜日,勤務先の社長のところに出版社からサンプルが一冊届いた.
# 私は Amazon.co.jp に予約注文済みたがまだ届いていない.
472ページに小さな書体でびっしりという感じで,この分野の日本語で書かれた本としては,久々の「大物」である.英語版は2003/05/08の発売.
英語版は以下書名で,
"A Handbook of Software and Systems Engineering: Empirical Observations, Laws and Theories"
「エンピリカルアプローチ」の元の英文は,直訳すると「経験的な観察」である.
目次は,以下のとおりであり,要求定義から,設計,構築,検証,導入,保守,計測,実験,経験的な研究までを広くカバーしている.特に10章は,他のこのタイプの本ではあまり言及されない特徴的な部分であると思う.
第1章 入門
第2章 要件定義、プロトタイピング、およびモデリング
第3章 システム設計と仕様
第4章 システム構築と構成
第5章 妥当性検査と静的検証
第6章 テストと動的検証
第7章 システム製造、配布、および導入
第8章 システム管理、進化、および保守
第9章 プロジェクト管理とビジネス分析
第10章 ユーザスキル、モチベーション、満足度
第11章 テクノロジ、アーキテクチャ、および企業能力
第12章 計測、実験、およびエンピリカルな研究
第13章 結論と課題
筆者の 一人 Albert Endres は,元IBMのエンジニアで,ドイツの
ミュンヘン工科大学 の教授も務めた.もう一人の Dieter Romabch は,ドイツの
フラウンホーファー実践的ソフトウエア工学研究所(IESE) の部長である.
本格的にソフトウェア工学を学びたい人,復習したい人にオススメの一冊.
| ソフトウェア工学・システム工学ハンドブック―エンピリカルアプローチによる法則とその理論Albert Endres, Dieter Rombach (著), 吉舗 紀子 (翻訳)コンピュータエージ社このアイテムの詳細を見る |
# それにしても,この手の本で,日本人の書き下ろしのものが少ないのはなぜだろう?