新古今和歌集の部屋

俳句集 花鳥風月 涅槃会(西行忌)

はじめに

初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。

既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。

2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。

 

 


 春夜夢   2009年03月05日

春の夢
  にほひを残し花は散り


風の音に秋の夜深く寝覚して見果てぬ夢の名残をぞ思ふ
(平忠度 閨冷夢驚といふことを人にかはりて)

平忠度は、忠盛の六男で、清盛の弟、藤原俊成の弟子、一ノ谷の合戦で源氏方の岡部忠澄に討たれた武将です。

この歌を無名抄で秀歌の例で読み、忠度の無念を思い、本歌取りして。

平家物語の

さざ波や志賀の都は荒れにしを昔ながらの山桜かな
行暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵の主ならまし
も優れた歌と思います。

新古今にも、平家の主催した歌合の歌も題知らすとして伏せてあり、詠み人、題知らずで出処不明の歌が数首ありますが、その内忠度の歌が入っていると思います。これほど優れた歌を作っているのですし。

寿永三年二月七日(1182年)没
この歌を見たのが、一昨日の命日(旧暦)というのも因縁が深い。

初案は
春の夢名残を留め花は散り

写真は、埼玉県深谷市の忠度の供養塔


 原宿    2009年03月08日

面影を探し求めて春の宵


みみ様が原宿にいらっしゃったとお聞きし、代わりに散策して参りました。
思い立つのが鈍い私の事でもう夕闇の街中ですが…
来る度に新しくなる街で、人に酔い、道に迷う程です。
覚えのある場所があると良いのですが。

東郷神社と何故か丸々と太った猫

原宿駅と明治神宮橋


表参道の燈籠


 西行忌’09  2009年03月11日

かこち顔見せぬ鏡や西行忌

 

歎けとて月やは物を思はする託ち顔なる我が涙かな
(千載集 恋歌五 929 西行)
の本歌取り。鏡は現実の鏡と月の比喩をイメージして。

西行は、月と桜をこよなく愛した歌僧と言われており、
ねがはくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃
と歌のままに文治六年二月十六日に河内弘川寺で亡くなった。

もちろん御釈迦様の涅槃の日なので、仏に憧れ、好きな桜と月の美しき風景の中でという事です。

この歌の為に、西行忌は一日前となった。


西行物語 往生

人には不機嫌な顔を見せたく無いので、心の鏡で自分を見つめ直して。

写真は、弘川寺の伝西行の墓です。


 涅槃会   2009年03月11日

薄日射し雀よろこぶ
   ねしゃかゝな

涅槃経の基となる仏典を読むと、修行の足りない僧達は嘆き悲しんだが、御釈迦様は、「歎き悲しむな。怠る事なく修行を続けよ。」と御説教していました。
葬儀は在俗信者の村人によって執り行われたそうです。
仏滅と言って忌み嫌う人が多いですが、元々生じる事滅する事の無い仏なのに誤解もいい所です。

今日は穏やかな薄日が射し、雀が道路に落ちている種を盛んに啄んでおりました。
遠くに真っ白な富士山も見えます。


 落椿    2009年03月12日

しばし待て
急ぐ事なし
 落つばき


東京には、不思議な空間が存在する。これが東京?山手線目黒駅徒歩5分?
周りは高速道路で1分間に百数十台通過する。

白金台の国立科学博物館付属自然教育園で、ヒキガエルの卵とか写真に収め、閉園3分前3~4百mと急いでいると道中に風で飛んで来た椿の花が一輪「何をそんなに急いでいるの。春は始まったばかりですよ」と言っている様でした。

カワセミらしき鳥も都会特有のカラスの大群もいる。


後から気が付いたが、おちつばきとおちつきと一字違いですね。意図せざる事也。


 野点   2009年03月15日

草の芽を茶碗にふくむ野点かな


苔むす感じの写真と抹茶を飲みに六義園に来ました。苔むす写真は思う様なものは撮れなかったですが、抹茶のお点前を飲み満足。

枯れ芝から草の芽、苔の緑がいかにも風流。

ふくむは、その緑を含むと茶を服むの掛詞です。


 禅ZEN  2009年03月15日

けふ生きて唯在る事観て
 梅の落つ


道元禅師は
春は花
夏ほとゝぎす
秋は月
冬雪冴えてすゞしかりけり
という歌を作ったそうです。
映画禅ZENで、当たり前だと。当たり前が、生きていく事では難しい事です。

迷ひのいと深き大海の中に居て水を見る難しさ。
禅問答の様な難しさがありましたが、かなり感じる事がありました。

実家が、曹洞宗の檀家でありながら座禅をした事が無く、せめて映画くらい見ないとと。
町外れの小さな映画館の薄汚れた看板
檀家なら真っ先に観に行かないととは思いますが…。


 曲水の宴  2009年03月30日

盃を空に流して飲み干して

昨日は、旧暦の三月三日桃の節句。中国でいうと上巳の日で大伴家持の万葉集の歌に「曲水宴をよめる」
からびとの舟を浮かべて遊ぶてふ今日ぞわがせこ花かづらせよ
とあり、奈良時代から三月三日の行事だそうです。

そんな盃の様な月が出ておりました。「さかづき」と「つき」の掛詞です。

桜は先週からの花冷えで、咲きはじめのまだ肌寒く、今週末が見頃。入学式あたりかと。
浅草隅田川花見客も疎らで、大島桜が一樹見頃ではあります。

火曜日は、病院なので、無駄な抵抗(少しでも数値が下がる樣に)の禁酒をしております。


 春薄日   2009年03月31日

春や春
昔の身にも
薄日さす

 

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つはもとの身にして
古今和歌集 巻第十三 恋歌三 在原業平 伊勢物語 四段
の本歌取です。

病院の検査結果が、空腹時血糖127、HbA1c5.8と基準値の上限まで下がりました。
♪\(>∀<)/♪

千鳥ケ淵や靖国神社の桜も5~7分咲きで人込みも多数。


みみ様
叔父様が戦死なされたとの事で、靖国神社に代参し、何時も俳句を一緒に楽しんでいらっしゃると御報告申し上げました。


 春雨    2009年04月02日

春雨のやどりのうちに傾けて


昨日の雨は凄く、春雨とは違いますが、これもヒートアイランド現象なのでしょう

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