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新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 盧溪別人 王昌齢 蔵書














       ろけいにわかるひとに       おうせうれい
    盧溪別人    王昌齢
ふりやうのけいこうとゝむへんしうをけいすいしたかつてきみにむかつてきたになかる
武陵溪口駐扁舟溪水隨君向北流
いていたつてけいもんにのほらはさんきやうになかれもつてこけつをたいする事ゑんしうに
行到荊門上三峽莫將孤月對猿愁
ふりうけいから舟にのりゆるゝかあまりなこりおしいゆへ舟をとゝめてけいすいを見れはうらやましい水は
こなたについてきたへなかるゝがおれは水にもおよはぬしたいゆく事かならぬさんねんじや。けいもんあたりへ
ゆき三こうなどへのほつたならはさるのたくさんな処じやが目には月を見みゝにはさるをきかれた
ならはうれいそへてさびしかろふほとにかまへて孤月をもつてさるのおうにたいしてきくやふなるゝをせらるゝな
月夜さしのしふんにはひとしほさるもなくものじやほとに。くわしくはせんちうを見るへし。

 盧溪にて人に別る
      王昌齢
武陵渓口、扁舟を駐むれば、
渓水、君に隨ひ北に向かって流る。
行(ゆ)ひて荊門に到り三峽を上(のぼ)らば、
孤月を将(も)って猿愁に対せしむこと莫かれ。

意訳
武陵の溪川の出口で、君と別れる為小舟を駐めれば、
渓川の水は、別れを促す様に、君の向かっている北に流れている。
君がこれから行く楚の外れの荊門に到って、山間部の三峡を上って行ったなら、
独りで寂しく照る月を眺めながら、猿の鳴き声を聴いてはいけない。旅愁にさいなまれてしまうだろうから。


※盧溪 湖南省西に在る川。しかし詩の内容から武陵現在の湖南省北部・湖北省南部・貴州省東部・重慶市東南部・広西チワン族自治区北東部にまたがる地域)近くの川と考えられている。

※武陵溪 盧溪と同じ。どの溪川かは特定されていないが、沅江に南から合流して洞庭湖に注ぐと考えられている。

※荊門 湖北省に有り、揚子江が流れる。

※三峽 瞿塘峡、巫峡、西陵峡を一般的に言う。両岸に猿が鳴くので有名。

長崎ランタン祭



唐詩選畫本 七言絶句 巻三

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