紫式部の歌碑
近江の海にて三尾が崎といふ
所に網引くを見て
三尾の海に
綱引く民の
てまもなく
立ち居につけて
都恋しも
滋賀県高島市白鬚神社
紫式部集
あふみのみづうみにて、みをがさきといふところにあみひくを見
て
みをのうみにあみ引くたみのてまもなくたちゐにつけてみやここひしも
知りぬらむ
ゆききにならず
塩津山
よにふる道は
からきものぞと
滋賀県長浜市 深坂古道 塩津浜歌碑
深坂越
深坂越は、近江国塩津と越前国敦賀との間を結ぶ古道[1]。塩津山越え・塩津道とも呼ばれ、深坂越ないし新道野越を経由して塩津と敦賀を結ぶ経路は塩津街道(五里半越)と呼ばれる。古代から用いられた道路であるが、新道野越が整備された近世以降は重要性は薄れた。また、福井県敦賀市と滋賀県長浜市を隔てる[5]山地上の鞍部をいうこともあり、その峠を指して深坂峠と呼ぶ。深坂古道の名称で全長3.8kmのハイキング・コースとして整備されており、道中には平重盛の運河伝説にちなむ深坂地蔵[堀止地蔵・塩かけ地蔵や笠金村・紫式部の歌碑などがある。
地理
深坂越は越前と近江を結ぶ主要道路で、歌人の笠金村のほか、紫式部が父の藤原為時に同行した際にも通ったとされる。特にルート上の野坂山地に位置する小地塊山地上の鞍部をいうこともあり、福井県敦賀市追分から滋賀県長浜市西浅井町沓掛に至る旧街道の峠である。標高は364メートル、標高差はおよそ250メートルである。隣接する峠には新道野越や七里半越がある。
紫式部集
しほつ山といふみちのいとしげきを、しづのをのあやしきさまど
もして、なおほからきみちなりやといふをききて
しりぬらむゆききにならすしほつ山世にふるみちはからきものぞと