ヨノナカヲ ウ シ ト ヤ サ シ ト オ モ ヘ ドモ トビタチカ ネ ツ トリニ シ ア ラ ネ バ
世間乎。(宇之等夜佐之等。於母倍杼母。飛立可禰都。鳥爾之安良禰婆。)
ウ シ ト ヤ サ シ ト
宇之等夜佐之等。夜佐之は恥しき意也。
上(攷證此巻四丁)に出たり。
トビタチカ ネ ツ
於母倍杼母。一首の意は、世の中てふものは、憂く恥しきものにぞとは思へども、
鳥ならねば、いづくへも飛たちのがるゝ事なりがたしと也。
岸本 由豆流
寛政元年(1789年) - 弘化三年(1846年))
江戸時代後期の国学者。やまぶき園、尚古考証園と号した。
国学者・村田春海の門に入り、国学を学ぶ。早くに家業の弓弦師を長男に譲って退隠し、考証・著作に専念したという。著書に『万葉集考証』『土佐日記考証』『後撰集標注』などがある。
万葉集考証 171頁
岸本由豆流 著
武田祐吉 校丁
古今書院
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