「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

Jリーグ「ファースト10」、それぞれのシーズン最終盤

2017年12月04日 21時36分59秒 | サッカー選手応援
Jリーグ「ファースト10」とは、私が頑なに使っているJリーグスタート時の10チームのことです。「オリジナル10」と言うんでしょ、と突っ込みが入るのを承知で使っています。

昨日J1、J2とも全日程を終えたシーズン最終盤、それら10チームの「現在地」とも言うべき状況が見られました。実質は、消滅した横浜Fを除く9チームです。

まず浦和、みごとACL制覇、2度目のチャンピオンの座につきました。もはや世界にも通用するビッククラブらしくなってきました。

次に鹿島、昨年12月のクラブW杯で決勝に進出したあたりは「第三期黄金時代到来」を疑いませんでしたし、今年、大岩監督に交代しても力強い鹿島の戦い方でしたから、まさか無冠に終るとは思っていませんでした。

真の「第三期黄金時代到来」は持ち越しの感があります。

そしてJ1降格の危機を辛くも脱したのが広島と清水です。リーグ終盤戦になって、この両チームが交差するように、先に広島が残留を決め、清水は最終戦にもつれ込んでしまいました。

J2で戦っていた「ファースト10」組にも動きがありました。Jリーグ初代チャンピオンのヴェルディ川崎あらため東京ヴェルディと、2000年代半ばにナビスコ杯連覇を果たしたジェフ市原あらためジェフ千葉、そして昨年J2に降格した名古屋の3チームがJ1昇格プレーオフに登場しました。

東京ヴェルディとジェフ千葉は、準決勝で敗退してしまいましたが、長らくJ2が定位置になっていた感がありましたので、一つの出来事ではあったと思います。

結局、昇格プレーオフは名古屋が制して1年での復帰を果たしました。今シーズン、1年での復帰を至上命題にしたといいながら、託したのは、じっくりとチームを作ることが身上の風間監督です。

いま一つ釈然としない中でウォッチしてきましたが、何とか風間監督はノルマを果たしたわけです。それについて私が書きたいことを先に見事に書いてくださったコラムを見つけましたので、詳しくはそれをお読みいただきたく、紹介しておきます。

今日付けでアップされた宇都宮徹壱氏による「名古屋のJ1昇格と「美しい物語」の行方 J1昇格プレーオフ決勝 名古屋vs.福岡」byスポーツナビ、がそれです。おすすめです。

さて、ここまで登場しなかった「ファースト10」組は、横浜MとG大阪だけです。このチームは「可もなし不可もなし」といったところでしょう。率いていた監督が揃って退任して、来季は新体制、どうなるのでしょう。

では、また。
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Jリーグ監督新時代到来は、本物でした。

2017年12月04日 20時42分27秒 | サッカー選手応援
今回のタイトルは、さる7月9日の書き込み「Jリーグ監督新時代到来か?」に対する答えの意味があります。

その時の書き込みではこう述べています。

「今節18節の8試合終了後(翌日開催分除いて)の順位は、大変興味深いものです。
首位・C大阪、2位・鹿島、3位・川崎、4位・柏です。お気づきの方も多いと思います。

C大阪・ユン・ジョンファン監督44歳、鹿島・大岩剛監督45歳、川崎・鬼木達監督43歳、柏・下平45歳、見事なまでの監督新時代です。

しかも・ユン・ジョンファン監督が以前鳥栖の監督を務めた経験者である以外は、全員トップチーム初采配、柏の下平監督は2シーズン目ですが、鬼木監督は今シーズンから、大岩監督に至ってはまだ1ケ月ちょっとの経験です。

なんということでしょう。Jリーグ監督というのは、こうも簡単なものなのか、いや、それだけの識見・力量を備えた人が見事なまでに揃ったのか、この順位は瞬間風速的な記録かも知れませんが、記録的な状況であることには違いありません。

いずれにしても後々の検証事項にしたい状況です。
おそらく専門のライターが、近く何らかの論評を寄稿してくれるでしょうから、その時にまた加筆したいと思います。」

以上のように書いています。

そして、シーズンが終わりました。まさに「Jリーグ監督新時代到来か?」の「か?」がとれた結果が出ました。

最終順位は、首位・C大阪と3位・川崎が入れ替わっただけで4チーム、4人の監督ともに結果を出しました。7月9日現在の順位は瞬間風速的な記録ではなかったのです。

結果を出した新しい監督は、他にもいます。ACLを制覇した浦和の堀孝史監督です。年齢こそ50歳と決して若くはありませんが、監督としてのキャリアは短い期間の暫定監督のみという人です。

今年は、新しい日本人監督が次々と台頭した年としてJリーグ史に残る年になったと思います。
今シーズンから指揮をとった川崎・鬼木監督と、シーズン途中から指揮をとった鹿島・大岩監督による最終節の優勝争いは、それを象徴していました。

時代はめぐる、です。選手たちだけではなく監督さんも洗練された新しい人たちが生まれてきました。Jリーグ25年の歴史の賜物です。

では、また。
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W杯グループリーグ突破に向けて、やるべきは、ただ一つ「世界基準の守備確立」

2017年12月04日 09時08分43秒 | サッカー選手応援
ロシアW杯のグループリーグ組み合わせが決まりました。厳しいグループに入ったのか、比較的楽なグループなのかといった品定めが続いています。

そして、その次には「何とかグループリーグを突破してもらいたいものです」「そのためには初戦が大事です」「最低でも勝ち点4は必要でしょう」etc.

では、どうすればいいのでしょう。初出場を果たした1998年フランス大会は別にして、その後の4大会、明確な戦略の違いで結果が分かれています。しっかりした守備戦術を意識した2002年と2010年はグループリーグ突破、攻撃力に重きを置いた2006年と2014年はグループリーグ敗退です。

では、ロシアW杯も、しっかりした守備戦術を立てれば大丈夫ですね、と言われればNoでしょう。2002年や2010年程度の守備戦術ではコロンビアやポーランドのエースは止められません。
そして、彼らの攻撃力を上回る攻撃力が日本にはありません。

いままでの延長線上の試合では、せいぜい1分2敗がいいとこで3連敗もあると思います。2002年には中田英寿選手という攻撃の核となれる選手がいて、2010年には本田圭佑選手という核が出現したからの突破でした。今回、その保証はありません。

少なくとも核がいない攻撃陣で突破するという前提で戦略を立てなければならないと思います。
では、どうすればいいか。日本代表の「守り」というものをこの半年のあいだに「世界基準」に高めて確固たるものにすることです。

そうは言っても、吉田麻也選手、槙野智章選手、酒井宏樹、長友佑都選手を中心としたDF陣の個の能力をこれ以上高めろといっても無理な話です。そういう問題をいっているのではなく、デュエルの部分にしてもカバーリングの部分にしても、守備戦術にたけた世界のトップチームのノウハウを取り入れる余地があるということなのです。

ボランチを含めた5枚から6枚の守備というものを、優れたノウハウによって「世界基準」に高めていこうという意味です。

では、どうすればいいのか。ハリル監督と一緒にやれる一流の守備コーチを一人、できれば二人欧州もしくは南米から招くべきです。本来なら「守備重視型」チームの監督をやれるぐらいの力量のあるコーチをです。

少なくとも吉田麻也選手、槙野智章選手、酒井宏樹といった選手の個々のフィジカルや、山口蛍選手、井手口陽介選手のボール奪取能力は、決して世界にひけをとっていませんが、必ずどこかの局面で、個々のフィジカルではかなわない部分が生じます。その部分をカバーする組織的守備のノウハウを取り入れなければならないのです。

世界にはそうした時の組織的守備に関するコーチング能力の高い指導者がいくらでもいます。これまで攻撃に関しては長い間、日本人の特性にあった組織的攻撃について議論されていましたが、守備については手つかずでした。そこに手を付ける必要があるのです。

さらに、そういった指導者には、国内の若手選手から「世界基準の潜在能力」を持った選手を発掘・抜擢してもらうことも一つの狙いです。そういう選手が優れた指導者に指導を受ければ、驚くほどのスピードで能力を高めていくこともあります。

また、組織的守備という「世界基準」の守りを確立することによって前線の選手の膨大な運動量という負担を軽減する狙いもあります。いまの日本代表の前線の選手は、膨大な守備のタスクによって攻撃のパワーをずいぶん減らされてしまいます。

ただでさえ、中田英寿選手や本田圭佑選手のようなスーパーな選手が見当たらないチームにおいて、前線の選手たちが、持てる力を存分に発揮してパスのコンビネーションで崩すにためには、その体力の余力がなければ無理な要求というものです。

日本協会には、この冬季マーケットを使っていただき、ぜひ「守備コーチ」の招へいを実現していただきたいと思います。

ロシアW杯の成否は、そこにかかっていると思います。どうか、よろしくお願いします。
では。また。

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