「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

21年目にして初めて通して観たDVD「六月の勝利の歌を忘れない」

2023年08月04日 18時03分40秒 | サッカー日本代表
当「サッカー文化フォーラム」がこれまで収録したサッカー関係の試合映像、テレビ番組映像等の映像記録の整理も最終段階に来ました。2003年終わりぐらいまではVTRによる収録で、ほぼHDDへの変換収蔵を終えました。その後の分は多くがDVD収録とスカパーチューナーに紐づけられたHDDへの収録です。

ここに来て、DVD収録とスカパーチューナーに紐づけられたHDD収録の分を再生点検して、意外なことが判明しました。それはDVD収録分の多くが再生不調になっていることです。
理由をいろいろと調べていますが決定的なことがわからず立ち往生状態です。DVDへの収録は2004年から本格的に始めており2015年あたりまで続けました。最終的にこの期間の映像をどの程度、HDDに収蔵し直せるか未知数ですが、かなりの量のDVDが死蔵品になる可能性が出てきました。

そんな中、DVDの中で市販品の未開封品が何枚か出てきました。
その中の一つがタイトルでご紹介した「六月の勝利の歌を忘れない」という2枚組のDVDです。いきなり名前だけ聞いて即答できる方は、かなりの「サッカー通」といっていいでしょう。
「21年目にして初めて通して観た・・」というところで、今年から引き算して「あぁ~ 2002年W杯の記録映画だな」と思い当たった方、正解です。
当「サッカー文化フォーラム」も、これまで持っていた知識は「岩井俊二監督による2002年W杯日本代表の戦いを記録したドキュメンタリー映画」という程度でした。果たして、どんな内容の映画なのか、さっぱりわからずに、21年目にして初めて2巻を通して観た次第です。

いい機会ですので、以前観たことがある方にも、まだ観たことがない方にも、内容をご紹介したいと思います。
この記録映画のタイトルがどうして「六月の勝利の歌を忘れない」という名前になったのか、どなたが付けたのかネットで検索したらすぐ出てきました。
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ふたたび「なでしこジャパン」真夏の日本列島に感動の予感。

2023年08月04日 12時58分52秒 | サッカー・ユース年代、女子
グループリーグ2023年女子W杯、「なでしこジャパン」がグループリーグを圧倒的なスコアで勝ち上がりました。
第3戦のスペイン戦は「なでしこジャパン」のボール支配率が、わずか23%だというのにスコアは4-0。「なでしこジャパン」が放った枠内シュート5本のうち4本を決め切った勝利でした。
しかも3戦をクリーンシートで乗り切っています。

いよいよ明日からノックアウト方式です。一発勝負は何があるかわからない世界ですが、今回の「なでしこジャパン」には日本列島を感動の夏に染めてくれる予感があります。

夢の途中で大会を去らなければならない結果になることも、勝負の世界ですのでありますが、今回の大会は、それ以上の予感がしてなりません。

なぜなら、今回の「なでしこジャパン」には、そう思わせるだけの、いくつのも理由が揃っているからです。

まず「守りの戦術」が徹底していることです。初戦のザンビア戦で、このチームがいかにその戦術を練り上げてきたかが示されましたし、第3戦のスペイン戦も相手にボールを支配される試合展開でも、守りに破綻をきたしませんでした。

もちろん、熊谷紗希選手、南萌華選手というワールドクラスのセンターバックが強いこともありますが、池田監督が徹底してきた前線の選手も含めての「守りの戦術」が浸透していなければ長丁場の大会では持ちこたえられません。

このあとの見所は、まだ許していない先制点を許した試合での復元力が一つ、もう一つは高さのあるチームと対戦した時のCK、FKといったセットプレーの対応です。次の相手、ノルウェー戦では、この点が鍵を握るでしょう。

次の理由は、試合ごとに成長していくチームの特長を備えている点です。現在、大会得点王の宮澤ひなた選手を筆頭に、植木理子選手、遠藤純選手、藤野あおば選手といった選手が試合ごとに自信をつけ成長しているのがわかります。
こうしたチームが勢いに乗り、素晴らしい結果を残すことにつながるのが、大きな大会ではよく見られるパターンです。

3点目は、ユース年代で世界大会優勝を経験している実力派の選手たちが中盤の守りを固めている強みがあります。男子日本代表で「中盤」といえば、攻撃的な魅力にあふれたイメージが強いポジションですが、なでしこジャパンでは、長谷川唯選手と長野風花選手が中盤の底を固める役回りです。二人とも攻撃的なポジションをこなすチームの司令塔的なイメージの強い選手ですが、そうした選手が中盤の底を固めるのは強いチームのパターンでもあります。
また杉田妃和選手、清水梨紗選手も中盤の左右のサイドを主戦場にしてチーム全体のサイド攻撃に欠かせない選手です。

4点目は、20歳後半にして初めてワールドカップ出場のキップを掴んだ田中美南選手と猶本光選手の、さすが実力者ならではの躍動ぶりです。
二人ともこれまでW杯メンバーになっていなかったのが不思議なぐらいで、特に田中美南選手は確実視されていながらの落選でした。けれども二人とも黙々と実力をあげていく強靭な精神力を持っています。
この二人が本来の力を発揮してくれるとすれば、代表のパワーはいやがうえにも増すというものです。楽しみです。

5点目は、各世代の選手たちがバランスよく配置されていて、若いが故に浮足立つこともなく、年齢が高いが故にスタミナ切れを起こす心配のないチーム構成になっています。
また、控えの選手たちが集中を切らすことなく、またピッチで活躍している選手たちへの貢献を惜しまない姿勢が、チームの一体感や長丁場の大会での選手層の厚さにつながっていることも大きな特徴です。

6点目は池田監督、宮本ともみコーチをはじめとしたスタッフと選手たちの相互信頼、そして采配の確かさです。初戦のザンビア戦のDF陣に、なんと20歳になったばかりの石川瑠音選手を配したのです。昨年のU-20女子W杯ではDFの主力として日本の準優勝に貢献したとはいえ、フル代表ではさる2月の国際大会でデビューを果たしたばかりの選手。

実はザンビアのエースストライカーが最近対戦したばかりのドイツとの親善試合で勝利の大役者となるなど、絶対に封じなければならない選手ということで、石川選手を指名したのです。石川選手は監督の期待に見事に応える働きぶりで「なでしこジャパン」の初戦大勝に貢献しました。この采配一つをとっても、池田監督を中心とした「なでしこスタッフ」のスカウティングの確かさ、選手起用の大胆さが伺える例でした。

このように数多くの理由があげられる今回の「なでしこジャパン」。まさに真夏の日本列島に感動の予感がします。
なぜ、今回、このようなチームが出来上がったのかを辿りますと、ちょうど、2011年大会優勝のなごりがチームから消え、着々と力をつけてきたアンダーカテゴリーの選手たちがチームの主力になってくるという、まさに世代交代が完了した時期であることが大きな要因です。

キャプテンの熊谷紗希選手が若干20歳のDFとして2011年大会優勝メンバーとなり、今回は、その経験を持つ唯一の存在としてキャプテンの立場からチームをけん引しています。他の選手たちにとって2011年優勝は、プレッシャーとして意識する出来事ではなく「私たちの世代もふたたびあの栄光を、そしてWリーグの認知度を少しでも高めなければ」という新たなモチベーションで大会の臨んでいます。

歴史の巡り合わせなのでしょう。4大会ぶりに「なでしこジャパン」に大きなウェーブが来たのだと思います。
まず明日のノルウェー戦、強い気持ちでぶつかって欲しいものです。

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