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 メカ・ワンダーランド
(あなたの知らない海の世界)

アクシデント続出!

2006-06-18 19:25:37 | Weblog
今回の泊まり込みの作業で、テーブルを完成させるはずだったのだが、アクシデントによって、完成まで至らなかった。


予想出来たアクシデントとしては、図面を書いた段階で、もしかしたらこの構造では強度がないかもしれないということだった。
もしダメな場合はデザイン変更もあり得るということは、事前にお客様にお話ししておいた。
でも、イケるのでは。という気持ちの方が強かったので製作を開始したのだが、仮組みの段階でやぱっりダメだと言うことがわかった。
この段階ですでにテーブルの完成は無理だったのだが、その前に予想をしなかったアクシデントにみまわれた。

ノミを使って木口の加工を行っていた時だった。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、木口はとても固く、ノミを扱う手にも力が入る。
そして、力を入れたノミが材料を外れて、思わぬところに向かって行ってしまう時があるのだ。その先に、もう片方の手があったら。

これ以降は、ちょっと生々しいお話しなので、気の弱い方は黒字に戻ったところからお読みください。(笑)


ノミの先は、僕の左手首に刺さってしまった。慌ててノミを貫くと、そこからは大量の血があふれ出てきた。
血が滴り落ちるのを見ながらも、わりと落ち着いている自分がいた。
まず加工中の材料が血に染まらないように、その場から離れた。たくさん血が出ると、生温かいんだなんて思いながら、これは止血が必要だなと思った。
バンソウコウを貼ってみるが、あっという間にバンソウコウが真っ赤に染まり、こんなのではとても止まりそうもないことがわかった。これはタオルでグッと縛らなくては。
しかし、片手で自分の腕を縛るのが難しいということが、その時初めてわかった。全然力が入らず止血の役割を果たしていない。
でも、このままだと体中の血液が出ちゃうんじゃないかというくらいの勢いで、血が手首がからドバドバ出てくる。(実際はそんなにでもないのかもしれないが。)

ここで以前テレビで見た、止血方法を思い出した。
工房にある棒材をタオルと一緒にねじるのだ。これはすごい。グイグイタオルが腕を締めつける。とりあえず、止血はこれでOK。
さて、これは病院に行った方が良いのだろうかと考える。
痛みは全然ない。しかし、血はいまだに滴り落ちている。服は上着もパンツも血だらけだ。
周りを見渡すと、工房中に血痕がついている。冷静に動いていたようで、実はパニックになっていたのかもしれない。
かなり、出血したな~、血も止まらないし、やっぱり病院に行くしかないなと思った。





時間は夕方の6時過ぎ。村の診療所はとっくに閉まっている。
病院に行くといっても、どこに行けばいいのか、さっぱりわからない。う~ん、困った。

うちのすぐそばで家具作りをしているKさんに電話をしてみた。彼は仕事が終わると携帯を切ってしまうので、微妙な時間だ。しかし、ウン良く電話はつながった。
「怪我したんだけど、どこに病院がありますか?」って訪ねると、「じゃあ、連れていってやる。」と言ってくれた。
まずは、Kさんも行った事のあるひとつ隣村の診療所に行くのだが、ここもすでに終わっていた。
ということは、さらに都会に出ないと緊急で診てくれるところはなさそうだ。

けっきょく工房から約1時間以上かけて、富士吉田にある大きな市立病院に行くことにした。
止血のせいで、手が痺れてきている。止血ってどのくらいしてればいいんだろう?


病院に着いたときには、すでに出血も止まっており、痛みもなかったので、先生に「あれ、病院来る必要なかったですか?」って聞いたら、「ダメだよ。縫うよ」って言われて、二針縫うはめになってしまった。
「止血がちゃんと出来ていたから良かった」と看護士さんに褒められた。テレビもたまには役に立つ。(笑)

痛み止めと化膿止めをもらって、工房に帰ってきた。
痛みがなかったので、作業の続きをはじめた。でもちょっと慎重に。(笑)
血痕はこのアクシデントを忘れないためにも、残しておこうと思ったのだが、あまりにもあちこちにあるので、けっきょく作業をやめて、掃除をすることにした。

翌日も、1時間以上かけて病院に行き、半日が潰れた。
予定の時間分、作業が出来なかった上に、構造上の問題点が発覚したため、けっきょく、テーブルは完成しなかったのだ。

自分のちょっとしたミスがお客さんに迷惑をかけてしまうことになってしまった。
来週中には、テーブル完成させ、次ぎの注文品に取りかからないと。

今度からは、工房の一部分に、わざと残した血痕を意識して、怪我のないよう慎重且つ効率的に仕事を進めて行こうと思っている。


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