田母神俊雄前航空幕僚長の問題が、今日11月16日のサンプロで討論された。
討論に参加したメンバーは、元自衛隊幹部と軍事評論を中心としている評論家・田岡氏であり、極めて偏った人選ではあるが、それでも問題点が幾つも明確になった。
田母神“論文”について、元・自衛隊幹部以外の出席者は、極めて稚拙かつ手前勝手の切り貼りであることを明らかにした。
田岡氏は、自分に都合の良い情報だけをネタに“論文”を構築しているが、こういう情報管理で作戦を考えるのは大問題である。都合の良い情報だけを見てあとは見ないようにするのは、旧・日本軍の発想を引き継いでいる、との趣旨を発言し、こういう人物が航空自衛隊の最高指揮官であったことは大変なことである、と主張していた。
また「“論文”が特選になったことから事態が大きくなった」と元・自衛隊幹部は主張していたが、
私はこの『懸賞論文コンテスト』は初めから出来レース(いわゆる『やらせ』)で、謂わば田母神“論文”を『特選』にするために仕組まれた懸賞だったと思っている。他の応募者はどうでも良く「枯れ木も山の賑わい」程度の位置づけだったと思う。
田原氏もこれと同様の趣旨を発言していた。
“論文”については、他にもさまざま議論されたが、このブログでも何度も書いているのでここまでとする。
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田原聡一郎氏がその中で、現在の政治状況が、昭和初期の状況に酷似していることを指摘し、非常に危険な状況であることを強調。
議論の最後に、5・15事件、2・26事件のような事態が起こりかねないと警告を発した。
この感触は私の認識と同じだ。
田原氏の指摘した類似性は概要下記の通り(録画した訳ではないので多少ニュアンスの違いはあるかも知れないが・・・)
① 昭和4(1929)年の大恐慌で日本の経済も破綻
② 農村では農業が成り立たす、子女の身売りが日常化
⇒ 現在では形は変わるが非正規・不安定雇用での貧困化
③ 政治の無能・貧困
④ 帝人事件(1934年)をはじめとする企業不祥事の連続
⑤ 昭和6(1931)年 満州事変(侵略)
⑥ 昭和7(1932)年 5・15事件
⑦ 昭和11(1936)年 2・26事件
・・・(以下、記憶漏れ)
これらの状況と現在の状況が如何に酷似しているかを説明した上で、
「現在の状況は極めて危険な状況だと思う」と強調し、
「言論クーデター」だけに終わらないのではないかと指摘したのである。
討論に参加していた元・陸上自衛隊幹部の志方氏は、
「実力クーデターは絶対にありえない」ことを強調。
しかし、軍隊の暴走は、いつもそのような楽観論に幹部が埋没している隙に制服組によって着々と醸成されていたのではなかったか?
討論では、田母神“論文”は、そのような自衛隊内部の憤懣に対する「ガス抜き」的な側面もあったのではないかという『弁護論』もあったが、
私は「ガス抜き」よりは、むしろ「鼓舞する」ものであったと捉えている。
【ポラリス】 にも「?」付きで書かれていたが、クーデター計画は「全く荒唐無稽」なものと言い切ることはできないものと思う。
特に、安倍内閣崩壊後の政権の無能さと「ていたらく」を見るにつけて、『意識ある将校』が、これらの状況を打破したいという欲求を募らせるのは有り得ることではないか?と懸念する。
「ポラリス」にも書いていたが、相次ぐ軍隊の暴走やクーデター(「血盟団事件」「5・15事件」「2・26事件」など)そのものは、短期間に制圧されたが、その後の政治が軍隊の意向をおもんばかるものになり、軍隊の暴走になったことを忘れる訳には行かない。
本当に恐ろしい事態が進行しているのではないだろうか?
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11/13 自衛隊の侵略美化の幹部教育 井上議員が追及
空幕人事教育部長も投稿後押し
ロイター 2008年 11月 14日 19:10
空自の懸賞論文大量投稿問題、「防衛監察本部」が調査開始(読売新聞) - goo ニュース
空幕部長名でも論文要綱送付 空幕長は組織性否定(朝日新聞) - goo ニュース
空幕人事教育部長も投稿後押し 各部隊に懸賞論文の周知依頼(共同通信) - goo ニュース
討論に参加したメンバーは、元自衛隊幹部と軍事評論を中心としている評論家・田岡氏であり、極めて偏った人選ではあるが、それでも問題点が幾つも明確になった。
田母神“論文”について、元・自衛隊幹部以外の出席者は、極めて稚拙かつ手前勝手の切り貼りであることを明らかにした。
田岡氏は、自分に都合の良い情報だけをネタに“論文”を構築しているが、こういう情報管理で作戦を考えるのは大問題である。都合の良い情報だけを見てあとは見ないようにするのは、旧・日本軍の発想を引き継いでいる、との趣旨を発言し、こういう人物が航空自衛隊の最高指揮官であったことは大変なことである、と主張していた。
また「“論文”が特選になったことから事態が大きくなった」と元・自衛隊幹部は主張していたが、
私はこの『懸賞論文コンテスト』は初めから出来レース(いわゆる『やらせ』)で、謂わば田母神“論文”を『特選』にするために仕組まれた懸賞だったと思っている。他の応募者はどうでも良く「枯れ木も山の賑わい」程度の位置づけだったと思う。
田原氏もこれと同様の趣旨を発言していた。
“論文”については、他にもさまざま議論されたが、このブログでも何度も書いているのでここまでとする。
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田原聡一郎氏がその中で、現在の政治状況が、昭和初期の状況に酷似していることを指摘し、非常に危険な状況であることを強調。
議論の最後に、5・15事件、2・26事件のような事態が起こりかねないと警告を発した。
この感触は私の認識と同じだ。
田原氏の指摘した類似性は概要下記の通り(録画した訳ではないので多少ニュアンスの違いはあるかも知れないが・・・)
① 昭和4(1929)年の大恐慌で日本の経済も破綻
② 農村では農業が成り立たす、子女の身売りが日常化
⇒ 現在では形は変わるが非正規・不安定雇用での貧困化
③ 政治の無能・貧困
④ 帝人事件(1934年)をはじめとする企業不祥事の連続
⑤ 昭和6(1931)年 満州事変(侵略)
⑥ 昭和7(1932)年 5・15事件
⑦ 昭和11(1936)年 2・26事件
・・・(以下、記憶漏れ)
これらの状況と現在の状況が如何に酷似しているかを説明した上で、
「現在の状況は極めて危険な状況だと思う」と強調し、
「言論クーデター」だけに終わらないのではないかと指摘したのである。
討論に参加していた元・陸上自衛隊幹部の志方氏は、
「実力クーデターは絶対にありえない」ことを強調。
しかし、軍隊の暴走は、いつもそのような楽観論に幹部が埋没している隙に制服組によって着々と醸成されていたのではなかったか?
討論では、田母神“論文”は、そのような自衛隊内部の憤懣に対する「ガス抜き」的な側面もあったのではないかという『弁護論』もあったが、
私は「ガス抜き」よりは、むしろ「鼓舞する」ものであったと捉えている。
【ポラリス】 にも「?」付きで書かれていたが、クーデター計画は「全く荒唐無稽」なものと言い切ることはできないものと思う。
特に、安倍内閣崩壊後の政権の無能さと「ていたらく」を見るにつけて、『意識ある将校』が、これらの状況を打破したいという欲求を募らせるのは有り得ることではないか?と懸念する。
「ポラリス」にも書いていたが、相次ぐ軍隊の暴走やクーデター(「血盟団事件」「5・15事件」「2・26事件」など)そのものは、短期間に制圧されたが、その後の政治が軍隊の意向をおもんばかるものになり、軍隊の暴走になったことを忘れる訳には行かない。
本当に恐ろしい事態が進行しているのではないだろうか?
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11/13 自衛隊の侵略美化の幹部教育 井上議員が追及
空幕人事教育部長も投稿後押し
ロイター 2008年 11月 14日 19:10
田母神俊雄前航空幕僚長が歴史認識に関し政府見解を否定する論文を発表した問題で、空幕教育課が懸賞論文を知らせる新聞記事を全国の部隊に送った後の6月中旬、その上司に当たる空幕の人事教育部長名でも懸賞論文の周知徹底を求める文書を送っていたことが分かった。外薗健一朗空幕長が14日の定例会見で明らかにした。空幕が組織的に投稿を後押ししていたことがあらためて浮き彫りになった形だ。
空自の懸賞論文大量投稿問題、「防衛監察本部」が調査開始(読売新聞) - goo ニュース
空幕部長名でも論文要綱送付 空幕長は組織性否定(朝日新聞) - goo ニュース
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