JUNSKY blog 2015

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非正規労働者を守れるか NHK

2008-12-19 20:57:40 | 雇用・労働
NHKが先日(2月15日)放送した、非正規問題の特別番組
セーフティーネット・クライシスII
非正規労働者を守れるか

の録画を見ている。



このブログでも前に書いたが、番組は
 第一部は、これら不安定労働者の実態のレポート
 第二部は、労働者を支援するNPO代表、財界代表、
      厚生労働副大臣、大学教授らの討論
 第三部は、派遣労働者も同一賃金で働いているオランダのレポート
 第四部は、この外国の事例を踏まえての打開策を模索する討論
  という構成であった。

 財界の代表として、日本総合研究所特別顧問の門脇英晴氏が出演していた。


 しかし、門脇英晴氏の言い分は、非正規労働者を「モノ」としか見ていないことが露骨に現れている。

彼は言い放った。
「非正規労働者を社会に包摂してゆくことになれば・・・」云々

 彼の発想には「非正規労働者」が人間であり、社会の一員であるという考えは全く無い。
 生産性を上げ、企業の競争力を高める=すなわち低賃金無権利で使い、コストを削減するための道具としか思っていない。

 彼が番組の中で言い放った言葉を、できるだけ書き留めて見よう(ビデオを一時停止にしながら)

*「非正規雇用の人たちを社会に包摂してゆくことになれば、その人たちの そのいわゆる競争力といいましょうか、その人たちがいわゆる立派な社会人になるといいましょうか 競争力のあった人になって頂くことをやっぱり社会としてその推進してゆくということで、全体の社会の調和を保ってゆく」
 ⇒ 非正規労働者が無能なモノで、社会から隔離された道具と考えている。
   安く使うことが競争力だったくせに、今度は競争力をつけろという。
   しかし、長期に派遣で働いている労働者には正社員以上のスキルをもっている労働者も少なくないのが実際。

*「非正規の方々が本当に能力のある人間にある意味では変えてゆくことができるか、また成長してゆくことができるかどうかということを自覚してその方たちもやってゆけるかどうか」
 ⇒ ここでも無能力者と決め付け

*「しかしですね、何年か経つと次第にそのようなことが実ってくると言う楽観的な見方がなければ、なかなかそういうことはできないのではないか?」
 ⇒ 非正規に能力を持たせて“調和のある社会”にしてゆくつもりがないことを表明

*「教育投資とか雇用促進投資とか職業訓練とかは日本ではなかなか成功しない」
 ⇒ 教育に力を入れずに放置してきたのは財界ではないか!

*「非正規雇用者の競争力みたいなもの付加価値を如何につけさせてゆくのか」
 ⇒ 付加価値を付けるという言い方はまさにモノと考えていることの証左

*「企業もこの人たちの生産性を上げて行かなければ、その競争力の面ではだめだ」
 ⇒ 生産性という発想もモノとしか見ていない証明

*「非正規を含めて競争力を考えてゆかなければならない」
 ⇒ 綺麗ごとのようで、実際はこのまま続けるという意味。
   これまでまさに非正規の低賃金を含めたコスト競争力を追究してきた。

*「非正規の方々には教育とか余りやってこなかった。そういう人たちを使っていて本当に競争力がつくのか」
 ⇒ 派遣労働者の方がスキルがあった。
   それが、日本の車や家電の競争力であった。

 以上のように、この財界代表はあまりにも露骨な非正規労働者蔑視にコリ固まったものであった。

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