2010年3月7日(日)
3月6日付「河北新報」によると、チリ地震津波で、押し寄せた津波の局地的高さは、「検潮所」での測定結果を大きく上回ることが明らかになったと言う。
もちろん、地形や海底の状況によって、津波の高さは大きく変動することを事前にインフォームされているので、驚くようなことではない。
フィールド・ワークによって、各地の状況を実態調査したことが重要である。
河北新報の記事によれば、
【仙台管区、盛岡地方の両気象台が4市3町を現地調査した。建物がぬれた跡や漂流物の打ち上げられた範囲から、海面が最も高くなった位置を特定
津波の高さが最も高かったのは陸前高田市両替漁港の1.9メートル。このほか、気仙沼市魚市場が1.8メートル、岩手県大槌町大槌漁港が1.3メートル、宮城県女川町女川浜が1.2メートルなどだった。】
という。
では、津波の高さはどのようにして測定しているのだろうか?
いずれのメディアでも「検潮所」での測定結果と紹介されるだけで、測定方法は解らない。
普通の波との差は、どうやって測るのだろうか?
それを教えてくれたのが、昨日(2010/3/06)のNHK「週間こどもニュース」であった。
おそらく、測定方法を紹介した「初めてのニュース」ではなかっただろうか?
それによると
(1)海岸に設置した「井戸式」
隔離された筒状の装置の底の方に孔を開けてあり、
海面ではなく海底近くから海水を導入するので、
海面の波の影響を少なくできる。
(2)GPS方式
沖合いに設けた浮遊ブイに取り付けたGPSを衛星で観測する。
通常の波の影響を受けそうにも思うが、一種の平均化するのか?
(3)水圧式
沖合いの海底に設けた水圧計の数値を測定する。
津波のような波長の長い(山が長い)「波」が来ている時は
水圧計上部の水深が『深く』なるので、水圧が上がる。
気象庁にはこれらのデータが全て即時伝送され、これを元に
津波の高さの確定や到達する津波の高さや時刻を予測するそうだ。
これらの説明を解りやすい模型付きで説明してくれたので
良く解った。
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最大波、発表値の1.5倍
チリ大地震津波
河北新報 2010年03月06日土曜日
仙台管区気象台は5日、東北地方の太平洋側へ2月28日に到達したチリ大地震津波の最大波の高さが推定で、陸前高田市で1.9メートルなど三陸沿岸で1~2メートルに達したと発表した。津波来襲時に発表された検潮所の観測値に比べ、1.5倍以上の高さ。気象台は「局地的に津波が大きくなったとみられ、十分な警戒が必要だったことを示している」と指摘した。
津波の高さが最も高かったのは陸前高田市両替漁港の1.9メートル。このほか、気仙沼市魚市場が1.8メートル、岩手県大槌町大槌漁港が1.3メートル、宮城県女川町女川浜が1.2メートルなどだった。
仙台管区、盛岡地方の両気象台が1、2の両日に久慈、陸前高田、気仙沼、石巻、岩手県大槌、宮城県南三陸、女川の4市3町を現地調査した。建物がぬれた跡や漂流物の打ち上げられた範囲から、海面が最も高くなった位置を特定。周辺で最大波を観測した時刻の本来の潮位との差から、津波の高さを推定した。
気象庁は東北地方の主要港の21地点で潮位を常時観測し、津波の到達状況の速報や公式発表に用いている。今回、気象庁が公式に発表している東北の最大波は久慈の1.2メートルで、仙台港の1.1メートルが次いだ。
気象台の川原田義春地震火山課長は「津波は沿岸の地形によっては急に高くなり、観測点の近くでも2~3倍の高さになる可能性のあることは従来から指摘してきた」と強調。両替漁港は広田湾、気仙沼市魚市場は気仙沼湾の奥に位置するため、調査結果は想定の範囲内だという。
気象庁の観測を上回る津波は、岩手県山田町や宮城県南三陸町が独自に設けた潮位計でも観測され、気象庁の観測網の限界も指摘される。川原田課長は「自治体のデータ活用は今後の課題と考えている」と述べた。
2010年03月06日土曜日