2010年4月9日(金)
1972年に沖縄が返還された際の「日米密約」を毎日新聞紙上でスクープした西山太吉さんらジャーナリスト等が訴えていた、「日米密約」文書の開示を求めた裁判で、東京地裁が「全面開示」の判決を本日(2010/4/9)下したと言う。
西山太吉さんは、「これ以上無い立派な判決だ」と高く評価しているようだ。
【写真は共同通信より:判決に喜ぶ澤地久枝さん(中央)と西山太吉さん(右)】
西山さんは、当時のスクープでジャーナリストとしては高く評価されたが、政府はやっきになって『情報漏えい』ルートを探り、外務省の女性職員と西山氏が不倫関係をもって情報を入手したと人を貶める攻撃をして、毎日新聞から追い出されてしまった。
当時のことをおぼろげに覚えているが、蓮見事務官と西山氏の不倫物語の方が強調された報道であった。
しかし、一事務官がそのような「TOPシークレット」を入手できるはずもなく、西山氏を辱めて「スクープはでっちあげ」であるとの印象を国民に宣伝したのである。
西山氏がそういう攻撃に晒されながらも真のニュースソースを守ったのは大したものである。
それ以降、こういう「TOPシークレット」を報道すると政府を挙げた攻撃に晒されるという実態がジャーナリストの手足を縛ったのは言うまでもない。
いわば、西山氏は見せしめとしてジャーナリスト生命を奪われたのである。
それから40年近くたって、当時【返還交渉の責任者だった吉野文六・元外務省アメリカ局長が原告側証人として出廷し、外務省の局長室で密約文書に「署名した」と証言した】(朝日.com)こともあって、今回の判決を得たものと思う。
【杉原則彦裁判長は、原告側の請求を全面的に認め、密約に関する文書の不存在を理由に国が非開示とした処分を取り消し、開示するよう命じた。】(朝日.com)
密約文書の重要性に関しては
【杉原裁判長は文書について、「第一級の歴史的価値のある重要文書」と認定した上で、「日本が国民に知らせないままに財政負担することを、米国との間で合意した密約を示すもので、国民から隠す必要があった」と指摘。「交渉経過を示すメモ類なので廃棄してもおかしくない」とする国側の主張を退けた。】(時事通信)
文書がなくなったと主張する外務省の主張について
【文書の存否に関しては、「永久保存するべきなのに、仮に廃棄されているなら、高い立場の者が関与した組織的な意思決定があったと理解するしかない」と述べた。その上で、「既に廃棄された疑いはあるが、十分な調査を行わず具体的な主張をあえてしないのに、国側を勝訴させるべきではない」として、失われたと認めることはできないと結論付けた。 】(時事通信)
この判決について、西山太吉さんは、
【「超完勝だ。何も言うことはない」-。日米の密約文書をめぐる情報公開訴訟の原告の1人で、機密電信文の漏えい事件で過去に逮捕された元毎日新聞記者・西山太吉氏は、9日の勝訴判決直後、うなるような声で喜びを語った。】(時事通信)という。
一方、政権発足時に日米四大密約を徹底的に調査して国民に明らかにすると『立派なこと』を言って、日本共産党からも全ての関係資料を提供された鳩山内閣は、本来喜ぶべきはずのところが、この判決を不服として控訴を検討していると言う。
普天間問題と同様、ここでも本末転倒・主客転倒して、野党だった頃に批判していた自民党の対応と殆ど同じようになっている。
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沖縄密約、司法も認定 東京地裁、元記者ら勝訴(共同通信) - goo ニュース
沖縄返還文書 日米密約の存在認め開示命令 東京地裁(朝日新聞) - goo ニュース
西山元記者「超完勝だ」
=判決に拍手-沖縄密約訴訟原告(時事通信) - goo ニュース
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岡田外相、控訴を検討=沖縄密約「文書はない」(時事通信) - goo ニュース
1972年に沖縄が返還された際の「日米密約」を毎日新聞紙上でスクープした西山太吉さんらジャーナリスト等が訴えていた、「日米密約」文書の開示を求めた裁判で、東京地裁が「全面開示」の判決を本日(2010/4/9)下したと言う。
西山太吉さんは、「これ以上無い立派な判決だ」と高く評価しているようだ。
【写真は共同通信より:判決に喜ぶ澤地久枝さん(中央)と西山太吉さん(右)】
西山さんは、当時のスクープでジャーナリストとしては高く評価されたが、政府はやっきになって『情報漏えい』ルートを探り、外務省の女性職員と西山氏が不倫関係をもって情報を入手したと人を貶める攻撃をして、毎日新聞から追い出されてしまった。
当時のことをおぼろげに覚えているが、蓮見事務官と西山氏の不倫物語の方が強調された報道であった。
しかし、一事務官がそのような「TOPシークレット」を入手できるはずもなく、西山氏を辱めて「スクープはでっちあげ」であるとの印象を国民に宣伝したのである。
西山氏がそういう攻撃に晒されながらも真のニュースソースを守ったのは大したものである。
それ以降、こういう「TOPシークレット」を報道すると政府を挙げた攻撃に晒されるという実態がジャーナリストの手足を縛ったのは言うまでもない。
いわば、西山氏は見せしめとしてジャーナリスト生命を奪われたのである。
それから40年近くたって、当時【返還交渉の責任者だった吉野文六・元外務省アメリカ局長が原告側証人として出廷し、外務省の局長室で密約文書に「署名した」と証言した】(朝日.com)こともあって、今回の判決を得たものと思う。
【杉原則彦裁判長は、原告側の請求を全面的に認め、密約に関する文書の不存在を理由に国が非開示とした処分を取り消し、開示するよう命じた。】(朝日.com)
密約文書の重要性に関しては
【杉原裁判長は文書について、「第一級の歴史的価値のある重要文書」と認定した上で、「日本が国民に知らせないままに財政負担することを、米国との間で合意した密約を示すもので、国民から隠す必要があった」と指摘。「交渉経過を示すメモ類なので廃棄してもおかしくない」とする国側の主張を退けた。】(時事通信)
文書がなくなったと主張する外務省の主張について
【文書の存否に関しては、「永久保存するべきなのに、仮に廃棄されているなら、高い立場の者が関与した組織的な意思決定があったと理解するしかない」と述べた。その上で、「既に廃棄された疑いはあるが、十分な調査を行わず具体的な主張をあえてしないのに、国側を勝訴させるべきではない」として、失われたと認めることはできないと結論付けた。 】(時事通信)
この判決について、西山太吉さんは、
【「超完勝だ。何も言うことはない」-。日米の密約文書をめぐる情報公開訴訟の原告の1人で、機密電信文の漏えい事件で過去に逮捕された元毎日新聞記者・西山太吉氏は、9日の勝訴判決直後、うなるような声で喜びを語った。】(時事通信)という。
一方、政権発足時に日米四大密約を徹底的に調査して国民に明らかにすると『立派なこと』を言って、日本共産党からも全ての関係資料を提供された鳩山内閣は、本来喜ぶべきはずのところが、この判決を不服として控訴を検討していると言う。
普天間問題と同様、ここでも本末転倒・主客転倒して、野党だった頃に批判していた自民党の対応と殆ど同じようになっている。
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沖縄密約、司法も認定 東京地裁、元記者ら勝訴(共同通信) - goo ニュース
沖縄返還文書 日米密約の存在認め開示命令 東京地裁(朝日新聞) - goo ニュース
西山元記者「超完勝だ」
=判決に拍手-沖縄密約訴訟原告(時事通信) - goo ニュース
2010年4月9日(金)17:09
(時事通信)
「超完勝だ。何も言うことはない」-。日米の密約文書をめぐる情報公開訴訟の原告の1人で、機密電信文の漏えい事件で過去に逮捕された元毎日新聞記者・西山太吉氏(78)は、9日の勝訴判決後、うなるような声でよろこびを語った。
裁判長が「不開示決定を取り消す」と主文の読み上げを始めると、原告らは驚いたように静まり返った。請求が全面的に認められたことが分かると、傍聴席からは「よしっ」と小さな声が上がり、閉廷時には拍手がわいた。
その間、原告席に座った西山氏は目をしばたかせ、何度も首をひねり、落ち着かない様子。一方、国側代理人はうつむいて聞き入った。
法廷を出た西山氏は「われわれがベストを尽くしたことをすべて汲み取ってくれた。これ以上の判決はない」と言い切った。
沖縄密約文書の開示命令=政府間合意と判断-外務・財務省の保有認定・東京地裁(時事通信) - goo ニュース
岡田外相、控訴を検討=沖縄密約「文書はない」(時事通信) - goo ニュース